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シチリア出身のノーベル賞作家が、突然訪れる「人生の真実の瞬間」を、時に苦々しく、時にユーモラスに描く短篇集。硫黄鉱山での重労働の果てに暗い坑道を抜け出ると……静かで深い感動に包まれる表題作、作家が作中の人物たちの愚痴や悩みを聞く「登場人物の悲劇」、愛犬への奇妙な衝動が抑えられない男を描いた「手押し車」、ケチな領主と頑固な職人との意地の張り合いがおかしい「甕」など15篇を精選収録。
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Posted by ブクログ
先に読んだ天才物理学者マヨラナが愛読した小説家。普段はほとんど小説を読まないのだが、気になって、この短編集を読んでみた。いずれも不思議な世界観。おもしろい。別の作品も探して読んでみたい。
当時のシチリアにおける硫黄鉱の惨状がよく描写されている。知恵が遅れたチャウラが鉱山から出てきて月を眺めるシーンはピランデッロが鉱夫に対する哀れみが感じられる。真っ暗な鉱山とチャウラを照らす月明かりの対比が印象的だった。
光文社古典新訳文庫にハズレなし。いきなりの表題作「月をみつけたチャウラ」の息をのむラストショットの見事な詩情は無論、「手押し車」の予想外のオチはちょっと凄い。鬼気迫るとはまさにこのことだ。スプラッタな無差別殺人描写を、狂気の描写と勘違いしている凡百の作家もどきは、全員この「手押し車」を100回以上黙...続きを読む読すべきだ。この哀しみと滑稽とさらに凡庸(!)を基盤にした恐怖の描写は、そうそう味わえるもんじゃないw すばらしい。
青森っぽい喩えで言うなら、スルメのような本です。よく読まないと(何度か読み返したりしないと)、その奥深さがわからない…
奇妙な物語、奇妙な人たちがたくさん。 先日読んだ『作者を探す六人の登場人物』の作者・ピランデッロ(ピランデルロ)の短編小説を集めた本。 戯曲のモチーフになったであろう短編も色々あり、面白い。 出てくる人たちが結構、妙な追い詰められ方をした妙な人たちが多くて、変人列伝みたいな趣がある。 お気に入り...続きを読むは どちらかが狂人である、という二人が、町の人々に「あの人が狂人です」と主張し合う 『フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏』 急に女性に向かって「バカヤロー!」と怒鳴りつけた男が決闘をする羽目になる、その繊細な動機を描いた優しい短篇 『使徒書簡朗誦係』 どっちも設定が攻めてる。
「手押し車」が一番お気に入り。 アテクシ(男)自宅で仕事してるのインテリだから。いわゆる書斎ってやつね。子供達(四人いる)には、入っちゃ駄目だし自分がここにいる時にはうるさくするなって言ってあるの。 だから快適よ! 。。。なんだけどさ、実はうちには犬がいてね、当然のようにアテクシの仕事場で、さも自...続きを読む分の犬小屋のようにぬくぬく昼寝してる訳よ。理由はないんだけど何かムカつくの。さあ、歩いてみなさいー、それえー!(犬の前足を手に取り無理矢理二足歩行させる=手押し車)おほほう!これがアタシの復讐の仕方よ!
読むのに結構時間をかけてしまった。 各話、独立している。ストーリーとして似ている話がない。 その中でも、標題作は浮いている。 素直な話だからか。そして、他の話がひねくれているからか。 結局なんだったんだろう、一体。話はここで終わったみたいだけど、どういうこと?という話が多かった。 甕、使徒書簡...続きを読む朗誦係なんかは分かりやすい。 貼りついた死はあまりに理解できなくて2回読み。
『紙の世界』が一番ドキドキした。 「それが彼の世界なのだ。紙の世界。彼の世界のすべて。」 滑稽だと描かれてるのは分かるのだけど、本の世界に閉じこもる幸せを知ってるから笑えない。 喜劇だし、皮肉なんだけど、何か悲しい。全部そんな感じ。生きてるのって喜劇で狂気なんだけど、自分の見える場所だけに自分の幸...続きを読むせがあるって背中押してもらった。 以下、いくつか気に入ってるの。 『月を見つけたチャウラ』 誰に必要とされて生きてるのか分かんない。だけど月を急に”見付ける”瞬間の幸せがくっきり描かれてる。幸せ。 『手押し車』 本物の狂気ってこういうものだな、ってゾッとした。だけどそれが幸せなのも伝わる。気持ち悪さの上に、抑圧の中の幸せを感じ取れて好き。
イタリアのノーベル賞作家。最近またじわじわとイタリア文学ブームが自分の中でキテる。皮肉がきいた短編集。「ひと吹き」が好きだった。
友達に「ルシア・ベルリンにちょっと似ている」と教えてもらった作家で読んでみたんだけど、確かに後半の狂気と死、悲惨な運命をからからしたユーモアで書いていくあたりはちょっと似ているかも。面白かった。好きなのは「使徒書簡朗誦係」「フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏」あたり。何が狂っているのか、おかしいのは...続きを読む何なのか、分からない。でも、悲惨を滑稽にすり替え、何が正しいのかとか、正しくあることに意味なんてないだろう?と言わんばかりの堂々とした書きぶりは好感を持ってしまう。 最後の解説によると作者自身の人生も恵まれた生まれながら相当残酷な目にあっており、そこからこの作品群の凄みが生まれてくるのだなあと思った。悲惨だから、なんだというのか。現実がそのようにあるとして、笑うしかないじゃないか、と。他の作品も読んでみたくなる。
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月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~
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ピランデッロ
関口英子
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