無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
幻想と寓話の短編集。ブッツァーティの長年の短編から主要な作品を集め色々なスタイルが感じ取れるようにしたという。
不安と恐怖を幻想を元に語る。かなり映像的な文章。イタリア文学界では著名。『タタール人の砂漠』が代表作で既読。『七階』は劇として上演され大きな評判を呼び映画化もされたという。画家として漫画やイラストも書たらしい。児童文学も書いていて翻訳されている。
規律の厳しい軍隊の憧れ、大自然の恐怖と何もかも包み込むその厳しさ、不条理と不安と恐怖などが構成要素にある。神・聖者が語られることも多くキリスト教文化圏の影響をかなり感じる。
イタリア幻想文学はなかなかよい。役者はロダーリの翻訳者で訳文はかなり読みやすい。
グランドホテルの廊下・神を見た犬・護送大隊襲撃・戦艦《死》。他の短編も良い。
Posted by ブクログ
「天地創造」神と天使が生物をつくりあげる際、人間は不恰好で厄介ごとを生み出すと却下となるが...
生み出しちゃったね。
「アインシュタインとの約束」アインシュタインがある路地で死の天使に会う。今は重要な発明の最中だと1ヶ月、死を延ばしてほしいと願う。三回延ばし、ある発明を完成させた。その発明に死の天使=悪魔は喜ぶ。
あの発明ですね。
「神を見た犬」修道士についてきた犬は、修道士が死んだ後、不信心な人々が住む村に降りてくる。そして村中を歩き回り、人々の行動を見つめるのだった。
お天道様はいつも見ている。
最初は面白かったものそれぞれ、書き記そうと思ったのですが、読み終わったら次を読みたくなって、中途半端に。
聖人の出てくる話が好き。
Posted by ブクログ
短編集で不条理を描いたもの。星新一に系統は似てるけどそれをもっと文学的にしたような。人の持つ社会的心理から返って個人が苦しんでしまう様な様を描いたものが多い。
1. 天地創造。キリスト教ネタがいくつかあって分かりにくいものもあったけど、これはシンプルで、地球にある一切は神によってデザインされたとされるが、こんな裏話があったのではないかという話。作者がいかに人間を醜いと思ってるかが一作品目で分かる構成なのが良い。
2. コロンブレ。親や世間の謂れを真に受けて信じ込んでしまった為に人生を棒に振る寓話。
3. アインシュタインとの約束。偉人に勝手に性格をあてて描くのは何だか気持ち悪かった。
4. 戦の歌。これは本当に訳がわからなかった。解説が欲しい。国は一体何処と戦っているのか?なぜいつまでも戦争は終わらないのか?歌は何を言っているのか?
5. 7階。これも訳がわからないと言えばそうだが、書いてあることをそのまま読めば分かるし、面白かった。それは不名誉なバロメーターであるが主観的な評価であり、またあらゆる言い訳に負けて、ずぶずぶと最高級の不名誉を負ってしまう話。
6. 成人たち。キリスト教を知らないので聖人が何かよく分からなかったけど、仏みたいなもんだろう。そんな聖人の中でも人間的な悩みがあるという話
7. グランドホテルの廊下。急に話が小さくなった。人間臭さを描いた笑い話
8. 神を見た犬。表題。神を信じない村の人たちだが、ふとしたきっかけで一匹の犬を恐れてしまう話。宗教臭い。
17. 病院というところ。これはすごく好き。これが病院というところなのだ。
19. クリスマスの話。いい話。
21. 戦艦トート。これだけすごく長い。内容の割に。
Posted by ブクログ
上手くいかないから不幸なのではない、貧しいから不幸なのではない、それだから不幸なのだと思ってしまう考え方が不幸なのだ。ブッツァーティの小説は読者に主人公の人生の最後に立ち会わせそれを問いかける物語だ。一元的な物の見方を否定し物事に違う観点を与える。10代の頃彼の長編「タタール人の砂漠」で頭をガツンとやられた。それと同じ感覚がこの短編集にも詰まっている。謎の怪物コロンブレに殺されまいと逃げ続けた男の話、護送大隊をたった一人で襲撃しようとする年老いた山賊の話。ラストですべての不幸が幸福に代わり、幸福が不幸に入れ替わる。この世界のことはすべて脳内で起きている。他人の視点は何の意味もない。自分の人生が幸福か不幸かは誰が決めるのか。自分の脳が決めるのだ。ザックスナイダー監督が私のお気に入り映画「エンジェルウォーズ」で伝えたかったのもそれだと思うがリアルな映像ゆえに成功したとは言い難い。でもテーマは同じ。自由への鍵はそこにある。
Posted by ブクログ
人間臭い、気軽な神が登場し、日常から非日常へと知らぬ間に誘われ、ときには残酷なオチをつける。
日本の読者なら、少し長い星新一を読んでいる気分になるのでは。
非常な日常観察力(グランドホテルの廊下、小さな暴君)、純粋な想像力の飛翔(呪われた背広)、人生の危うさ(マジシャン)という本を読む楽しさを思い出させてくれる本。すごくいい。
描写も非常に綺麗(神を見た犬、戦艦《死》)。
解説も気がきいている。
「映像的な幻想と現実とが交錯し、両者が入り交じった特有な世界における、はかなさや哀しさにみちた美。そこでは、現身の人間と死せる者とが別れの挨拶を交わし、実在の戦艦が幻の戦艦に攻撃をかけるのだ。」
これだけしびれる。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
ビジネス・実用
ビジネス・実用