高校の卒業式の日、日下部誠(くさかべ まこと)は同級生の遠山聖(とおやま ひじり)に告白します。
憧れのひとに想いを伝えるだけで満足だったハズが、すんなりOKを貰いふたりは付き合うことに!!
同じ大学に通うふたりの日常は静かに流れていきますが、少しずつお互いを知りじわじわと距離が近づいていき…。
あたりまえの日常だからこそ大切にしたいものが詰まっています!!
とにかく登場人物全員がいい子!!
主人公の誠も聖も素直で優しい心の持ち主。
デートシーンで、デートプランを考えつつも聖の好きなものを共に楽しもうとする誠と、そのことに素直に感謝を伝える聖。お互いが相手のありのままを大切にしていることが分かり愛おしさを感じます。
体格的には聖の方が大きくBLでは攻めとなりがちですが、誠の咄嗟に出る彼氏らしさに心鷲づかみにされた方も多いのではないでしょうか。
そもそも誠と聖に、受け攻めといった概念は相応しくないかもしれません。
ふたりともそれぞれの要素を持ち合わせており、バランスがとても良いのです。
初々しいふたりの何気ない日々がゆっくりと流れる様子は心地よく、尊いが詰まっています。
タイトルの『165185』とは一体!?と思われた方もいるのではないでしょうか。
この数字、誠の身長165cmと聖の身長185cmを合わせたものとなっています。
「×」で繋げるのではなく連続で書くことで作品の本質を表しているのではないでしょうか…。
さらに注目していただきたいのは、マンガでありながらまるで映画を観ているかのようなカメラワーク。
誠と聖が歩いている姿を描くシーンでも、引きからのカメラがパーンして俯瞰の描写になり…と、流れるようなカメラワークでキャラクターの心情が伝わってくるのです。
描くのは、魂を削って漫画を描く姿が読み手の心を揺さぶる天才VS秀才の物語を描いた『漫身創痍』やSNS累計700,000PVの『病める時も、健やかなる時も、』の野良おばけ先生!!
今作はBLレーベルからの刊行作品ではないのですが、だからこその“味わいがある”ボーイズラブになっています。
是非ご堪能ください!!