光文社古典新訳文庫 - 切ない作品一覧

  • 読書好きが選んだ、心をつかんで離さない53冊 わたしの推しの光文社古典新訳文庫
    無料あり
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 光文社古典新訳文庫は2021年で創刊15周年! 記念ブックガイドではあの読書好きが刊行タイトルの中の“推し”をコメント付きで紹介します。書評家、翻訳家からマンガ家、YouTuber、そして社内で古典新訳文庫に関わる人間まで登場! 愛が伝わって今すぐその本を読みたくなるような、古典への愛が深まるきっかけとなるような、そしてあなたの「推しの一冊」が見つかるような全53冊紹介のブックガイド。

    試し読み

    フォロー
  • クリスマス・キャロル
    3.9
    並はずれた守銭奴で知られるスクルージは、クリスマス・イヴにかつての盟友で亡きマーリーの亡霊と対面する。マーリーの予言通りに3人の精霊に導かれて、自らの辛い過去と対面し、クリスマスを祝う、貧しく清らかな人々の姿を見せられる。そして最後に自分の未来を知ることに――。話題の映画原作を古典新訳で!【光文社古典新訳文庫】

    試し読み

    フォロー
  • 夜間飛行
    4.0
    20世紀初頭の郵便飛行に携わる者は、「自分達が歴史を作る」という信念と誇りを持っていた! 南米大陸で、夜間郵便飛行という新事業に挑んだ男たち。ある夜、パタゴニア便を激しい嵐が襲う。生死の狭間で懸命に飛び続けるパイロットと、地上で司令に当たる冷徹にして不屈の社長の運命は――命を賭して任務を遂行しようとする者の孤高の姿と美しい風景を、自身も飛行士だった作家が詩情豊かに描く航空小説の傑作。
  • 初恋
    4.0
    16歳の少年ウラジーミルは、隣に引っ越してきた年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。取り巻きの青年たちと恋のさや当てが始まるなか、ある日彼女が恋に落ちたことを知る。だが、相手はいったい誰なのか? 初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した自伝的中編。
  • 肉体の悪魔
    3.9
    第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでいく……。早熟な少年の人妻への恋を、天才作家が悪魔的な筆致で描く20世紀心理小説の白眉、研ぎ澄まされた文体で甦った決定訳!
  • ちいさな王子
    4.4
    砂漠に不時着した飛行士「ぼく」の前に突然現れた不思議な少年は、ちいさな星からやってきた王子だった。わかりあい、やがてかけがえのない友人になったとき、王子は自分の星に帰ることを告げる……。王子の言葉は、ずっと忘れていた、たくさんのことを思い出させてくれた。「目ではなにも見えないんだ。心でさがさなくちゃ」。飛行士としての経験豊富なサン=テグジュペリにこそ紡ぐことのできた色褪せることのないファンタジー。【光文社古典新訳文庫】
  • ジーキル博士とハイド氏
    3.7
    街中で少女を踏みつけ、平然としている凶悪な男ハイド。彼は高潔な紳士として名高いジーキル博士の家に出入りするようになった。二人にどんな関係が? 弁護士アタスンは好奇心から調査を開始する。そんな折、ついにハイドによる殺人事件が引き起こされる! 高潔温厚な紳士と、邪悪な冷血漢――善と悪に分離する人間の二面性を追求した怪奇小説の傑作であり、「悪になることの心の解放」をも描いた画期的心理小説、待望の新訳!
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ
    4.3
    19世紀ロシアの一裁判官が、「死」と向かい合う過程で味わう心理的葛藤を鋭く描いた「イワン・イリイチの死」。社会的地位のある地主貴族の主人公が、嫉妬がもとで妻を刺し殺す――作者の性と愛をめぐる長い葛藤が反映された「クロイツェル・ソナタ」。トルストイの文体が持っている「音とリズム」を日本語に移しかえ、近代小説への懐疑をくぐり抜けた後の新しい作風を端正な文体で再現したトルストイ後期中編2作。
  • オンディーヌ
    4.2
    森のなかの湖畔近くで暮らす漁師の養女オンディーヌは、ある日馬を休める納屋を借りに来た騎士ハンスに出会い、一目で恋に落ちる。ハンスもまた無邪気で美しい彼女に魅かれ、ともに城での生活を始める。ただ、彼女は人間ではなく、水の精だった――。水の精が「いまの言葉」で生き生きと語りだす。躍動感に満ちた20世紀フランスの国民的作家、ジロドゥの演劇の頂点。
  • 地下室の手記
    4.0
    世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。後の5大長編へとつながる重要作品であり、著者の思想が反映された主人公の苦悩をリアルに描いた決定訳!
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    4.1
    父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが……。【光文社古典新訳文庫】
  • 青い麦
    3.3
    毎年、幼なじみのフィリップとヴァンカは、夏をブルターニュの海辺で過ごす。だが、16歳と15歳になった今年はどこかもどかしい。互いを異性として意識し始めた二人の関係はぎくしゃくしている。そこへ現れた年上の美しい女性の存在が、二人の間に影を落とす……。生涯に三度結婚し、同性愛も経験するなど、恋の機微を知り奔放な愛に生きた作家コレットが描いた、女性心理小説の傑作。
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    3.7
    「ある街角で、不安が私に襲いかかった。汚らしく、うっとりするような不安だ」エロスの狂気が神を超える! 戦慄に満ちた娼婦との一夜を描く短編「マダム・エドワルダ」に加え、目玉、玉子など球体への異様な嗜好を持つ少年少女のあからさまな変態行為を描いた「目玉の話」を収録。60年代末の日本文学界を震撼させ、三島由紀夫らも絶賛したバタイユ小説の白眉、スキャンダラスな原作の世界をすみずみまで再現する衝撃の新訳!
  • 車輪の下で
    4.0
    周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし、厳しい学校生活になじめず、次第に学業からも落ちこぼれていく。そして、友人のハイルナーが退校させられると、とうとうハンスは神経を病んでしまうのだった。療養のため故郷に戻り、そこで機械工として新たな人生を始めるが……。地方出身の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。【光文社古典新訳文庫】
  • 闇の奥
    3.9
    船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクルツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見した真実とは? 著者自身の強烈なコンゴ体験をもとにアフリカの奥地への苛烈な旅を描き、文明社会の価値観を問うた20世紀最大の問題作を、リーダブルな新訳で!
  • アウルクリーク橋の出来事/豹の眼
    3.4
    ある男が橋の上で絞首刑になろうとしていた。足元の板が外され川に落ちた彼が、敵の銃弾を逃れてたどり着いたところとは(「アウルクリーク橋の出来事」)? 森に住む女が恋人からの求婚を頑なに拒んだ理由とは(「豹の眼」)? 『悪魔の辞典』の著者として有名なビアスは、苛烈な南北戦争や長男の決闘死といった自らの経験をもベースに、ひたすら「死」を描き続けた短篇の名手でもあった。その代表的な14篇を収録。
  • ナルニア国物語1 魔術師のおい
    4.0
    魔法の指輪で異世界に迷い込んだディゴリーとポリーは、廃都に眠る悪の女王を誤って復活させ、ロンドンに連れ帰ってしまう。女王を元の世界に戻そうとするが、入り込んだのはまた別の世界。そこでは今まさに一頭のライオンが新たな国を創造しようとしていたところだった……。世界最高のファンタジー大作が、大人も楽しめる新訳でついに登場! ナルニア最初の冒険を描く第1巻。(解説・松本朗)
  • 歎異抄
    3.6
    「アミダ如来はんにいただいた信心を、おれのもんやいう顔で取り返そういうのんは、ホンマにアホらしいことやで」。「ホトケはんやお寺さんへのおフセが多い少ないで、大きなホトケや小っさいホトケになるんやいうのは、こりゃあ、ケッタイな説や」。天災や飢饉に見舞われ、戦乱の収まらない鎌倉初期の無常の世にあって、唯円は師が確信した「他力」の真意を庶民に伝えずにいられなかった。親鸞の教えをライブ感溢れる関西弁で!
  • 野性の呼び声
    4.1
    ゴールドラッシュに沸くカナダ・アラスカ国境地帯。ここでは犬橇が開拓者の唯一の通信手段だった。大型犬バックは、数奇な運命のもと、この地で橇犬となる。大雪原を駆け抜け、力が支配する世界で闘い、生きのびていくうちに、やがてその血に眠っていたものが目覚めはじめるのだった。苛酷な大自然を力のかぎり生きぬく犬たちの誇り高き生命の物語。20世紀初頭、アメリカで国民的な人気を博したジャック・ロンドンの出世作。
  • リア王
    4.0
    とつぜん引退を宣言したリア王は、誰が王位継承にふさわしいか、娘たちの愛情をテストする。しかし結果はすべて、王の希望を打ち砕くものだった。最愛の三女コーディリアにまで裏切られたと思い込んだ王は、疑心暗鬼の果てに、心を深く病み、荒野をさまよう姿となる。戯曲を読む楽しみを追求しつつ、原作の気品と格調、ユーモア、激しい罵詈雑言などが忠実に再現された《安西シェークスピア》の第1弾。
  • 変身/掟の前で 他2編
    3.8
    ある朝、不安な夢から目を覚ますと、グレーゴル・ザムザは、自分がベッドのなかで馬鹿でかい虫に変わっているのに気がついた……家族の物語を虫の視点で描いた「変身」。もっともカフカ的な「掟の前で」。カフカがひと晩で書きあげ、カフカがカフカになった「判決」。そしてサルが「アカデミーで報告する」。20世紀文学を代表する作家カフカの傑作4編を、もっとも新しい〈史的批判版〉にもとづいた翻訳で贈る。
  • 白魔(びゃくま)
    3.4
    「白い人が、微笑みながらやって来る……」緑色の手帳に残された少女の手記。彼女は迷い込んだ森のなかで「白い人」に魅せられ、導かれて……(「白魔」)。平凡な毎日を送るロンドンの銀行員にウェールズの田舎の記憶が甦り、やがて“本当の自分”に覚醒していく(「生活のかけら」)。自らも絶望のうちに黒魔術に傾倒した経歴を持つ不遇の英国作家マッケンが、魔の世界を幻視する幻想怪奇短編! 本邦初訳の3篇を含む。
  • ハムレット Q1
    3.8
    「生か死か、問題はそれだ」デンマーク王が急死し、王の弟クローディアスが王妃と結婚して王の座に就く。悲しみに沈む王子ハムレットはある日、父の亡霊と会い、その死がクローディアスによる毒殺だと知る。ハムレットは狂気を装い、復讐を誓うのだった……。これが『ハムレット』の原形、伝説のテキスト「Q1」ついに登場! シェイクスピア四大悲劇、最大の問題作!
  • デーミアン
    4.2
    些細な嘘をついたために不良に強請られていたエーミール。だが転校してきたデーミアンと仲良くなるや、不良は近づきもしなくなる。デーミアンの謎めいた人柄と思想に影響されたエーミールは、やがて真の自己を求めて深く苦悩するようになる。少年の魂の遍歴と成長を見事に描き、世界中で“悩める若者たち”に読み継がれる青春小説。
  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編
    4.1
    めまぐるしいオフィス風景をユーモラスに描く「多忙な株式仲買人のロマンス」、若く貧しい芸術家たちの姿を描いた「最後の一葉」、表題作の「1ドルの価値」。O・ヘンリーはアメリカの原風景とも呼べるかつての南部から、開拓期の荒々しさが残る西部、大都会ニューヨークなど、さまざまに舞台を移しながら多彩な作品を生み出した。世界各国で読み継がれる代表作のほか、知られざる作品も新訳で登場。心に染み入る珠玉の23編。【光文社古典新訳文庫】
  • オイディプス王
    4.1
    危機に瀕する都市国家テーバイを救うためオイディプス王は神託を請う。結果は、「先王ライオス殺害の犯人を罰せよ」だった。真相が明らかになるにつれ、みずからの出生の秘密を知ることになる彼を待ち受けていた運命とは? 「エディプス・コンプレックス」のもとになるなど、後世の文学、思想に大きな影響を与え、今も全世界で読み継がれ、上演されつづけるギリシャ悲劇の最高傑作。
  • フランケンシュタイン
    3.7
    天才科学者フランケンシュタインは生命の秘密を探り当て、ついに人造人間を生み出すことに成功する。しかし誕生した生物は、その醜悪な姿のためフランケンシュタインに見捨てられる。やがて知性と感情を獲得した「怪物」は、人間の理解と愛を求めて懇願する。「おれは妻が欲しい。友も欲しい……」だが拒絶と疎外の果てに悲劇は起こる。若き女性作家が書いた最も哀切な“怪奇小説”
  • タイムマシン
    3.9
    時空を超える〈タイムマシン〉を発明したタイム・トラヴェラーは、80万年後の世界へ飛ぶ。そこは、地上に住む華奢で穏やかなイーロイ人と、地底をねぐらにする獰猛なモーロック人という2種族からなる原始的な階級社会だった。人類の未来の姿に瞠目しながら探索を進めるうち、この世界の恐るべき真実が明らかに! 爆発的な想像力が生んだリアルな世界を格調高い新訳で。
  • にんじん
    3.4
    赤茶けた髪とそばかすだらけの肌で「にんじん」と呼ばれる少年は、母親や兄姉から心ない仕打ちを受けている。それにもめげず、時に自分と向き合ったり、時にユーモアを発揮したりしながら日々をやり過ごすうち、少年は大人へと成長していく――。著者が自身の子供時代を冷徹に見つめ直し、断章を重ねて綴った自伝的小説。
  • 神を見た犬
    4.1
    モノトーンで哀切きわまりない孤高の美の世界を描きながら、人が無意識のうちに心の奥底に抱えている心象風景を類まれな感性で捉えて容赦なく突きつける、イタリアの奇想作家ブッツァーティの代表的短篇集。とつぜん出現した謎の犬におびえる人々を描く表題作、老いた山賊の首領が手下にも見放され、たった一人で戦いを挑む「護送大隊襲撃」、そして幻の傑作と謳われる「戦艦《死》」など22篇を収録。
  • 幼年期の終わり
    4.2
    地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とは何なのか? 異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を、SFの巨匠クラークが哲学的に描いた傑作。初版刊行から36年後、現代に合うように著者が物語に調整をほどこした新版、初の邦訳!
  • グレート・ギャッツビー
    4.1
    絢爛豪華な邸宅に贅沢な車を持ち、夜ごと盛大なパーティを開く男ギャッツビーが、ここまで富を築き上げてきたのはすべて、かつての恋人を取り戻すためだった。だが、異常なまでのその一途な愛は、やがて悲劇を招く。過去は取り返せると信じて夢に賭け、そして砕けた男の物語。リアルな人物造形によってギャッツビーの意外な真実の姿が見えてくる新訳!
  • 罪と罰 1
    4.2
    貧困・孤独・狂気の渦巻く大都会のかたすみに、「理想的な」殺人をたくらむ青年が住んでいた。酔いどれ役人との出会い、母からの重い手紙、馬が殺される悪夢。ディテールが、運命となって彼に押し寄せる!歩いて七百三十歩のアパートに住む金貸しの老女を、主人公ラスコーリニコフはなぜ殺さねばならないのか。日本をはじめ世界の文学に決定的な影響を与えたドストエフスキーの代表作のひとつ、ついに新訳刊行。
  • 若きウェルテルの悩み
    4.2
    故郷を離れたウェルテルが出会い恋をしたのは、婚約者のいるロッテ。彼女と同じ時間を共有するなかで愛情とともに深まる絶望。自然への憧憬と社会への怒りのあいだで翻弄されもするウェルテルの繊細な心の行きつく先は……。世界文学史に燦然と輝く文豪ゲーテの出世作。身悶え不可避の不朽の名作。
  • ドリアン・グレイの肖像
    4.6
    「若さ! 若さ! 若さをのぞいたらこの世に何が残るというのだ!」美貌の青年ドリアンと彼に魅了される画家バジル。そしてドリアンを自分の色に染めようとする快楽主義者のヘンリー卿。卿に感化され、快楽に耽り堕落していくドリアンは、その肖像画だけが醜く変貌し、本人は美貌と若さを失うことはなかったが……。美貌を保つ肉体と醜く変貌する魂の対比。ワイルドの芸術観・道徳観が盛り込まれた代表作。
  • サロメ
    4.0
    妖しい月光の下、継父ヘロデ王の御前で艶やかに舞ってみせた王女サロメが褒美に求めたものは、囚われの美しき預言者ヨカナーンの首だった――作家・平野啓一郎が、これまでの「悪女(ファム・ファタール)」としてのサロメ像を一新し、原文に忠実に、無垢で残酷な少女としてのサロメの激情と悲劇的結末を浮き彫りにする新訳。詳細な註と解説つき。宮本亜門による舞台化原作。
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    3.9
    若い姪と二人、都会暮らしの教授に仕送りしてきた生活。だが教授は……。棒に振った人生への後悔の念にさいなまれる「ワーニャ伯父さん」。モスクワへの帰郷を夢見ながら、次第に出口のない現実に追い込まれていく「三人姉妹」。生きていくことの悲劇を描いたチェーホフの傑作戯曲二編。すれ違う思惑のなかで、必死に呼びかけ合う人々の姿を、極限にまで切りつめたことばで浮かび上がらせる待望の新訳。
  • 水の精(ウンディーネ)
    4.2
    妖しい森で道に迷った騎士フルトブラントは、湖の岸辺に立つ一軒の漁師小屋にたどり着く。そこで出会ったのは、可憐にして妖艶、無邪気で気まぐれな美少女ウンディーネだった。恋に落ちた二人は結婚式をあげるが……。のちの作家たちに多大な影響を与えたドイツ幻想文学の最高傑作を、瑞々しい新訳で。
  • アンティゴネ
    3.7
    戦争の死者とその弔い、国家と個人の関係を問うこと、服従か抵抗・自律か……。テーバイの王クレオンが仕掛けた侵略戦争で戦場から逃亡し殺されたポリュネイケス。王は見せしめに彼の屍を葬ることを禁じるのだが、アンティゴネはその禁を破って兄を弔い、伯父クレオンに抵抗するのだった。詩人ヘルダーリン訳に基づき、ソフォクレスのギリシア悲劇を改作し今日的意味を与えたブレヒトの問題作。
  • 貧しき人々
    4.0
    中年のしがない下級役人マカールと、天涯孤独な娘ワルワーラ。二人は毎日手紙で励ましあい、貧しさに耐えている。互いの存在だけを頼りに社会の最底辺で必死に生きる二人に、ある日人生の大きな岐路が訪れる……。後のドストエフスキー文学のすべての萌芽がここにある! 著者24歳のデビュー作、鮮烈な新訳!
  • 赤と黒(上)
    4.0
    スタンダールの代表作に新訳登場。ナポレオン失脚後のフランス、貧しい家に育った青年ジュリヤン・ソレルは、立身のため僧職に身を投じる。やがて貴族であるレナール家の家庭教師となり、その美貌からレナール夫人に慕われるようになる。ジュリヤンは金持ちへの反発と野心から、夫人を誘惑するのだが……。才知と美貌で激動の時代を駈けぬけた主人公の誇り高き精神を、新たな解釈で生き生きと描き出す。
  • シェリ
    3.6
    50歳を目前にして、美貌のかげりと老いを自覚する元高級娼婦のレア。恋人である25歳の青年シェリの突然の結婚話に驚き、表向きは祝福して別れを決心しつつも、心穏やかではいられない……。香り立つような恋愛の空気感と細やかな心理描写で綴る、「恋愛の達人」コレットの最高傑作。
  • 怪談
    3.7
    「耳なし芳一の話」「雪女」「むじな」「ろくろ首」……。日本をこよなく愛したハーン(日本名、小泉八雲)が、古来の文献や伝承をもとに流麗な文章で創作した怪奇短篇集。日本の文化、伝統、習慣を世界に紹介し、いまや「日本文学の古典」として読み継がれるハーンの代表作。昆虫エッセイ「虫の研究」も収録。
  • 酒楼にて/非攻
    3.5
    度重なる不幸で精根尽き果てていく女を描く「祝福」。すっかり様変わりした昔の友人の、閉塞感と郷愁に満ちた来し方の物語「酒楼にて」。春秋戦国時代に、思想と技術と組織力で反戦に奔走する思想家墨子の、静かなる闘いを描く「非攻」。『彷徨』『故事新編』から、意外な魯迅像が発見できる異色作8篇。悩む魯迅、笑う魯迅。中国近代文学の草創期を代表する実験的小説群。
  • 女の一生
    4.2
    男爵家の一人娘に生まれ何不自由なく育ったジャンヌ。彼女にとって、人生は夢が次々と実現していくものであるはずだった。しかし、現実はジャンヌを翻弄し続ける。乳母妹だった女中のロザリが妊娠し、その相手が自分の夫であることを知った時、彼女は過酷な現実を生き始めた――。感情移入を抑えて、現実を美化せずにありのままを描く自然主義文学の真髄ともいえる傑作。
  • みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ
    4.1
    将来結婚するものと考えていた幼なじみとの初恋とその後日を回想する「みずうみ」。継母と前妻の娘との心の揺れを描く「三色すみれ」。旅芸人一座との出会いと別れ、そして大人になって思いがけず再会する「人形使いのポーレ」。若き日の甘く切ない経験を繊細な心理描写で綴った傑作3篇。
  • ピノッキオの冒険
    4.1
    一本の棒っきれから作られた少年ピノッキオは、誘惑に屈してばかりで騒動に次ぐ騒動を巻き起こす。父ジェッペットさんをはじめ周囲の大人たちを裏切り続ける悪たれ小僧の運命は? 19世紀後半イタリア国家統一の時代、子どもに対する切なる願いを込めて書かれた児童文学の傑作。
  • ジェイン・エア(上)
    4.2
    幼くして両親を亡くしたジェイン・エアは、引き取られた伯母の家で疎まれ、寄宿学校に預けられる。そこで心を通わせられる人々と出会ったジェインは、8年間を過ごした後、自立を決意。家庭教師として出向いた館で主人のロチェスターと出会うのだった。彼女の運命の扉が開かれた――現代の恋愛小説の原点とも言える古典ロマンス小説の金字塔。時代に翻弄されながら愛を貫くヒロインの姿を、情感溢れる文体で生き生きと描き出す!
  • 白痴1
    4.2
    人は彼を、愛情をこめて「白痴」と呼ぶ……。純粋無垢のかたまりムイシキン侯爵、絶世の美人ナスターシヤと強烈な野生びとロゴージンが繰りひろげる三角関係。世界文学の王者ドストエフスキーの最高の「恋愛小説」。亀山郁夫の音楽性ゆたかな新訳が、このハイスピードの物語を演出します!
  • 傾城(けいじょう)の恋/封鎖
    3.6
    離婚後、没落した実家に戻っていた白流蘇(パイリウスー)。異母妹の見合いに同行したところ英国育ちの青年実業家に見初められてしまう「傾城の恋」。封鎖中の路面電車のなかでの男女の行きずりの恋を描いた「封鎖」。占領下の香港と上海が舞台の恋物語と自伝的エッセー「戦場の香港」ほかを収録。
  • 母アンナの子連れ従軍記
    4.0
    あの“肝っ玉おっ母”が新訳で生まれ変わった! 十七世紀、三十年戦争下のドイツ。父親の違う三人の子供を抱えながら、軍隊に従って幌車を引き、戦場で抜け目なく生計を立てる女商人アンナ。度胸と愛嬌で戦争を生きぬく母の賢さ、強さ、そして愚かさを生き生きと描いた、劇作家ブレヒトの代表作を待望の新訳で贈る。キャリアウーマンでシングルマザーで女盛り、母アンナはこんなにも魅力的だった!
  • ほら吹き男爵の冒険
    3.3
    世界各地を旅したミュンヒハウゼン男爵は、いかなる奇策で猛獣を退治し、敵軍に打撃を与え、英雄的な活躍をするに至ったのか。そして海中、地底、月世界をも股に掛ける冒険はいかに成し遂げられたのか。奇妙だが真実の体験が、彼自身の口から語られる! 有名なドレの挿画も全点収録。
  • ヒューマン・コメディ
    4.2
    第二次世界大戦中、カリフォルニア州イサカのマコーリー家では、父が死に、長兄も出征し、14歳のホーマーが学校に通いながら電報配達をして家計を助けている。彼は訃報を届ける役回りに戸惑いを覚えつつも、町の人々との触れあいの中で成長していく……。大人たちと子供たちの悲喜交々を笑いと涙で描き、懐かしさと温かさに包まれる長篇。
  • 幸福な王子/柘榴の家
    4.1
    町の中心部に高く聳え立ち、自らの宝石や体を覆っている金箔を貧しい人々に差し出す王子像とそれを運ぶ燕。王子のひたむきな愛と思いやりを描く「幸福な王子」ほか、恋する学生に身を捧げる「小夜啼き鳥と薔薇」、わがままな男と子どもたちとの交流を描く「身勝手な大男」、愛の行きつく果てを示す「漁師とその魂」など全9篇収録。大人のために訳したビターな味わいのワイルド童話集。
  • 白夜/おかしな人間の夢
    3.7
    ペテルブルグの夜を舞台に、内気で空想家の青年と少女の出会いを描いた初期の傑作「白夜」。自殺を決意した男が夢から覚めた後、真理を発見し自殺をとりやめる幻想的な短篇「おかしな人間の夢」。作者本人のお気に入り「キリストの樅の木祭りに召された少年」とロシアの民衆への暖かい眼差しが心を打つ「百姓のマレイ」。どれも切ないながらも、そこはかとなく明るさが感じられる4作と資料的価値のある「1864年のメモ」を収録。
  • 論理哲学論考
    4.4
    20世紀を代表する哲学書であり、最も難解といわれる『論理哲学論考』は、シンプルなドイツ語で書かれた美しい作品だ。今回の新訳では、その微妙なスタンス、ニュアンスを、細やかな目配りで忠実に再現した。いつでも、どこでも、肩の力を抜いて読める、まったく新しい『論考』をここにお届けする。■野家啓一さんの解説「高校生のための『論考』出前講義」を収録
  • 天使の蝶
    4.1
    先史時代の鳥類のような奇怪な骨を見つけたのは、廃墟と化した大戦後のベルリンのアパートの一室だった……化学者でもあったプリーモ・レーヴィの世界観が凝縮された表題作「天使の蝶」をはじめ、傑作「ケンタウロス論」、「転換剤」「完全雇用」など15篇。アウシュビッツ体験を核に問題作を書き続け、ついに自死に至った作家の、本邦初訳を多数収録した傑作短編集。
  • 秘密の花園
    4.5
    インドで両親を亡くしたメアリは、英国ヨークシャーの大きな屋敷に住む叔父に引きとられ、そこで病弱な従兄弟のコリン、動物と話ができるディコンに出会う。3人は長いあいだ誰も足を踏み入れたことのなかった「秘密の庭」を見つけ、その再生に熱中していくのだった。『小公女』の作者が、淡々としかし力強く綴った、大人が読んでこそ胸に響くアメリカ児童文学の傑作。
  • カメラ・オブスクーラ
    4.3
    裕福で育ちの良い美術評論家クレッチマーは、たまたま出会った美少女マグダに夢中になるのだが、そこにマグダの昔の愛人が偶然姿をあらわす。ひそかに縒りを戻したマグダに裏切られているとは知らず、クレッチマーは妻と別居し愛娘をも失い、奈落の底に落ちていく……。あの『ロリータ』の原型であるナボコフ初期の傑作。英語版と大きく異なるロシア語原典の独特の雰囲気を活かし、細部の緻密な面白さを際立たせた野心的な新訳。
  • 悪霊 別巻~「スタヴローギンの告白」異稿~
    4.0
    世界初、3つの「告白」を同時収録! 「スタヴローギンの告白」として知られる『悪霊』第2巻「チーホンのもとで」には、3つの異稿が残されている。本書ではそのすべてを訳出した。さらに近年のドストエフスキー研究のいちじるしい進化=深化をふまえ、精密で画期的な解説を加えた。テクストのちがいが示すものは何か? ドストエフスキーがめざした“究極の作品”を読み解くための特別編。
  • シッダールタ
    4.5
    バラモンの息子シッダールタは、早くから精神修養の修業を積んでいたが、心の渇きは癒されず、身分を捨てて親友ゴーヴィンダとともに苦行の旅に出る。托鉢生活では、すでに悟りを開いていたゴータマ・ブッダに出会い、彼の説法を聞くものの、シッダールタは満足しない。むしろブッダや親友から離れ、俗世で遊女カマラーとの快楽に溺れ、そのための金を商売で稼ぐようになるが……。自己の解放と世界の真理を求めた青年の魂の旅路。
  • 血の涙
    3.7
    「朝鮮最初の小説家」と称される著者による、日清戦争で離れ離れになった家族が運命に翻弄される様を描く代表作。七歳の少女オンリョンは戦場となった平壌で父母と離散。情に厚い日本人軍医に引き取られ、新しい人生を歩む。故郷から離れた土地では、思いがけない出会いもあり……。古典文学と近代文学をつなぐ「新小説」というジャンルに属し、かつそのジャンルを創造した、韓国文学史上の有名作品。
  • 二都物語(上)
    3.4
    スパイ容疑で逮捕されたフランス亡命貴族のロンドンでの裁判。とある医師の娘が証人となり、弁護士の奇策もあって被告は罪を免れる。一方パリの居酒屋では血腥い計画が着々と練られ……。二つの首都の間で絡み合った因縁の糸が解けていくなか、革命の足音が近づいてくる。
  • ポールとヴィルジニー
    3.8
    インド洋に浮かぶ絶海の孤島で、美しい自然と慈母たちに囲まれ心優しく育った幼なじみのポールとヴィルジニー。思春期を迎え、互いに愛の感情が芽生えた矢先、二人は無情にも引き離され……。19世紀フランスで一世を風靡し、かのナポレオンも愛読した幼なじみの悲恋の物語。
  • 若者はみな悲しい
    3.6
    理想の女性を追いつづける男の哀しみを描く「冬の夢」。わがままな妻が大人へと成長する「調停人」。親たちの見栄と自尊心が交錯する「子どもパーティ」など、本邦初訳4篇を含む9篇を収録。アメリカが最も輝いていた1920年代を代表する作家フィッツジェラルドが、若者と、かつて若者だった大人たちを鮮やかに描きだした珠玉の自選短編集。
  • アンナ・カレーニナ 1
    4.1
    青年将校ヴロンスキーと激しい恋に落ちた美貌の人妻アンナ。だが、夫カレーニンに二人の関係を正直に打ち明けてしまう。一方、地主貴族リョーヴィンのプロポーズを断った公爵令嬢キティは、ヴロンスキーに裏切られたことを知り、傷心のまま保養先のドイツに向かう……。激動する19世紀後半のロシア貴族社会の人間模様を描いたトルストイの代表作。真実の愛を求め、苦悩する人間たちが織りなす一大恋愛叙事詩。
  • うたかたの日々
    4.0
    青年コランは美しいクロエと恋に落ち、結婚する。しかしクロエは肺の中に睡蓮が生長する奇妙な病気にかかってしまう……。愉快な青春の季節の果てに訪れる、荒廃と喪失の光景を前にして立ち尽くす者の姿を、このうえなく悲痛に、美しく描き切ったラブストーリー。ヴィアンの代表作であり、20世紀フランス文学の「伝説の作品」が、鮮烈な新訳で甦る! 映画『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』原作。
  • 大尉の娘
    3.4
    心ならずも地方連隊勤務となった青年グリニョーフは、要塞の司令官の娘マリヤと出会い、やがて相思相愛になる。しかし実父には反対され、プガチョーフの反乱が起こり、マリヤも囚われ、グリニョーフも捕虜になってしまう……。実直な老従僕、憎き恋敵、謹厳な“義父”とおおらかで勇敢な“義母”、情に厚い反乱の首謀者プガチョーフらを配し、最後に劇的な結末が訪れる歴史ロマンス。みずみずしい新訳で甦るプーシキン晩年の傑作。
  • 死刑囚最後の日
    3.3
    「死刑囚! いつもひとりでこの想念に耐え、それが消えないせいでいつも凍え、その重みにいつも打ちひしがれている!」刻々と迫るギロチン刑の時。独房での日々から断頭台に上がる直前まで、主人公は自らの胸の内を赤裸々に告白する。死刑制度廃止を訴え、若い情熱で書きあげたユゴー27歳の作品。主題の重み、技法の革新性、社会的影響の点で刮目すべき作品であり、ユゴーの代表作のひとつと見なされる画期的小説。
  • そばかすの少年
    4.0
    片手を失い、自分の本名すら知らない孤児の少年「そばかす」は、「リンバロストの森」で木材泥棒から森を守る番人として働くことになる。大人でさえ恐怖をいだく森と沼地。孤独と恐怖、雄大で厳しい自然と闘いながら、人の愛情に包まれて、「そばかす」は逞しく成長していく……。ナチュラリストでもある作家ポーターの自伝的作品であり、20世紀初頭のアメリカで200万部を超えた伝説のベストセラー、待望の新訳!
  • 高慢と偏見(上)
    4.3
    溌剌とした知性を持つエリザベスと温和な姉ジェインは、近所に越してきた裕福で朗らかな青年紳士ビングリーとその友人ダーシーと知り合いになる。エリザベスは、ダーシーの高慢な態度に反感を抱き、彼が幼なじみにひどい仕打ちをしたと聞き及び、彼への嫌悪感を募らせるが……。緻密な構成と秀逸な人物造形、迫力あるドラマがダイナミックかつ繊細に描かれる。躍動感あふれる新訳!
  • 毛皮を着たヴィーナス
    4.0
    保養地で出会った美しい寡婦ヴァンダと「理想の男女関係」を築こうとする夢見がちな青年ゼヴェリン。女王と奴隷の支配関係を望み、毛皮を着たヴァンダを崇めてその残酷な扱いに身をゆだねていくが、嗜虐行為はエスカレートしていき……。かの「マゾヒズム」の語源となった著者の代表作。
  • 薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~
    3.7
    官能的な寓話「薔薇とハナムグリ」、眠り続けるモグラの怪物の夢に操られる島民の混乱を描く「夢に生きる島」。ほかに「部屋に生えた木」「ワニ」「疫病」「蛸の言い分」など、シュルで風刺のきいた世界が堪能できる20世紀を代表する作家モラヴィアの傑作短篇15作。「読まねば恥辱」級の面白さ!
  • 社会契約論/ジュネーヴ草稿
    4.1
    「ぼくたちはルソーの語る意味での主権者なのだろうか、それともルソーが嘲笑したように、選挙のあいだだけ自由になり、そのあとは唯々諾々として鎖につながれている奴隷のような国民なのだろうか」(訳者あとがき)。自由とは、平等とは、そして民主主義ってなんだろう? フランス革命を導き、世界史を動かした歴史的著作の画期的新訳。本邦初訳の「ジュネーヴ草稿」も収録。
  • 未成年1
    3.9
    複雑な出生で父と母とは無縁に人生を切り開いてきた二十歳の青年アルカージー・ドルゴルーキー。誇大妄想的な夢の実現に邁進する彼の目の前に、ある日、謎だらけの父親がとつぜん現れる。いったい何者なのか。父親も許せないが、自分も許せない。そう、心は揺れ、憎悪しつつも惹かれる日々。主人公を取り巻く魅力的な「女性」と「悪人」たちが暗躍する。ドストエフスキー後期の傑作。
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~
    4.2
    部屋の中に目に見えない何かがいる……。妄想と狂気に呑み込まれていく男の日記「オルラ」。若き日の苦い思い出を浄化し、穏やかに過ごす老司祭のもとに、ある日、みすぼらしい身なりの若者が訪ねて来る。人生を揺さぶる直視し難い過去との対峙を描く「オリーヴ園」など、病魔に冒され、寡作になりつつある後期の作品のなかから8篇をセレクト。素材・テーマともに厳選されたからこそ顕出したモーパッサンの真髄がここにある。
  • すべては消えゆく~マンディアルグ最後の傑作集~
    3.5
    パリの地下鉄、隣の席で化粧を始めた女の姿態に目を奪われたユゴーは、慎みとは無縁な彼女の手に思わず接吻してしまうが……。芳醇な性の悦楽が思わぬ展開を見せる表題作、美少女との甘い邂逅から一気に死の淵へと投げ出される「クラッシュフー」など、シュルレアリスム最後の小説家独自の世界観きわだつ3篇。
  • 哲学書簡
    5.0
    イギリスにおける信教の自由や議会政治を賛美し、ロックの思想、ニュートンの科学、シェイクスピア演劇など文化、科学の分野における考察を、書簡形式で綴ったヴォルテールの初期の代表作。絶対王政下のフランス社会の遅れを痛烈に批判し、発禁処分にされたことで大ベストセラーとなった。のちの啓蒙思想家たちに大きな影響を与えた、ヴォルテールの思想の原点ともいえる著作。
  • シラノ・ド・ベルジュラック
    4.2
    ガスコンの青年隊シラノは詩人で軍人、豪快にして心優しい剣士だが、二枚目とは言えない大鼻の持ち主。秘かに思いを寄せる従妹ロクサーヌに恋した美男の同僚クリスチャンのために尽くすのだが……。30歳でレジオン・ドヌール勲章を叙勲し、33歳でアカデミー・フランセーズに選出された天才ロスタンの代表作。1世紀を経た今も世界的に上演される、最も人気の高いフランスの傑作戯曲をキレのいい新訳で。
  • カンディード
    4.3
    楽園のような美しい故郷を追放されてしまった、まっすぐな心と純朴な気質をもつ“純真な”若者カンディード。恩師パングロスの説く「最善説」の教えを胸に、大地震、戦乱、盗賊や海賊の襲撃など、度重なる災難に立ち向かい、そして最後の最後、ついに一つの真実を見つけるのだが……。18世紀啓蒙思想家ヴォルテールの代表作。「リスボン大震災に寄せる詩」を本邦初の完全訳で収録。
  • 狭き門
    3.8
    美しい従姉アリサに心惹かれるジェローム。二人が相思相愛であることは周りも認めていたが、当のアリサの態度は煮え切らない。そんなとき、アリサの妹ジュリエットから衝撃的な事実を聞かされる……。愛し合う二人の恋はなぜ悲劇的な結末を迎えねばならなかったのか? なぜかくも人間の存在は不可解なのか? 時代を超えて強烈に問いかけるフランス文学の名作、みずみずしい新訳で登場!
  • トム・ソーヤーの冒険
    4.1
    トムは悪さと遊びの天才だ。言いつけの塀塗りをみんながうらやむ仕事に変えたり、退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場にしたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい……。わんぱく少年トムを通じて描かれる、自由を求める心と冒険への憧れ、そして世界を見る無垢な目。アメリカで最も愛される作家の半自伝的小説を、少年たちの声が聞こえてくる新訳で。
  • 孤独な散歩者の夢想
    3.7
    晩年、孤独を強いられたルソーが、日々の散歩のなかで浮かび上がる想念や印象をもとに、自らの生涯を省みながら自己との対話を綴った10の“哲学エッセイ”。ここにはあの“偉人ルソー”はいない。迫害妄想に悩まされたのち訪れた平穏のなかで書かれた、ルソー最後の省察。「思索」ではなく、「夢想」に身をゆだねたその真意は? 他作品との繋がりにも言及した中山元氏による詳細な解説が付く。
  • 翼~李箱作品集~
    3.7
    陽の差さない部屋で怠惰を愛する「僕」は、隣室で妻が「来客」からもらうお金を分け与えられて……。表題作「翼」ほか、近代化・植民地化に見舞われる朝鮮半島で新しい文学を求めたトップランナーの歓喜と苦闘の証たる小説、詩、随筆等を収録。
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~
    4.1
    シチリア出身のノーベル賞作家が、突然訪れる「人生の真実の瞬間」を、時に苦々しく、時にユーモラスに描く短篇集。硫黄鉱山での重労働の果てに暗い坑道を抜け出ると……静かで深い感動に包まれる表題作、作家が作中の人物たちの愚痴や悩みを聞く「登場人物の悲劇」、愛犬への奇妙な衝動が抑えられない男を描いた「手押し車」、ケチな領主と頑固な職人との意地の張り合いがおかしい「甕」など15篇を精選収録。
  • 共産党宣言
    3.5
    マルクスとエンゲルスが共同執筆して1848年の二月革命直前に発表し、その後のプロレタリア運動の指針となり世界を大きく変えることになった、わずか23頁の文書。いわゆる“党派”的な檄文ではなく、労働者がなぜ虐げられているのか、なぜ搾取されるのかなど、資本主義の弊害、そのからくりを解く。労働者の団結こそが社会を変える力であるという、働く人びとの味方マルクスの主著の一つ。
  • 一年有半
    3.7
    喉頭がんで「余命一年半」の宣告を受けた兆民による闘病記、死に直面したからこそ語れる人性論という性格を併せ持つ、明治時代の大ベストセラーです。同時代の政治・経済・社会について歯に衣着せぬ批判を浴びせる「理念の人」兆民は、同時に、文化・芸能、ことに人形浄瑠璃への熱愛を示す「情の人」でもありました。「いかに死ぬべきか」を問う、現代人に贈る処方箋です!
  • モーセと一神教
    3.6
    多くのユダヤ人が迫害されるなか、ユダヤ人差別の由来を、ユダヤ教の成立と歴史を考察しながら、キリスト教誕生との関係から解き明かそうとしたフロイトの遺作。「原父殺害」「潜伏期」「エディプス・コンプレックス」「抑圧されたものの回帰」など、みずからの精神分析の理論を援用してその謎に迫る、まさに「歴史ミステリー」とでも呼べるフロイト最大の問題作。
  • アラバスターの壺/女王の瞳~ルゴーネス幻想短編集~
    3.7
    エジプトの墳墓発掘に携わった貴族の死は、現場で〈死の芳香〉を嗅いだせいなのか? 確信が深まるなか同じ芳香を纏う女が現れ……史実を元にした連作の表題作、画期的な装置の発明者の最期を描く「オメガ波」など、科学精神と幻想に満ちた、近代アルゼンチンを代表する作家の傑作18編。
  • サイラス・マーナー
    4.3
    友と恋人に裏切られ、神にも絶望して故郷を捨てたサイラス・マーナーは、たどりついた村のはずれで、機を織って得た金貨を眺めるのを唯一の愉しみとする暮らしをしていた。そんな彼にふたたび襲いかかる災難……。精細な心理描写とドラマチックな展開が魅力のエリオットの代表作の一つ。
  • われら
    3.5
    地球全土を支配下に収めた〈単一国〉では、24時間の各人の行動は、食事から性行為まで、すべて合理的に管理されている。その国家的偉業となる宇宙船〈インテグラル〉の建造技師であるД-503は、古代の風習に傾倒する女I-330に執拗に誘惑され……。『一九八四年』『すばらしい新世界』に先駆けるディストピア小説の傑作。
  • すばらしい新世界
    3.9
    西暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代の異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め……驚くべき洞察力で描かれた、ディストピア小説の決定版!(『BRAVE NEW WORLD』改題)
  • ガリレオの生涯
    4.4
    地動説をめぐり教会と対立し、自説を撤回したガリレオだったが、幽閉生活で目が見えなくなっていくなか、じつは秘かに『新科学対話』を口述筆記させ、秘匿していたのだった……。ナチス支配下から冷戦までの状況下で描き続けられた“自伝的戯曲”であり、ブレヒト最後の傑作。
  • 戦争と平和1
    4.7
    始まりは1805年夏、ペテルブルグでの夜会。全ヨーロッパ秩序の再編を狙う独裁者ナポレオンとの戦争(祖国戦争)の時代を舞台に、ロシア貴族の興亡から大地に生きる農民にいたるまで、国難に立ち向かうロシアの人びとの姿を描いたトルストイの代表作。全6巻。
  • モーリス
    4.7
    凡庸な少年時代から、モーリスは自分の願望を知ってはいた。ケンブリッジ大学の学舎で知的なクライヴと懇意になり、戯れに体が触れあううち、彼の愛は燃え上がる。クライヴもまた愛の言葉を口にするが……欲望のままに生きることが許されない時代に生きる青年の苦悩と選択を描く。執筆当時は同性愛が犯罪であったため、著者の死後に発表された禁断の恋愛小説。(解説・松本朗)
  • 椿姫
    4.8
    パリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な日々を送る美貌の高級娼婦マルグリット。彼女はある日、青年アルマンと出会う。初めて真実の愛に目覚めた彼女は、これまでの享楽的な生活を捨て、パリ近郊の別荘で二人は暮らし始めるのだが、そこへ訪ねてきたのはアルマンの父だった。そしてアルマンを愛するがゆえにマルグリットが下した決断は……。フランス恋愛小説、不朽の名作。
  • 失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~
    4.2
    色彩感あふれる自然描写、深みと立体感に満ちた人物造型、連鎖する譬喩……深い思索と感覚的表現のみごとさで20世紀最高の文学と評される本作が、豊潤で絢爛たる新訳でついに登場。第1巻では、語り手の幼年時代が夢幻的な記憶とともに語られる。プルーストのみずみずしい世界が甦る!〈全14巻〉
  • テアイテトス
    3.0
    知識とは何か、ほんとうに知っているとはどういうことかを主題に、ソクラテスの助産術などのエピソードをまじえ、知識と知覚について、相対主義批判、記憶や判断、真の考えなどとの関係について対話を重ね、若き天才数学者テアイテトスを「知識の哲学」へと導く、プラトン絶頂期の最高傑作。みずから考え、学ぶことの大切さを考えさせるスリリングな対話篇。
  • オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家~ゾラ傑作短篇集~
    4.0
    完全に意識はあるが肉体が動かず、周囲に死んだと思われた男の視点から綴られる「オリヴィエ・ベカイユの死」。新進気鋭の画家とその不器量な妻との奇妙な共犯関係を描いた「スルディス夫人」など、稀代のストーリーテラーとしてのゾラの才能が凝縮された5篇を収録。
  • 崩れゆく絆
    4.2
    古くからの呪術や習慣が根づく大地で、黙々と畑を耕し、獰猛に戦い、一代で名声と財産を築いた男オコンクウォ。しかし彼の誇りと、村の人々の生活を蝕み始めたのは、凶作でも戦争でもなく、新しい宗教の形で忍び寄る欧州の植民地支配だった。全世界で1000万部のベストセラー、アフリカ文学の父アチェベの記念碑的傑作待望の新訳!(『THINGS FALL APART』改題)

最近チェックした作品からのおすすめ