関口英子の作品一覧
「関口英子」の「すごい物理学入門」「神を見た犬」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「関口英子」の「すごい物理学入門」「神を見た犬」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
~ お借りした単行本の感想(2021年) ~
ヴィヴァルディが亡くなった。残された手稿譜は時の流れに埋もれてしまう。その重要性を知らないものの手にあったり、大切に保管されていたり大事な人の記念の銘を冠されたり。その楽譜が世に出た時、関わった人のみが知る履歴は埋もれてしまったのだろう。不完全ながらも大まかな来歴が見えた時、苦労を重ねた関係者は天国でほっとしているのか、少し悔しく思っているのか……
最後の関係者はジェンティーリ、イタリア人種ではないため教職を追われ、多くのユダヤ人のように逃亡生活に入る。その時目にした新聞には「ヴィヴァルディの楽譜発見」の記事。発見者とされるのは……
それで
Posted by ブクログ
たった150ページとは思えないくらい内容が濃かった。それぞれの章はほぼエッセイくらいであり、相対性理論や量子力学から見える世界観がなぜそうなのかを細かく詰めている余地はない、いわば結論と結論から見える世界の広がりに特化した本だが、表現が巧みで好奇心をくすぐる書き方になっている。センスオブワンダーのお手本。
入門レベルの話とはいえ読者を思考に促すことにかけては手を抜いておらず、時間は客観的には存在しない、熱があるところに時間は発生する、といった一見突飛もないフレーズから、時間、自我、自由といった物理学の哲学的な側面まで目配せしているため読んでいて頭の柔らかい部分がものすごく刺激される。
世界
Posted by ブクログ
『遠くから吹いてくる風は、都会に思いがけないおみやげを運んでくるものです。もっとも、それに気づくのは、よその土地の花粉でくしゃみを連発してしまう花粉症の人のように、感じやすい心を持った、ほんのひとにぎりの人たちだけですが』―『都会のキノコ』
「『見えない都市』を歩く」の文章に誘われて読む。岩波少年文庫の一冊。けれど、『この本は、子どもの本なのでしょうか? 若者むけの本? それとも、大人むけの本? これまで見てきたとおり、さまざまな側面がつねに糸のようによりあわさっているといえるでしょう』、と、作家自らが解説する通り、事は決して単純ではない。もちろん、子どもの思考が単純だと言っている訳ではなく
Posted by ブクログ
とても良かった。特にエンディング。
「女は水差しだから、割った人のところにもらわれていくものなの、と母さんは言う。」という冒頭からしびれた。
男である弟は気にせず、人と話し、外に出かけ、好きなことができる。一方女性は、こうあるべきと言う制限をつけられ、頭が良いことが必ずしも良いことではない。
償い婚に、1981年まで本当にあった刑法など、現代を生きる一女性としては、頭に来る話だ。
ケーキ屋さんでオリーヴァが言った言葉が少しばかり心を軽くしてくれた。
「20年前、あなたが私に無理矢理持たせようとしたものを、自分の稼いだお金で買いに来たの。私が何を手に入れたかですって?選択する自由を手に
Posted by ブクログ
12歳のユダヤ人の少年の体験をもとにした児童書。
「何としても生き延びて欲しい……」
そんな母の切なる願いと、路面電車の車掌さんたちの善意が少年の命を救う。
ユダヤ人の彼を匿うということは、本当の意味で命を懸けた人助けであり、誰にでも出来ることじゃない。
とっさに少年を救うために行動した人たちは称賛に値すると思う。
『小さなことでもいい。ひとりひとりが自分にできることをするべきなんだ。』
少年の心には、きっとあの日の車掌さんの言葉がずっと心に在り続けていたのだろうと思います。
どんな時も他者を思いやり、自分に出来ることをする。誰もがそんな風に行動できたら、きっと世界は今よりもよくなるのに