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世界的ベストセラー『時間は存在しない』『すごい物理学講義』の天才物理学者による世界一わかりやすく美しい「七つの講義」。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』を改題。物理を知りたいと思っているあなたに贈る、最も軽やかで最も素敵で、あっというまに理解できる感動的な究極の名著。
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Posted by ブクログ
たった150ページとは思えないくらい内容が濃かった。それぞれの章はほぼエッセイくらいであり、相対性理論や量子力学から見える世界観がなぜそうなのかを細かく詰めている余地はない、いわば結論と結論から見える世界の広がりに特化した本だが、表現が巧みで好奇心をくすぐる書き方になっている。センスオブワンダーのお...続きを読む手本。 入門レベルの話とはいえ読者を思考に促すことにかけては手を抜いておらず、時間は客観的には存在しない、熱があるところに時間は発生する、といった一見突飛もないフレーズから、時間、自我、自由といった物理学の哲学的な側面まで目配せしているため読んでいて頭の柔らかい部分がものすごく刺激される。 世界が実体のない相互作用のネットワークで、全てのものは物理法則に従うのなら自我と自由とは何なのか?という問いにその相互作用そのものが自我であり自由なのだ、とスピノザ的なアンサーを出してルクレツィウスの詩に繋げるラストのくだりはとても綺麗だった。
以前、本書の著者であるカルロ・ロヴェッリの『時間は存在しない』に非常に感銘を受け、他の著作も読んでみたいと思っていたので、物理学についての入門書である本書なら気軽に読み進められそうだと思い購入。 『時間は存在しない』もそうだったように、本書を読み始めてまず感じるのは、その文体の読みやすさである。 ...続きを読む相対性理論や量子力学も含めた最新物理学について、7つの章(講義)に分け、どんな読者でも理解できるように優しく(時には詩的に)語りかけてくるのだ。 巻末の訳者あとがきにもあるように、本書は2015年にイタリアの出版界のベストセラーランキングにおいて(科学書カテゴリではなく)総合1位を獲得したというのも頷ける。 第6回講義では、太古の昔から哲学者や物理学者の間で議論され、自分も以前から関心のあった"時間"について述べられている。 特に「過去」と「未来」に関して、著者はボルツマンの熱力学の見地から「過去と未来の間の違い(未来と過去を区別する根本的な現象)は、熱いものから冷たいものへの熱伝導である」と言い切っており、熱力学、統計力学、エントロピー理論などについてさらに興味が沸くとともに、シンプルな結論付けはいかにも物理学者らしい見解だとも感じた。 ただ、誰もが身近に感じながらもその正体を暴くことができない"時間の流れ"については、その謎を解く鍵は熱であるとしながらも、最新物理学の理論でも明らかになっておらず、ブラックホールのメカニズムが解明されれば時間の流れとは何かが判明するだろうと述べており、このような未来へのロマンを感じさせる論調が多くの読者に受け入れられたのかもしれない。 本書は第6回講義までに、数式等を使わずに最新物理学についてわかりやすく解説されており、それだけでも一読に値するが、最後の第7回講義では、人類と自然との関わりについて、人類が抱く飽くなき知的欲求の素晴らしさ、物理学を学ぶ意義などが述べられて締めくくられている。 専門分野を基に、ただ真理を追究することに邁進する学者は数多いるだろうが、それだけでなく、大局的見地、哲学的見地、そして芸術的見地から物理学の素晴らしさや自然の美しさを世に広めることのできる著者と訳者に改めて敬意を表したい。 150ページ程度の文庫本ではあるが、物理に挫折した高校1年の時に読みたかったと心底感じた1冊であった。
相対性理論や量子力学などが描く世界は、私達が日常ありありと感じている世界とは途方もなくかけ離れている!それが高校時代に理科・数学に挫折した文系人間の私が得た本書の感想。 一般相対性理論の視点では、空間は不動の入れ物ではなく、動いている巨大な軟体動物の中に私たちは蹲っているようなもので、それが縮んだり...続きを読む曲がったりしているそうである。一方、量子力学的な視点では、あらゆる場は、細かな粒子状の構造になっており、物理的空間も量子でできているという。そして近年ではこの一般相対性理論と量子力学を統合しようとする試みとしてループ量子重力理論が提唱されているという。この理論によると、もはや空間の量子というものは存在せず、「時間」という概念まで消えてしまうと考えられるという。 そのような奇妙な世界に生きている我々も、この物理的世界の構成物であるという。物理の世界は敷居が高いと感じる人にも、その世界へやさしく誘ってくれる素晴らしい本と感じる。
こんなにコンパクトにまとまった一冊に物理学の概要が学べる。しかも、読んでいて理解した気分になれるほどにわかりやすい。訳者後書き含めても150ページに、広大な宇宙全体の法則を謎とく旅に連れて行ってくれる素晴らしい本。 一般相対性理論、量子論、宇宙の構造、素粒子、量子重力理論、ブラックホールをめぐる確率...続きを読むと熱について、これら6つの講義と最終講義で自然界における人間とは何者か?について学べる。 繰り返し読んで、暗記したい。そして、何かの折に、この本の一節を交えた会話をしてみたい(気が早いか・・・)。 イタリアの経済紙『イル・ソーレ・24オーレ』の日曜特別紙面「ドメニカ」で連載した記事に手を加えたものとある。新聞の日曜版での連載と言われれば納得のボリューム。 本書を読んでから、量子論や量子重力理論に関する書籍を手に取りたい。帯に書いてある通り、「誰もが感動する究極の入門書」であるからだ。
文系でも理解できるように書かれているので是非物理が苦手な人にもおすすめ。 機械学習に必要な数学の勉強のためヨビノリのYouTubeの動画を見始め、なんとなく気になった相対性理論の授業も閲覧。 「直感に反する事柄を、論理的に理解するのが物理」とヨビノリが話していて、なんだかおもしろくて物理に興味を...続きを読むもったので買って読んでみた。 それまで全く物理に興味はなかったものの(というか苦手意識が強かった)、物理学者の発明まで至る考え方は、イノベーション的な考え方と繋がるもんだな、、、と感じ、改めて色んな分野の本を読むことの大切さに気付かされた本。
入門編なのでページ数も少なく、 数時間で読み終えることが出来た。 宇宙物理は興味あるテーマだが、 素人の自分には難解な理論が飛び交い理解が困難だが、少しずつ学んでいきたい。
この手の本はわかっていない事もわかっているように書くのが多いのに、この本はわかっていない事はわかっていないとそのまま書いていて、さらに例もわかりやすく書かれているので、とてもわかりやすくて理解でき面白かった。どうもイタリアでベストセラーになったらしいが、それも頷ける。
物理と哲学はとても近いものと思っている自分としてはとても良い本でした。 ホーキンス然り、こういう物理本は入門ぽい感じでも途中から結構難しくなると思っていて、この本も同様でした。
相対性理論に量子力学、宇宙のかたち、はじまり、そしてブラックホールなど、物理学のほぼ最前線を、中学生くらいにもわかるように解説してくれている(たぶん小学校高学年くらいだったらok)。大人の教養として役立つと思う。夜空とかも違って見えるし、ものが存在すること、動いていることのメカニズムを考えるとこの世...続きを読む界が成り立っていることの不思議さを思う。これ読んで物理学目指してくれる若者が出てくれるといいなぁ。
3時間ぐらいで読める。しかも、流し読みでなくてちゃんと体に染み込んでくる感じ。物理学というと何やら難しい表現や数式が出てきて、読んでもなんだかわからないことが正直多かった。 しかし、本書は正真正銘、物理学を全く習わなかった読者も高資金を引き出す魅力を持っている。今でも学校の物理(高校ぐらいまで?)は...続きを読む古典物理学ぐらいまでで終わっていると思うが、ここでロヴェッリがいざなってくれる世界の見方は大きく異なり、刺激に満ちている。 訳者あとがきに「高校、大学と物理を勉強してもわからなかったことが、3時間で理解できた」「高校の物理の先生がろヴェっ理だったら、僕には別の人生が開けていただろう」といった感想が紹介されているが、そのとおりだと思う。 教育関係本(になるのかな)では、 今年これまでで読んだ本の中でダントツNo.1。 高校生、大学生だけでなく学校の先生も読むことを強く、強くすすめる。 自分の中では、学びや好奇心に刺激を与える本というククリで、カーネマンの「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」と、 ヘンライの「アート・スピリット」と3強。
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カルロ・ロヴェッリ
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