物語の舞台は、人間がたった10人しか残っておらず、絶滅危惧種(リストルージュ)としてキメラ族に守られている世界。
キメラ達はかつて捕食対象であった人間を保護し繁殖させていました。
人間の世話役となったキメラの少年ミラは、来る日のため人間の少女カレンの世話を任されます。
些細な傷ひとつですら付くことがないよう徹底管理。それはそれは大切にカレンを育てます。そんなある日、カレンに結婚の申し込みが。
人間同士で結婚・繁殖させ、一人でも人間を増やすことを目的としているキメラ達にとっては願ってもないことです。
本来めでたい事であるはずなのに、ミラの心には今までにない感情が芽生えます…。
そして結婚式当日、歴史に残る事件が…!!
そもそも人間が減少したのはキメラによって食べられてしまったから。
そんな捕食者であるキメラが人間の絶滅を阻止するために保護しているというディストピアな世界で、ぬぐい切れぬ違和感が最初から付きまといます。
降り続いた酸性雨によりドロドロに溶け複数がくっついて生まれたキメラ達は、その生まれ通り複数の動物の特徴が混ざったようなユニークな容姿。
人間の世話係をする少年も独特なデザインのキャラクターになっていますが、その姿は怖さよりも可愛らしさを感じます。
そして自分の状況を理解していないため無垢であどけない人間の少女。
文字通り蝶よ花よとお姫さまのように育てられていますが、何故自分がこうも大切に育てられているのか理解しないまま「おひろめ会」に臨んでいる姿には、哀れさを感じずにはいられません。
定期的に行われている「おひろめ会」。物語の中では貴重な人間を多くのキメラに見せることで身近に知ってもらうチャンスとして言われていますが、実際にはキメラの娯楽としての見世物でしかありません…。
さらに人間同士の結婚=繁殖。大勢のキメラの前で性行為をさせられるという状況。
とても残酷に感じますが、見方を変えると人間がペットや動物達にしている事とそう変わらないのでは…!?と考えさせられます。
少女と共に過ごすうちに変化する、世話係であるキメラの少年の心情がメインで描かれますが、次第に「人間の解放」という大きなテーマも関わってきます。
今後、キメラと人間の関係性はどうなるのか!?
人間は本当に絶滅しかけているのか!?
続きが気になります!!