ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
演出家の妻になると、夫と共に芝居について語り、材木商と結婚すれば会う人ごとに材木の話ばかり。獣医を恋人にもった魅力的なオーレンカは、恋人との別れと共に自分の意見までなくしてしまう。一人ぼっちになった彼女が見つけた最後の生きがいとは――。一人のかわいい女の姿を生き生きと描いた表題作など、作者が作家として最も円熟した晩年の中・短編7編を収録。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
まじで最高!!!!!!これを晩年に書き上げたのがすごいですし、でも晩年にしか描けなかったのかなとも思います。 短編ならではの一つ一つの重みのある言葉が、しかしどれも美しい描写とともにスッと心に入ってきました。完全に個人的な意見ですが、"儚い青春の日々"のお話たちだったなと感じます...続きを読む。 どれも好きですが、「谷間」と「いいなずけ」が特にお気に入りです。 再読後:「イオーヌイチ」もわりによきです。
谷間。もう少し救われないかと思う。少しずつ、少しずつ、さみしくて辛い。どんより、どんより初冬の小道をテコテコ行く感じ。なんにも変らない、ありそうな範囲でしか事は起こらない。なのにちょっとの温もりが、しんみり迫ってくるようで。
リアリズム文学で知られるチェーホフの短編編集。 どうしようもない現実や残酷な運命に翻弄される人間は、しかし、そんな厳しい世の中で、不幸と比べてあまりにも小さな希望を見つけ、それを糧に生きていく。 チェーホフの物語は、どうしようもなく救いがなく、だからこそ私たちが共感できる部分を含んでいる話が多い。
おもしろいと評判のチェーホフの短篇。やっぱり、おもしろかったです。 切なくて苦くて、(優しくないのかもしれないけど)優しく感じる所がいいです。
やはりチェーホフはおもしろい。 特になにか劇的なことが起きたりするわけではないけど、内面の描写がうまかったり、なぜだか心に残る場面が多かったりする。 「イオーヌイチ」は最初は男のほうが求婚してたのに何年か後には立場が逆転していく様や、良いと思っていたものが急に色褪せてみえてなにがよかったんだろうこ...続きを読むんなもの……と思ってしまう様が実生活でもまぁあるよねと思えたし、人生の虚しさや呆気なさも感じられてよかった。 「往診中の出来事」は下記のリーザの台詞がとても印象に残った。 『孤独な人間は本をたくさん読みますけど、人と話したり、だれかの話を聞いたりすることは少ないから、人生が神秘的に見えます。孤独な人間は神秘主義者で、いもしない悪魔の姿を見たりするんです。』 工場から聞こえてくるデル……デル……という音も印象的。 「かわいい女」はかわいいというよりかわいそうという風にもみえた。 自分の意見を全く持たず、身近にいる愛してる人からの受け売りの知識でしか会話することができない。 『じゃ私、なんの話をすればいいの』という台詞がささる。こういうタイプの人は現代でもいるよなぁ。 「谷間」と「いいなずけ」については、以前読んだ岩波文庫の『ともしび・谷間 他7篇』の方に感想を書いたのでここでは割愛。どちらも好きな作品。
このところ国木田独歩とチェーホフの短編を読み返している。 すごいなあ、ぎゅっと圧縮された人生模様、到達感、達成感の文章。 両作者とも早世、独歩37歳(1908年)チェーホフ44歳(1904年)で、その晩年に円熟したとある。 だからなのか? 読み比べているのだが「いづれがあやめか、かきつばた」 晩...続きを読む年の作品集は、国木田よりチェーホフがすこしはやく亡くなっているので、発表も少し早かっただろうが、国木田に影響があったのかどうか?ロシア文学と日本の文学の夜明け、明治時代にそんなにも伝わるのが早かったとしたらすごいなあ。 ともかくも、人生の機微をもりあげ、解剖していく文章は、胸を撃つこと、なおそこに詩心を加味されて、なんとも心揺さぶられる。 今回印象深かったのは 「イオーヌイチ」「犬を連れた奥さん」「谷間」
嫌な事は見ないふり、都合よく生きていきたいという人々を情緒溢れる美しい文章で書き上げている。 かわいい女の主人公オーレンカのような女は、割とよくいる。 旦那の意見=自分の意見、と心から思っている。 うちの旦那が、うちの旦那が、とよく言うのでうちダンというニックネームをつけられる。
「かわいい女」、「犬を連れた奥さん」の題名は知っていたが、チェーホフだから、てっきり戯曲かと思ってた。 短編なので、基本主人公中心の物語なのが演劇と違う処。 「かわいい女」、「犬を連れた奥さん」は現代の日本でも成り立つような話。 その他の短編から立ち上がってくるのは、不労所得を得ている地主や工場主...続きを読む、虐げられている自覚もない貧困層、理想を口にするが、地に足のついてない高等遊民。 やや長めの作品「谷間」。谷間の小さな村を牛耳る業突く張りな商人とその家に嫁いだ三人の女性の物語。如何にも有りそうで、救いようのない話なんだが、昔のロシアの大地にじんわりと包まれていくような感触。 チェーホフが何のためにこの短編を書いたか判らないけれど。暫く、頭の中で燻っていることになりそうだ。
アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフの短編7編を収録。 どの作品もロシア革命少し前に執筆されたものだけあって、貧しく虐げられた農民・使用人の描写と働かなくてよい階級への批判、将来は誰もが少しだけ働き、皆で豊かな生活を送れる社会がやってくるという理想願望の主張といった思想がところどころ散りばめられ、当...続きを読む時の風潮がみて取れる。 自分としては、『中二階のある家』のリーダや『谷間』のアクシーニヤなど、主張の激しい美人が活躍する短編が面白かった。(笑)また、『イオーヌイチ』や『いいなづけ』のように結婚へのあこがれが一転、独り立ちへと心情の変化を描く短編も皮肉に富んでいて物語としては楽しめた。特に『イオーヌイチ』の主人公が墓場へ呼びつけられるシーンなどはぞくぞくするような面白さとともに男への深い同情を禁じ得ない。(笑)『往診中の出来事』は工場主の娘の心の病とそこで働く労働者の両者の抑圧を題材にしており、当時としてはまさにタイムリーで先鋭的な思想的物語だったと思われるところが興味深い。表題作の『犬を連れた奥さん』は旅行先で出会った婦人との不倫ものだが、それにのぼせ上っていく主人公の心情が面白かった。もうひとつの表題作『かわいい女』は度重なる良人の不運という運命に翻弄されながらも、感化されやすいが朗らかな性格の主人公オーレンカの愛すべき半生を描いた作品で、起承転結が明確な、なかなか印象深い物語となっている。 全体としてところどころ挿入される社会思想性にも興味深いが、それも含めてほどよくスパイスにしながら確固たる人物像を作り上げているところが面白かった。また、ときおり登場する永遠の生もしくは死への深みへの思いは、チェーホフ自身の信心を文学的な表現に高めたものとして大いなる魅せ場のひとつになっている。短編としての物語展開性にも優れ、短編であることを縦横に活かした作品群になっている。
演出家の妻になると夫と共に芝居について語り、材木商と結婚すれば会う人ごとに材木の話ばかり。獣医を恋人に持てば、恋人との別れと共に自分の意見まで失くしてしまう。一人ぼっちになった彼女が見つけた最後の生きがいとは──。 チェーホフ晩年の短中編集を収めたもので、人間が懸命に生きようとするがゆえに生じる悲...続きを読む劇や日常の中で起こる何気ない感動を描いている。 本編の中で自分の心に最も残っているのは『谷間』で、一人の女性の運命の変転に初めは同情したが、最後には彼女は心優しき女性として描かれており、強く生き抜こうとする彼女の逞しさを垣間見た気がした。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
かわいい女・犬を連れた奥さん
新刊情報をお知らせします。
チェーホフ
小笠原豊樹
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
火星年代記〔新版〕
刺青の男
一五〇〇〇〇〇〇〇
一角獣・多角獣
犬を連れた奥さん
試し読み
イワン・デニソビッチの一日
火星の大元帥カーター
火星のプリンセス
作者のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲かわいい女・犬を連れた奥さん ページトップヘ