ブッツァーティの作品一覧

「ブッツァーティ」の「神を見た犬」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 神を見た犬
    4.2
    1巻836円 (税込)
    モノトーンで哀切きわまりない孤高の美の世界を描きながら、人が無意識のうちに心の奥底に抱えている心象風景を類まれな感性で捉えて容赦なく突きつける、イタリアの奇想作家ブッツァーティの代表的短篇集。とつぜん出現した謎の犬におびえる人々を描く表題作、老いた山賊の首領が手下にも見放され、たった一人で戦いを挑む「護送大隊襲撃」、そして幻の傑作と謳われる「戦艦《死》」など22篇を収録。

ユーザーレビュー

  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    幻想と寓話の短編集。ブッツァーティの長年の短編から主要な作品を集め色々なスタイルが感じ取れるようにしたという。
    不安と恐怖を幻想を元に語る。かなり映像的な文章。イタリア文学界では著名。『タタール人の砂漠』が代表作で既読。『七階』は劇として上演され大きな評判を呼び映画化もされたという。画家として漫画やイラストも書たらしい。児童文学も書いていて翻訳されている。
    規律の厳しい軍隊の憧れ、大自然の恐怖と何もかも包み込むその厳しさ、不条理と不安と恐怖などが構成要素にある。神・聖者が語られることも多くキリスト教文化圏の影響をかなり感じる。
    イタリア幻想文学はなかなかよい。役者はロダーリの翻訳者で訳文はかな

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    2025年07月16日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    イタリア20世紀の短編集。幻想小説。
     天地創造からはじまり、ちょっとした不安を徐々に増幅され、ついに飲み込まれてしまう様を病院、科学者、村、神といった要素でもって、最後まで緊張感を持って語りかけてくる。
     この短編には現実ではない要素がたくさんある。神様、悪魔、病気の程度で階をわける病院、バカでかい戦艦などなど。でも、なぜだか、不思議なくらいに頭の中にはっきりと情景が浮かぶ。
    アインシュタインと悪魔が夜の街灯に照らされながら、2人きりで話す様子(アインシュタインの約束)や、
    幻の戦艦を現実の戦艦が倒す様子(戦艦《死》)、
    見たことはないのに、なぜか読後もその光景が脳裏に焼きついている。

    0
    2025年05月12日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    イタリアが生んだ奇才の作家ブッツァーティが書く不可思議なお話を集めた短編集。

    テーマは多岐に渡るが、全てにキリスト教的世界観が通底にある感じがして日本のホラーや怪異とは全く違うのが面白い。
    特に聖人が出てくる話が多く、さすがカトリックの中心であるお国柄だと思った。
    どの話も面白いが
     ・アインシュタインとの約束
     ・七階
     ・神を見た犬
     ・呪われた背広
     ・秘密兵器
     ・天国からの転落
     ・驕らぬ心

    はとても面白く、教訓めいたものがあった。

    0
    2024年04月05日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    新聞記事のような癖のない文章でつづられた幻想的な短編小説集。傑作選ということで、どれもこれも印象深い作品ばかり。スイスイ読めて鮮明なイメージが残る不思議な作風だ。表題作の「神を見た犬」では、椅子の下に置いたパンの描写だけで色々思わせて涙が出た。これ含めて、昔ながらのキリスト教徒の精神世界を感じさせる作品が多くて興味深かった。

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    2024年01月22日
  • 神を見た犬

    Posted by ブクログ

    ブッツァーティ『神を見た犬』。全22編が収録されている。
    かなり好み。幻想的な事や物語を、ジャーナリストとして長年記事を書いていた腕を生かし、平坦かつ事実を伝えるような文章で書くので、あたかも現実的に起こった物語のよう。
    わたしが特に気に入ったのは、天地創造、コロンブレ、7階。
    不条理や破滅などへ向かって描くこと、悲観さがブッツァーティの特徴らしいが、短編ということもあり、ただ苦しい、悲しいだけではなく進む。
    素晴らしいストーリーテーラー。

    ブッツァーティの『タタール人の砂漠』も読んでみよう。

    0
    2021年12月12日

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