作品一覧

  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~
    4.2
    1巻1,131円 (税込)
    シチリア出身のノーベル賞作家が、突然訪れる「人生の真実の瞬間」を、時に苦々しく、時にユーモラスに描く短篇集。硫黄鉱山での重労働の果てに暗い坑道を抜け出ると……静かで深い感動に包まれる表題作、作家が作中の人物たちの愚痴や悩みを聞く「登場人物の悲劇」、愛犬への奇妙な衝動が抑えられない男を描いた「手押し車」、ケチな領主と頑固な職人との意地の張り合いがおかしい「甕」など15篇を精選収録。

ユーザーレビュー

  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

    Posted by ブクログ

    先に読んだ天才物理学者マヨラナが愛読した小説家。普段はほとんど小説を読まないのだが、気になって、この短編集を読んでみた。いずれも不思議な世界観。おもしろい。別の作品も探して読んでみたい。

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    2014年06月21日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

    Posted by ブクログ

    当時のシチリアにおける硫黄鉱の惨状がよく描写されている。知恵が遅れたチャウラが鉱山から出てきて月を眺めるシーンはピランデッロが鉱夫に対する哀れみが感じられる。真っ暗な鉱山とチャウラを照らす月明かりの対比が印象的だった。

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    2013年12月12日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

    Posted by ブクログ

    光文社古典新訳文庫にハズレなし。いきなりの表題作「月をみつけたチャウラ」の息をのむラストショットの見事な詩情は無論、「手押し車」の予想外のオチはちょっと凄い。鬼気迫るとはまさにこのことだ。スプラッタな無差別殺人描写を、狂気の描写と勘違いしている凡百の作家もどきは、全員この「手押し車」を100回以上黙読すべきだ。この哀しみと滑稽とさらに凡庸(!)を基盤にした恐怖の描写は、そうそう味わえるもんじゃないw すばらしい。

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    2012年12月18日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

    Posted by ブクログ

    青森っぽい喩えで言うなら、スルメのような本です。よく読まないと(何度か読み返したりしないと)、その奥深さがわからない…

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    2012年11月24日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    友達に「ルシア・ベルリンにちょっと似ている」と教えてもらった作家で読んでみたんだけど、確かに後半の狂気と死、悲惨な運命をからからしたユーモアで書いていくあたりはちょっと似ているかも。面白かった。好きなのは「使徒書簡朗誦係」「フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏」あたり。何が狂っているのか、おかしいのは何なのか、分からない。でも、悲惨を滑稽にすり替え、何が正しいのかとか、正しくあることに意味なんてないだろう?と言わんばかりの堂々とした書きぶりは好感を持ってしまう。
    最後の解説によると作者自身の人生も恵まれた生まれながら相当残酷な目にあっており、そこからこの作品群の凄みが生まれてくるのだなあと思った

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    2023年04月16日

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