モラヴィアの作品一覧
「モラヴィア」の「同調者」「薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「モラヴィア」の「同調者」「薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『軽蔑』『薔薇とハナムグリ』『視る男』『豹女』の次に読む。
面白かった。
むかし、映画化したのもわかる。映画化しそうなストーリーだから。ただ、映画とは異なるところもあるようだ。(映画は観てない)
自分が異常ではないかと悩み、普通であることを確かめる人生。
しかし、それは、結局のところ、リーノを殺していようがいまいが、同じ人生を歩んでしまうとわかる。純真さは誰だって失われる。
リーナとの関係が強引すぎる。
マルチェッロのやり方ってほとんどセクハラなんだけど。冷たくされて嫌がられてるのに、よくこんな行動できるなぁと。
ジュリアの愛人時代の体験もひどい。脅しとレイプである。
[プロローグ]
Posted by ブクログ
イタリアの作家モラヴィアの長編。日本ではベルナルド・ベルトルッチの『暗殺の森』の原作といった方がああ、という方は多いのではないだろうか。
映画とは若干の異動はあるものの、骨格は同じでムッソリーニ政権下のイタリアにおいて秘密警察だったマルチェッロを主人公とした小説。
人と異なることを恐れて政権に同調すること、普通であることを求めてファシストとなったマルチェッロが亡命活動家の暗殺命令を受けてからのフランス・パリへの紀行、イタリアへの帰国、ファシズム政権の崩壊に至る中での彼の心の動き、変わらなさを主人公の内面を反映したような第三者の視点から描く。
淡々とした筆致でサスペンス的な展開もあるのでどんどん
Posted by ブクログ
短編集。表題のバラとハナムグリは、一族でタブーとされることを嗜好する若い虫が、親にも打ち明けられず、隠そうとする話。それほど凝った作品でもなく、どこかにありそうな話。
面白いのは「怠け者の夢」。仕事中も自分が主役のアクション妄想に耽って、仕事には真剣味がない(でも、入れ込まないので仕事ができる)。優秀な部下の査定を手を抜くので、その人は出世が遅れる。
好きな女性の前で、彼女と結婚し子供まで持っていることを夢想しながら、その夢想に夢中になっているので本人には生返事をしていて、現実には恋が実らない。が、実は本人は幸せなのではないか。
これはオタクの理想では?部下の取り扱い以外は現実に仕事ができて、
Posted by ブクログ
原著1951年発表。
私が高校生の頃、アルベルト・モラヴィアの作品がハヤカワ文庫NVで何冊もラインナップされていたが、今は全部絶版で、邦訳は光文社古典新訳文庫の2冊以外は古書で入手するしかないようだ。1990年に物故するまでは20世紀の巨匠として賞賛されていたのに、死後は本国イタリアにおいてすらほとんど忘れられている作家。
本作もなかなかに重厚な小説である。人間の心の機微にぐっと入ってゆく描写は緻密で見事。描写がそのように濃厚であるため、ストーリーは波乱のある「面白い」話なのに、ゆっくりとずっしりとした時間が流れてゆくような小説「時間」が呈示される。そのため多忙な情報化社会の現在から見る