【感想・ネタバレ】薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~のレビュー

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Posted by ブクログ 2019年02月03日

どれも面白かった。ふざけてる感じの作風なんだが、読み終わるとゾッとする。当時の政治的軋轢により、自由な表現ができなかった苦肉の環境がこのように素晴らしいおどけ狂気な作品を誕生させることになったとは。明らかに変なのに、これが流行とか言われると、どうしても手に入れずにはおられなくなる女。舗装された道を歩...続きを読むけばいいのに、そんな自然に逆らった物など!と山道を歩いて遭難するような意固地な男など。明らかにおかしいのに、いとも簡単にその波に呑まれて流されてゆく人間の愚かさに、現代においても色あせずパンチをくらわしてくる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年11月12日

題名に惹かれて(ハナムグリは私を含めガーデナーの天敵…)手に取りました。

『薔薇とハナムグリ』の主人公は気高く薔薇以外のものに向かう。
どれも大人向けのおとぎ話のよう、と読み終えて解説に進むと
とっても深い意味を持つ作品たちでした。この著者の他の作品も読んでみたいです。

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Posted by ブクログ 2015年08月12日

おそろしい比喩と暗喩に満ちた短編たち。
国家の敵でボタンを作ったり、薔薇を好むはずがキャベツを好んで嫌悪されたり…
解決しようもない問題に満ちたこの世界に生きていることを突きつけられる気がする。
蛸のように夢でも希望を信じて生きているかしら。

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Posted by ブクログ 2015年07月21日

皮肉めいたものの見方はしているけれども、刺々しさは控え目にしている気がする。結婚出来ない空想家の日常「怠け者の夢」、欲に目が眩むと大事なタイミングを見逃す「パパーロ」、取り敢えず逃げて下さい「清麗閣」、『夢幻諸島から』を思い出した「夢に生きる島」、評論家の懺悔「いまわのきわ」、『きつねとぶどう』な「...続きを読むショーウィンドウのなかの幸せ」、大爆笑した蛸の死生観「蛸の言い分」、さて、今年の春の流行は?「春物ラインナップ」などイタリア文学はまだまだ金脈が沢山ありそう…とここまで来て最後に強烈な「記念碑」で掉尾を飾る。ある男の記念碑が立てられるまでの経緯に鳥肌が立った。解説にある退廃した中産階級を書いたものよりも、「蛸の言い分」のような喜劇タッチの話をもっと読んでみたい。

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