作品一覧 2023/12/22更新 失われた手稿譜 ヴィヴァルディをめぐる物語 試し読み フォロー 弟は僕のヒーロー 試し読み フォロー 神を見た犬 試し読み フォロー 古代ローマ人の愛と性 官能の帝都を生きる民衆たち 試し読み フォロー 古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都ローマの民衆生活 試し読み フォロー 古代ローマ帝国 1万5000キロの旅 試し読み フォロー 「幸せの列車」に乗せられた少年 試し読み フォロー 13枚のピンぼけ写真 試し読み フォロー すごい物理学入門 試し読み フォロー 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~ 試し読み フォロー 天使の蝶 試し読み フォロー 遠くから見たら島だった 試し読み フォロー 同調者 試し読み フォロー なぜではなく、どんなふうに 試し読み フォロー 猫とともに去りぬ 試し読み フォロー ネコの目からのぞいたら 試し読み フォロー 母、アンナ ロシアの真実を暴いたジャーナリストの情熱と人生 試し読み フォロー 薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~ 試し読み フォロー 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳 試し読み フォロー ふたつの海のあいだで 試し読み フォロー ぼくたちは幽霊じゃない 試し読み フォロー マルコヴァルドさんの四季 試し読み フォロー 戻ってきた娘 試し読み フォロー 1~23件目 / 23件<<<1・・・・・・・・・>>> 関口英子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 神を見た犬 ブッツァーティ / 関口英子 イタリアが生んだ奇才の作家ブッツァーティが書く不可思議なお話を集めた短編集。 テーマは多岐に渡るが、全てにキリスト教的世界観が通底にある感じがして日本のホラーや怪異とは全く違うのが面白い。 特に聖人が出てくる話が多く、さすがカトリックの中心であるお国柄だと思った。 どの話も面白いが ・アインシュ...続きを読むタインとの約束 ・七階 ・神を見た犬 ・呪われた背広 ・秘密兵器 ・天国からの転落 ・驕らぬ心 はとても面白く、教訓めいたものがあった。 Posted by ブクログ 同調者 モラヴィア / 関口英子 イタリアの作家モラヴィアの長編。日本ではベルナルド・ベルトルッチの『暗殺の森』の原作といった方がああ、という方は多いのではないだろうか。 映画とは若干の異動はあるものの、骨格は同じでムッソリーニ政権下のイタリアにおいて秘密警察だったマルチェッロを主人公とした小説。 人と異なることを恐れて政権に同調す...続きを読むること、普通であることを求めてファシストとなったマルチェッロが亡命活動家の暗殺命令を受けてからのフランス・パリへの紀行、イタリアへの帰国、ファシズム政権の崩壊に至る中での彼の心の動き、変わらなさを主人公の内面を反映したような第三者の視点から描く。 淡々とした筆致でサスペンス的な展開もあるのでどんどん読めてしまうが、映像的でエロチックな評価などが目を見張る。数多くの映画監督が彼の小説を映画化していて、日本語訳がもはや手に入りにくいことが残念。今回を契機に色々と復刊されることを願う。特にゴダールが映画化した『軽蔑』は池澤夏樹編集のシリーズに入っているようなので、ぜひ読んでみたい。 映画監督のパゾリーニが友人だったというのも初めて知った。ますます興味深い作家である。 Posted by ブクログ 弟は僕のヒーロー ジャコモ・マッツァリオール / 関口英子 ジョバンニの日常、一人一人に違った挨拶をしていること、ぬいぐるみとの対話、音楽が大好きで身体全体で感じ表現していること、などなど、家族の愛の中で様々な葛藤の末、愛おしくなっていく様子が丁寧に描かれていてとてもすてきだった。 心に染みる言葉がたくさん。 困ったことを言う奴に対して、アイロニーでかわすと...続きを読むいう方法は理想的。その手法を身に付けたい。 Posted by ブクログ 神を見た犬 ブッツァーティ / 関口英子 新聞記事のような癖のない文章でつづられた幻想的な短編小説集。傑作選ということで、どれもこれも印象深い作品ばかり。スイスイ読めて鮮明なイメージが残る不思議な作風だ。表題作の「神を見た犬」では、椅子の下に置いたパンの描写だけで色々思わせて涙が出た。これ含めて、昔ながらのキリスト教徒の精神世界を感じさせる...続きを読む作品が多くて興味深かった。 Posted by ブクログ 猫とともに去りぬ ロダーリ / 関口英子 児童文学のような文体であり、非現実的なストーリーはまさに童話でありファンタジーである。ただその中にはさまざまな社会批判や人生の矛盾が描かれているのが面白い。 濃厚なアイロニーを通して描かれる短編小説集だ。ファンタジーのフレームに入っているので平気でリアルを超えることができる。たとえば猫になったり...続きを読む、魚になったり、神々や宇宙人と交流することも可能なのだ。 ただ、そういう不思議な世界を描いているように見えて、実は現実社会が抱えている様々な問題を描いているといえる。社会の描き方は微細さを追求するだけではなく、虚構を使ってその本質を照射する方法もあるということを再認識した。 Posted by ブクログ 関口英子のレビューをもっと見る