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スタンダールの代表作に新訳登場。ナポレオン失脚後のフランス、貧しい家に育った青年ジュリヤン・ソレルは、立身のため僧職に身を投じる。やがて貴族であるレナール家の家庭教師となり、その美貌からレナール夫人に慕われるようになる。ジュリヤンは金持ちへの反発と野心から、夫人を誘惑するのだが……。才知と美貌で激動の時代を駈けぬけた主人公の誇り高き精神を、新たな解釈で生き生きと描き出す。
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Posted by ブクログ
鬼スタンダール5です(鬼★5みたいな感じで言おうとしたけどめっちゃ字余り) いやーエグいなスタンダール やっぱすげーわスタタンダール 「タ」1個増やしたら急に面白くなったな お遊びはここまでだ! いや何がすごいってさ延々と続くわけよ、心理描写&情景描写が ふつうそんなことされるとべちゃ...続きを読むっとしちゃうんだけど、スタンダールはこうなんて言うの?スピードが落ちないんよ めくるめく展開 ほとんど場面が動いてないんだけど、もちゃっとしてないんよ それはやっぱりこの恋の駆け引きというかさ、あるやん?誰しも経験あると思うんだけど探り合いみたいなあの感じ うわー絶対自分のこと好きだわー、これもらったわー、今告っちゃおうかなー、あれ?いやそうでもなさそう?危なっ!やば!がっつり振られるとこやったー、あれでもやっぱいい感じだよね、行けるんちゃう?むしろベタ惚れちゃうん?あ、だったら今後のことも考えて、言わしたろ、うん、こっちから行くことないわー、向こうからみたい感じにしたいよねー、あれ?やっぱ勘違い?え?でも、絶対好かれてるよね、弱い?やっぱこっちから行った方がいい?あーでも確信ほしいわー、あ、なんか他の奴といい感じに話してるやん、やばっ、早く行かな!でも待ってー みたいなコロンコロン気持ちがあっち行ったりこっち行ったり、ひっくり返ったりみたいな これを男女双方でやるのよ もうイラーッともするんだけど、そこの描写がうますぎて、男女の仲は一切進まないのに、どんどん読まされる スタンダール凄っ! そして凄いから200年も残るのだよ! あらすじ等々はググりなさい!(ピシャリ)
モームの選んだ「世界10大小説」の一つ。『赤と黒』の初版本には、副題として表紙に「19世紀年代記」、中扉に「1830年代記」と記されている。 「年代記(chronic)」という単語に「この作品を単なるフィクションとは受け取るなかれ」という著者の意図が見てとれる(訳者野崎さんの読書ガイドより引用)。...続きを読む 『赤と黒』で描かれるのはシャルル10世の治世(王政復古期)である。王党派や教会権力(保守的勢力)vs. 自由主義勢力(改革派)という対立構造があることを踏まえておくと良い。 また、この小説は「史上初の、サラリーマンを主人公とする小説だと述べる研究者もいるくらいで、ヴェリエールではレナール氏、パリではラ•モール侯爵に雇われるが、家庭教師に雇われる前の彼の蓄え、給料を比較しながら見ると、彼の社会的な「価値」のバロメーターがわかるというわけだ。
1820年代のフランスを舞台に、立身出世を目指す貧しい木こりの子(この文庫本では、彼はそれなりに裕福な木材商の子弟とされている)・ジュリアンの野望と転落を描いた、スタンダールの小説。世界史の歴史に載るほど有名なのに、今まで読む機会がなかった。安倍政権発足以来、日ごとに高まる「反知性主義」に対抗するた...続きを読むめには古典を読むのが一番だと思いながら書店内を散策していて、たまたま目に入ったのがこの本である。 主人公ジュリアンは実家を出て、地元有力者・レナール家の家庭教師になる。ほどなくして主人の妻・ルイーズと恋愛関係になり一線を越えた関係になるが、主人は二人の関係に疑念を持ち、レナール家に気まずい空気が流れてしまう。主人公の立場をおもんぱかったルイーズは、彼を神学校に入学させることにする。ジュリアンはレナール家の一員になって以降、上流階級の持つ欺瞞性を嫌悪していたが、神学校入学後はその思いを強めていく。彼は自らの知性と美貌を武器に「上流階級」に一泡吹かせようという野心を抱くようになる。 階級間の格差が広がりつつある現在、ジュリアンと同じ野望を抱く人間は増えていることだろう。問題はその野望が「世間をよくしよう」という方向ではなく、自己顕示欲に向かう人が多くなるのでは?ということである。1820年代のフランスに流れる空気が、現代日本にも漂っているのだろうか?
恋愛小説の傑作でしょう。 現代日本では見られないような野心満々・肉食男子のジュリアンもその恋人たちも、なぜか芝居がかって冷静に考えるとおかしいのですが、やっぱり読んでいて引き込まれてしまう駆け引きの様子とドキドキの心理状態。 少女マンガのようなフランス文学です。
モーム選の世界十大小説のひとつ。(読むのは、カラマーゾフの兄弟、戦争と平和、ゴリオ爺さん、に続いて四作品目) 発表は、1830年七月革命直後、執筆は七月革命前の王政復古(シャルル十世)の時代。 製材屋の息子(19歳)ジュリヤンが、町長宅の住み込み家庭教師からキャリアをスタートし、神学校勤務を経て...続きを読む、侯爵の秘書に内定するまで、が上巻。 叙述の多くを占めるのが、ジュリヤンとレナール町長夫人(30歳くらい)との間の禁断の恋愛関係。 巻末の「読書ガイド」によれば、史上初のサラリーマンを主人公とする小説、という説もあるらしく、すごろくものを読んでいるような独特の面白さだ。あらすじを全く知らずに読み始めたので下巻が楽しみだ。 思わせぶりなタイトルの意味は、軍服(赤)と僧服(黒)のことだそうで、当時の社会でのしあがるにはこの二つしかない、ということのよう。 貧しい青年が恋愛をも駆使しながらのしあがる、という設定から、往年の青年漫画、柳沢きみおの「青き炎」(1988-1991)をふと思い出した。結末は覚えてないが、自滅だったような。。 それにしても、200年近く前の作品とは思えないくらい読みやすい。 「いま、息をしている言葉で、もういちど古典を」という光文社古典新訳文庫のタグラインの面目躍如といってよいのではないだろうか。
冒頭の舞台説明を耐えればあとは文章の勢いで最後まで連れていかれる。誤訳論争を抱えている翻訳ではあるが、このキレのある飲み口は正確性を犠牲にしてでも魅力的だ。フランス史やキリスト教に詳しくない場合は巻末の解説から読んだ方が物語の対立構造がよく理解できる。わたしも詳しくないため大いに助けられた。
スタンダールは、大学時代に読んだ「パルムの僧院」以来で、初読というのが恥かしくなるほどのド古典だが、初読。 訳者の野崎歓が言う通り、1830年代当時よりも、自らを偽って生きることの多い(そして恋愛のゲーム化がますます進む)現代において、なお共感されるところの大きな小説と言えるだろう。現代的なエンタ...続きを読むーテイメント小説と比較すると、構成に荒削りなところは多いが、それでも「近代小説の嚆矢」と言われるスタンダールの面目躍如といった作品で、ほとんど一気読みだった。 野崎訳に対する批判は、すでにあちこちで論じられている通り、違和感のある文章がなかったと言えば嘘になる。しかし、そもそもこの問題は、翻訳自体に対する批判というよりも、改訳に対する編集部の姿勢を批判しているものと理解している。
貧しく家族にも虐げられてきた青年が、その抜群の記憶力と美貌で、貴族社会に入り込み、社交界を足場に出世していく。その飛躍の鍵は、それぞれタイプの異なる2人の女性。下巻で登場するマチルドと主人公の青年ジュリアンの、プライドと激情が数行置きに交錯するあたりは、その内容にも長さにも正直うんざりするが、物語の...続きを読む結末のためには、そのうんざりした気分が必要なのかもしれない。主人公も2人の女も、自分や相手の激情に感動しつつ、それをいかに打算的にコントロールするかに、常に心を砕いている。それがうまくいけば、社会的には成功するがうんざりした日々が続き、失敗すれば一瞬の生の充実はあるが滅びるしかない。マチルドは、いいとこどりで生き残ったような気もするが、その後最も不幸な人生をおくるのかもしれない。
当時のフランスの状況を理解したうえで読んだらもっと楽しめたと思う。でも十分面白かった。ジュリヤンは幸せだったのかな?所々ジュリヤンが私と被っててなんかぞっとした。下巻も期待。
ずっと手を出したいと思っていた名著にやっと手を出せた。 当時のフランスの状況のことはよくわからないが、それでも内容的に楽しめるだけの作品だと思う。 当時の時代背景のメモ この作品が書かれた時代はナポレオンの時勢が終焉後の王政復古期である。 当時の勢力抗争として考えられるのは、「王党派」(貴族、上層...続きを読む階級)と「自由主義勢力」(それ以外の庶民)である。「王党派」は復古した王政の権力維持を唱える保守勢力。「自由主義勢力」は革命的な勢力である。 主人公は「自由主義勢力」の立場である一方、彼が仕えたレノール町長、恋仲になったレノール夫人は「王党派」である。 上巻では、主人公の貴族的な「王党派」に対する憤り、革命的理想とともに、レノール夫人との階級差がある中での禁じられた恋を描いているように思う。
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