ピランデッロのレビュー一覧

  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    先に読んだ天才物理学者マヨラナが愛読した小説家。普段はほとんど小説を読まないのだが、気になって、この短編集を読んでみた。いずれも不思議な世界観。おもしろい。別の作品も探して読んでみたい。

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    2014年06月21日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    当時のシチリアにおける硫黄鉱の惨状がよく描写されている。知恵が遅れたチャウラが鉱山から出てきて月を眺めるシーンはピランデッロが鉱夫に対する哀れみが感じられる。真っ暗な鉱山とチャウラを照らす月明かりの対比が印象的だった。

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    2013年12月12日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    光文社古典新訳文庫にハズレなし。いきなりの表題作「月をみつけたチャウラ」の息をのむラストショットの見事な詩情は無論、「手押し車」の予想外のオチはちょっと凄い。鬼気迫るとはまさにこのことだ。スプラッタな無差別殺人描写を、狂気の描写と勘違いしている凡百の作家もどきは、全員この「手押し車」を100回以上黙読すべきだ。この哀しみと滑稽とさらに凡庸(!)を基盤にした恐怖の描写は、そうそう味わえるもんじゃないw すばらしい。

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    2012年12月18日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    青森っぽい喩えで言うなら、スルメのような本です。よく読まないと(何度か読み返したりしないと)、その奥深さがわからない…

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    2012年11月24日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    ネタバレ

    友達に「ルシア・ベルリンにちょっと似ている」と教えてもらった作家で読んでみたんだけど、確かに後半の狂気と死、悲惨な運命をからからしたユーモアで書いていくあたりはちょっと似ているかも。面白かった。好きなのは「使徒書簡朗誦係」「フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏」あたり。何が狂っているのか、おかしいのは何なのか、分からない。でも、悲惨を滑稽にすり替え、何が正しいのかとか、正しくあることに意味なんてないだろう?と言わんばかりの堂々とした書きぶりは好感を持ってしまう。
    最後の解説によると作者自身の人生も恵まれた生まれながら相当残酷な目にあっており、そこからこの作品群の凄みが生まれてくるのだなあと思った

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    2023年04月16日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    奇妙な物語、奇妙な人たちがたくさん。

    先日読んだ『作者を探す六人の登場人物』の作者・ピランデッロ(ピランデルロ)の短編小説を集めた本。
    戯曲のモチーフになったであろう短編も色々あり、面白い。
    出てくる人たちが結構、妙な追い詰められ方をした妙な人たちが多くて、変人列伝みたいな趣がある。

    お気に入りは

    どちらかが狂人である、という二人が、町の人々に「あの人が狂人です」と主張し合う
    『フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏』

    急に女性に向かって「バカヤロー!」と怒鳴りつけた男が決闘をする羽目になる、その繊細な動機を描いた優しい短篇
    『使徒書簡朗誦係』

    どっちも設定が攻めてる。

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    2023年01月16日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    「手押し車」が一番お気に入り。 アテクシ(男)自宅で仕事してるのインテリだから。いわゆる書斎ってやつね。子供達(四人いる)には、入っちゃ駄目だし自分がここにいる時にはうるさくするなって言ってあるの。  だから快適よ! 。。。なんだけどさ、実はうちには犬がいてね、当然のようにアテクシの仕事場で、さも自分の犬小屋のようにぬくぬく昼寝してる訳よ。理由はないんだけど何かムカつくの。さあ、歩いてみなさいー、それえー!(犬の前足を手に取り無理矢理二足歩行させる=手押し車)おほほう!これがアタシの復讐の仕方よ!

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    2020年12月26日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    読むのに結構時間をかけてしまった。

    各話、独立している。ストーリーとして似ている話がない。
    その中でも、標題作は浮いている。
    素直な話だからか。そして、他の話がひねくれているからか。

    結局なんだったんだろう、一体。話はここで終わったみたいだけど、どういうこと?という話が多かった。

    甕、使徒書簡朗誦係なんかは分かりやすい。
    貼りついた死はあまりに理解できなくて2回読み。

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    2012年11月12日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    『紙の世界』が一番ドキドキした。
    「それが彼の世界なのだ。紙の世界。彼の世界のすべて。」
    滑稽だと描かれてるのは分かるのだけど、本の世界に閉じこもる幸せを知ってるから笑えない。

    喜劇だし、皮肉なんだけど、何か悲しい。全部そんな感じ。生きてるのって喜劇で狂気なんだけど、自分の見える場所だけに自分の幸せがあるって背中押してもらった。
    以下、いくつか気に入ってるの。


    『月を見つけたチャウラ』
    誰に必要とされて生きてるのか分かんない。だけど月を急に”見付ける”瞬間の幸せがくっきり描かれてる。幸せ。

    『手押し車』
    本物の狂気ってこういうものだな、ってゾッとした。だけどそれが幸せなのも伝わる。気持

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    2022年08月16日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    イタリアのノーベル賞作家。最近またじわじわとイタリア文学ブームが自分の中でキテる。皮肉がきいた短編集。「ひと吹き」が好きだった。

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    2018年12月18日