猫とともに去りぬ

猫とともに去りぬ

小説・文芸
858円 (税込)

4pt

猫の半分が〈元・人間〉だって、ご存知でしたか。家族も会社も、何もかもがいやになったら、ローマの遺跡の境界線をまたいで猫になってしまおう……。ほかにも、魚になってヴェネツィアを水没の危機から救う一家、ピアノを武器にするカウボーイ、ピサの斜塔を略奪しようとした宇宙人、家々を占拠する捨てられた容器たちなどが活躍! 現代社会への痛烈なアイロニーを織り込んだ、ユーモアあふれる知的ファンタジー短編集。

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猫とともに去りぬ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    粒ぞろいの16篇。どれもシュールなんだけど、なぜかシュールには感じられない。あまりのテンポのよさに吞み込まれ、不思議だと感じている暇がない。
    「箱入りの世界」と「ヴェネツィアを救え」は、カスケード反応風な展開がおもしろい。配達があまりに速過ぎる「チヴィタヴェッキアの郵便配達員」もいい。「ヴェネツィアを救え」の冒頭には、東京大学のワレハシルゾウ教授(!?)も登場する。
    ロダーリ版シンデレラも、ロダーリ流マカロニ・ウエスタンも、ロダーリ風味の「鏡よ鏡」もある。クスッと笑える。どれも毒のないのがいい。

    0
    2025年05月03日

    Posted by ブクログ

     児童文学のような文体であり、非現実的なストーリーはまさに童話でありファンタジーである。ただその中にはさまざまな社会批判や人生の矛盾が描かれているのが面白い。
     濃厚なアイロニーを通して描かれる短編小説集だ。ファンタジーのフレームに入っているので平気でリアルを超えることができる。たとえば猫になったり、魚になったり、神々や宇宙人と交流することも可能なのだ。
     ただ、そういう不思議な世界を描いているように見えて、実は現実社会が抱えている様々な問題を描いているといえる。社会の描き方は微細さを追求するだけではなく、虚構を使ってその本質を照射する方法もあるということを再認識した。

    0
    2024年01月09日

    Posted by ブクログ

    御伽噺・イタリア風味。シュールリアリズム系の短編集かと思ったら、予想よりずっと優しい世界だった。根っからの悪人はほとんどいないし、多少意地悪な人間も死ぬことはなく災難に逢う程度。そして善人は必ずささやかな幸福を掴むことができる。ロダーリは確かに児童文学作家ではあったが、それ故に彼の作品はただの子供騙しでは終わらない。彼は戦前からファシズムを批判し、戦時中もレジスタンスとしての地下活動を続けてきた。自国が過ちを犯していると理解する、社会への優れた先見性を持つ作家だったのだ。そんな彼が書く、やさしくユーモアに溢れた文章の中に込められた現代社会への痛烈なアイロニーは、確かに現代を生きる私たちの胸にも強く響いてくる。

    0
    2019年01月14日

    Posted by ブクログ

    感想は、「たのしい!おもしろい!変!」
    そんな短編集です。

    ユーモアがあって、ついにやにやしながら読んじゃう。
    一気にだいすきな本になりました。
    また数年後に読み返したい。

    とにかく突拍子もない本なんです。
    設定も、展開も、キャラクターが考えることも、台詞も。
    予想もつかないことが起きる。
    作者のロダーリは、とっても想像力豊かで、発想が自由で、人と違う視点から物事を見られる才能を持っていたんだなあと感じます。

    何事も、決まった形に収まらない。
    そんなところが夢があって、
    わくわくして、
    各所に散りばめられたユーモアに笑っちゃって、
    でもぴりりと風刺も効いた本です。

    とっても素敵。世界を楽しくさせてくれる本に出逢いたい人にオススメします。

    今、わたしの最上級の褒め言葉をこのレビューに詰め込んでます。

    0
    2016年09月07日

    Posted by ブクログ

    鼻持ちならぬヤツでさえも、
    何故だかだんだん可愛らしく思えてきてしまう不思議。

    ファンタジーは現実逃避などではなく、
    むしろ現実と向き合う為の、知恵なりパワーなりを与えてくれるものなのだと、
    本書を読み終え、しみじみつくづく、感じたのでした。

    「ファンタジーは人間の精神・人格を形成する大切なもの」と考え、
    教訓におちいる事なく、人類愛、反差別、自由の概念を、上質な笑いと共に表現。

    この感性、是非ともあやかりたい。

    0
    2014年07月25日

    Posted by ブクログ

    読みながら、意味もなく楽しくなってしまう。そんな短編集。不思議で、可愛くて、悪意がなくて、ほんの短編なのにどのお話の登場人物もたまらなく魅力的。特にレギュラー化してるあの社長が出て来ると、妙にテンションあがる。
    どのお話も素晴らしい。ファンタジーでSFで、ブラックだけど童話。読み始めたら、この魅力のとりこになること間違いなし。まずは読んでみれば絶対にはまる。そしてあっという間にこの世界から離れたくなくなる。

    0
    2014年07月08日

    Posted by ブクログ

    奇想天外な展開に冴え渡るユーモアセンス!多分母国語じゃないと半分ぐらいは理解できていないだろうと薄々感じながらも、読み進める内にノリが理解できてきました。久しぶりに純粋に「お話」を楽しむ本を読んだなと思います。
    翻訳も読みやすいですし、題名がいちいちステキですね。
    読みやすい長さの短編で構成されているので、枕元に置いて寝る前にちょこちょこ読むのに丁度良かったです。個人的にピサの斜塔の話がドタバタしてて楽しくてお気に入りです。

    0
    2014年03月08日

    Posted by ブクログ

    こういう風刺がバッチリ効いたちょっぴり
    刺激の強い作品は大好きです。
    まさに大人のための童話。
    本当に予想もつかないことがよく起こります。

    表題作はまあありえないけれども
    ある種の自由への渇望が
    彼らを「猫」へと変化させてしまうのでしょうね。
    だけれども幸いにも主人公の男には
    「自由」を渇望することはしたけれども
    頼ってくる人がありました。

    そして…人のせいにする人を
    徹底的にあざけっている作品もあります。
    そして嫉妬心の浅ましさも同時にその作品は
    伝えているのです。
    つまり原因が分からないのなら
    それなりに努力をしろ、ということかと。

    こんな面白い作家がいたことに
    驚きでした。

    0
    2013年09月20日

    Posted by ブクログ

    イタリアの児童文学作家によるファンタジー短篇集。
    ユーモアたっぷりで不思議な世界観の中に
    アイロニーとナンセンスが散りばめられています。
    表題作の「猫とともに去りぬ」がお気に入り。
    読後に心がフッと軽くなります。
    こういう素敵なお話にはもっと若い頃に出会っていたかったな。

    長新太さんの絵本が好きな方ならきっとはまります。

    0
    2013年05月11日

    Posted by ブクログ

    自由だなあ、好きだなあ!

    ロアルド・ダール的なものも感じるけど、
    もっともっとすかっと自由な気がする・・・
    ロアルド・ダールがイギリスの霧を感じさせるとしたら、
    こちらは、イタリアのからっとした空気を思わせる。

    0
    2019年01月16日

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