カルロ・ロヴェッリの作品一覧
「カルロ・ロヴェッリ」の「カルロ・ロヴェッリの 科学とは何か」「規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
「カルロ・ロヴェッリ」の「カルロ・ロヴェッリの 科学とは何か」「規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
「量子とはなんぞや」という疑問から本書を開いた。エンジニアの端くれとして日々データと格闘しているが、最先端物理の難解さに中盤までは頭を悩ませた。しかし、読み終えた今、胸を満たしているのは圧倒的な浪漫である。本書で「量子」の存在が、確率の雲のようにモヤっと腑に落ちた。驚いたのは、空間も時間も滑らかなものではなく、極限まで分解すれば映画のフィルムのような「離散的(コマ送り)」な粒だということだ。水も空間も光もすべて「場と粒」という同じ物質であり、時間はその場の関係性から後から発生している。このゲシュタルト崩壊のような宇宙の姿に鳥肌が立った。歴史好きの自分にとって、本書は古代ギリシャから続く「知性の紆余曲折の歴史」として最高に面白かった。今ある事象だけでなく、そこに至る経緯を知ることの大切さは、科学も人間の歴史も同じだ。例えば、古代ローマも初期は合理的で最善な選択(法やインフラ)をしていたが、政治に宗教を取り込んだ辺りから硬直化していった。物理学も「未来はすべて決まっている」という古い決定論に縛られていた時代は、冷たい宗教に似ていたかもしれない。しかし、量子力学が明かした現実の世界は違っていた。サイコロ1個のミクロの情報量すら、地球上の全データセンターで処理しきれない天文学的な量になる。人間を物理的にハッキングするようなSF的支配や瞬間移動が不可能なのは、宇宙がそれほど複雑で、規律ある確率で守られているからだ。パラレルワールドのような別の世界は存在しない。だからこそ、過去の経験値から明日を想定し、何者にも邪魔されずに自由意志で決断する「この瞬間」が、宇宙で唯一無二の価値を持つ。「完璧な正解が誰にもわからないからこそ、そういうこともあり得るという余白を持って楽しむ」。ロヴェッリの詩的で温かい文体から、そんな生き方の哲学を受け取った。世界の見え方が変わる、生涯忘れられない一冊。
Posted by ブクログ
量子論を論じた物理学者たちの思索を経由しつつ、量子力学という切り口から世界のすべてが相互作用によって成り立っている事を、形而上学としてではなく、あくまで科学哲学的な解釈として捉えようとしている本書。(垣根を越えようとしている?)
ただし、ここでいう"相互作用"というのは『華厳経』に由来する「一即一切・一切即一」に近い感覚です。「一つのものの中に全体が宿り、全体の中に一つが宿る」という華厳思想。すなわち世界を独立した実体の寄せ集めとしてではなく、すでに互いの中に互いが折り込まれているものとして見る事を指しています。
す〇ぢさんはこれを『サク〇ノ刻』だと仰いました。
(ヴィジュアルノベル)
本書を元に解釈すれば、「芸術」は個人の表現であると同時に、他者、過去、喪失、継承、さらには世界全体が、一つの形を通して映し現れるものである、と捉える事が出来ます。それは単なる自己表現ではなく、その人の生き様を通して世界そのものと接続するもの、という解釈です。
直哉や圭、他の登場人物達もまた、孤立した主体では無く、互いを映し合い、傷つけ合い、救い合いながら、世界という”網”の中で燃えています。芸術は、作者と世界と受け手が交差する、華厳的に言えば「珠玉」であり、一つの形の中に無数の関係が反射し、結晶したものとも言えます。
そして完成した「強き神」に奥行きはない。いや、全てを自足したものは強いのかもしれない。けれど、同時に閉じてもいる。だから本当に重要なのは、「弱き神」であること。まさに、”未完成の筆”であることです。
欠けていること、届き切らないこと。その未完成さこそが、他者を受け入れ、喪失を抱えつつも未来へ手を伸ばすための余白になる。完成したものはそこで終わる。しかし未完成なものは終わらない。閉じる事なく、別の生の中で反響し続ける。だからこそ、未完の筆は帝網に参加できる。
この所謂「帝網重々無尽」の感覚。「世界は独立した実体の集まりではなく、帝網のように相互に折り込まれた関係の網である」という世界像を、芸術と人物の生を通して描いた作品。それが『サク〇ノ刻』そのものであるという事。そう思えました。
Posted by ブクログ
いやはや難しい本。量子力学から哲学的な話まで、時間について言及されており、普通に考えれば、一般の人では到底理解できないことを、ギリギリ読めるレベルに落とし込んでいる。私的には本当にギリギリの理解。エントロピーあたりで若干挫折しそうになった。AIに相談しながら、エントロピーとは?みたいに質問して理解しつつ、相対性理論で立ち止まったり、右往左往したけど、何とか読み切った。書評としては詳しく書けるような言葉を持ち合わせて無いし、理解もできていない。ただ、物理学、量子力学は面白い、次は何を読もうかなと思わせてくれた。式とかはちょっと敬遠したいけど、本に出てきた偉大な科学者の人生を辿ったりしたい。科学は哲学的な面もからもアプローチできることは作者の著作で物凄く感じた一面。