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若い姪と二人、都会暮らしの教授に仕送りしてきた生活。だが教授は……。棒に振った人生への後悔の念にさいなまれる「ワーニャ伯父さん」。モスクワへの帰郷を夢見ながら、次第に出口のない現実に追い込まれていく「三人姉妹」。生きていくことの悲劇を描いたチェーホフの傑作戯曲二編。すれ違う思惑のなかで、必死に呼びかけ合う人々の姿を、極限にまで切りつめたことばで浮かび上がらせる待望の新訳。
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Posted by ブクログ
映画『ドライブ・マイ・カー』を見て気になったので読んだ。長い劇の一部分を抜き出して映画に使用したと思っていたが、映画で使われた部分がほぼすべてで、本当に短い劇なんだなと感じた。 ロシアに住まうことの絶望を語るシーンはロシア文学に通底する感情なのかなと感じた。
三人姉妹 労働する生活のつまらなさ、そうするしかない諦め。愛や理想だけでは生きていけない、見て見ぬふりをして生きていかなければどうしようもないことがたくさんある。人生とは辛く虚しいものだ。
4幕の劇である。ワーニャが仕えてきた教授をピストルで撃つ場面がクライマックスである。しかしけがはしない、ということであとはそのまま進行する。
ワーニャ伯父さ/20221021 老いの苦しみ 時代の変遷、諸行無常による空虚感 それでも、なお。
私もワーニャとほぼ同じ四十六歳になった。この戯曲は、死ぬことが出来ず、それでも生きていかなくてはならない、中年の嘆きを取り上げた戯曲であり、中心人物のいない複数視点の同時立脚的なポリフォニー的な物語である。
チェーホフは36歳で「ワーニャ伯父さん」を書き、40歳で「三人姉妹」を書き、そして44歳で亡くなった。何という老成だろう。「ワーニャ伯父さん」では自分の人生が絶望だったと知る。「三人姉妹」では夢が次々と押しつぶされていく。人生とはそもそも絶望なのだ、その冷徹な現実を淡々と描きだす。それでも人生を生き...続きを読むていくしかない。酸いも甘いも経験した、大人のドラマ。
解説と訳者あとがきが素晴らしい。チェーホフ初心者に、その味わい方を丁寧に教えてくれる。再読したときの味わいが全く変わった。 チェーホフ、良い。
チェーホフの登場人物は、私が口にするのを躊躇い胸に閉じ込めている本音を、どうしてこうすんなりと口にしてしまうのか。現実に翻弄されて、自分がしがみついてきた美しい幻想を壊されても、生きていかねばならない人々の姿。終わりが来ることを救いにすれば、目の前の幸せを味わえるようになるのだろうか。
ペシミスティックな美学? 何かありそうで、結局何もなく、 誰も幸せにならない。 庶民の暮らしと悩み。 中年ワーニャの文学には、死も許されず、 未来は暗くそのまま続く。 チェーホフなりのユーモアは、 その『間』において、俳優により表現されそう。 エレーナにはなかなか惹かれない。
チェーホフの「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」。中年の悲哀が凄い。訳者曰く中年文学と。。学生の頃読んだ時は特段心が動くこともなかったんだけども、この年になると現実に押し潰されていく中年の葛藤がよく分かるようになったなと。 訳者あとがきに「ぼくは少し前までは完全にワーニャに肩入れをしていた」から「ぼく...続きを読むは知らず知らずのうちにワーニャから嫌味な老人セレブリャコフに変わってしまったらしい」と変化した様子が書いてあって、今正にワーニャに肩入れしている自分もさらに歳を重ねるとそうなるんだろうなと何だか笑ってしまった。 最後にやはり印象的なラストの科白 ソーニャ「ワーニャ伯父さん、生きていきましょう。長い長い日々を、長い夜を生き抜きましょう。運命が送ってよこす試練にじっと耐えるの。安らぎはないかもしれないけれど、ほかの人のために、今も、年をとってからも働きましょう。そしてあたしたちの最期がきたら、おとなしく死んでゆきましょう。」 三人姉妹もラストは同じや! オリガ「ねえマーシャ、ねえイリーナ、私たちの人生はまだ終わりじゃないの。生きていきましょう!音楽はあんなに愉しそうに、あんなに嬉しそうじゃない。もう少し経てば、私たちが生きてきた意味も、苦しんできた意味もきっと分かるはず……。それが分かったら、それが分かったらねえ!」 いや、その通り、それでも、生きていかなくっちゃね。うーん、リアリスト笑
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ワーニャ伯父さん/三人姉妹
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チェーホフ
浦雅春
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