小説・文芸 - 新潮社作品一覧

非表示の作品があります

  • しゃばけ(新潮文庫)
    4.0
    1~22巻649~737円 (税込)
    江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う……。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。(解説・小谷真理)
  • ザ・ロイヤルファミリー(新潮文庫)
    4.2
    お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。山本周五郎賞受賞作!(解説・今野敏)
  • 隠蔽捜査(新潮文庫)
    4.3
    竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。連続殺人事件のマスコミ対策に追われる竜崎は、衝撃の真相に気づいた。そんな折、竜崎は息子の犯罪行為を知る――。保身に走る上層部、上からの命令に苦慮する現場指揮官、混乱する捜査本部。孤立無援の男は、組織の威信を守ることができるのか? 吉川英治文学新人賞受賞の新・警察小説。

    試し読み

    フォロー
  • 初陣―隠蔽捜査3.5―(新潮文庫)
    4.2
    警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。 この作品は『初陣ー隠蔽捜査3・5ー』文庫版を底本とした電子版となります。重複購入とならないようご確認下さい。
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I
    4.3
    1~15巻1,210~2,332円 (税込)
    知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルトやゲルマン人に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るローマ人だけが、なぜ巨大な世界帝国を繁栄させることができたのか? ささやかな建国伝説から始まる一千年の興亡史がいま幕を開ける。もはや古典といっても過言ではない歴史大作シリーズの電子版が待望の配信開始! ※当電子版は単行本第I巻(新潮文庫第1、2巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。
  • 失われた貌
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。事件報道後、警察署に小学生が訪れ、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に失踪し、失踪宣告を受けていた。無関係に見えた出来事が絡み合い、現在と過去を飲み込んで、事件は思いがけない方向へ膨らみ始める。
  • 成瀬は信じた道をいく
    4.7
    1巻1,760円 (税込)
    成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応えますますパワーアップの全5篇!
  • 成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫)
    4.3
    「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武大津店に毎日通い、ローカル番組の中継に映るといいだした。さらに、お笑いコンビ・ゼゼカラでM-1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。最高の主人公の登場に、目が離せない! 本屋大賞を受賞した圧巻の青春小説!(解説・森見登美彦)
  • 石原家の兄弟
    -
    「俺はこの宇宙を孤りで過ぎる隕石だ」――作家・政治家として一世を風靡した父と、彼を支え家庭を切り盛りした母・典子。そして家族同然だった裕次郎。強烈な家風で知られる「石原家」の日常は涙と笑いに満ちていた。お正月から大晦日まで、幼少期の出来事から介護、看取り、相続までを兄弟それぞれの視点から振り返る追憶エッセイ。
  • BUTTER(新潮文庫)
    4.1
    1巻1,045円 (税込)
    男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(解説・山本一力)
  • 楽毅(一~四)合本版(新潮文庫)
    5.0
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。 ※当電子版は新潮文庫版『楽毅』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)
    4.5
    雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(解説・中島かずき)
  • 沈まぬ太陽(一~五) 合本版
    4.8
    1巻4,301円 (税込)
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける! ※当電子版は『沈まぬ太陽』(一)~(五)の全五巻をまとめた合本版です。
  • 正欲(新潮文庫)
    4.6
    自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)
  • あやかしたち
    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    雪女のお雪が長崎屋の離れに出現したと思ったら、日の本中の妖も集まっちゃった!? 勝負に負けたら皆、追い出されちゃうの――? 場久が食べ損ねた悪夢は幽霊になるし、河童の秘薬を飲んだ若だんなの身体は驚きの……。異変が止まらない第24弾。アニメはフジテレビ系“ノイタミナ”で2025年10月スタート。
  • 介護未満の父に起きたこと(新潮新書)
    4.0
    82歳の父が突然ひとり暮らしに。幸い健康だが、家事がほとんどできないため、その生活に黄信号が灯る。唯一の家族である娘は、毎食の手配から大掃除までをあえてビジネスライクにサポート。それでも日々体力と記憶力が衰える父に、「ペットボトルが開けられない」などの難題が次々とふりかかる。「老人以上、介護未満」の身に何が起きるのか? その時期に必要な心構えは? 父のケアに奔走した娘が綴る、七転八倒の5年間。
  • 悲鳴(新潮文庫)
    4.1
    サチは美しく利発な少女だった。だが彼女は誘拐され、何年も男に監禁された。教育を、青春を奪われ、子を産まされ……けれどようやく事件は発覚し、生還を果たす。しかしそれは新たな苦痛の始まりだった。旧弊な価値観のまま変化のない住人による嫌がらせや無理解に疲弊する彼女の元へこの骨が本物のサチだと白骨死体が送りつけられる――。重なる悪意の根幹に何があるのか。衝撃のミステリ。(解説・大矢博子)
  • 俺たちは神じゃない―麻布中央病院外科―(新潮文庫)
    続巻入荷
    3.9
    1~3巻781円 (税込)
    剣崎啓介は腕利きとして知られる中堅外科医。そんな彼が頼りにするのが松島直武だ。生真面目な剣崎と陽気な関西人の松島。ふたりはオペで絶妙な呼吸をみせる。院長から国会議員の癌切除を依頼された剣崎は、松島を助手に得意なロボット手術を進める。だが、その行く手にはある危機が待ち受けていた――。現役外科医が総合病院で日夜起こるドラマをリアルに描く、医学エンターテインメント。
  • 村上海賊の娘(一)
    3.9
    時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景(きょう)だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。
  • 村上海賊の娘(一~四) 合本版
    4.3
    時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景(きょう)だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『村上海賊の娘』(一)~(四)の全四巻をまとめた合本版です。
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上下)合本版(新潮文庫)
    4.8
    1巻1,760円 (税込)
    高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。 ※当電子版は新潮文庫版『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』上下巻をまとめた合本版です。
  • 崖っぷちの老舗バレエ団に密着取材したらヤバかった
    4.0
    起死回生の一手はリアルで過激なドキュメンタリーYouTube! 「トウシューズを買うのも苦しい」週5バイトの新人バレリーナ、「コロナと戦争で解雇された」ロシアの元プロバレエ団員、動画に批判殺到で「生きた心地がしなかった」芸術監督。個性豊かなダンサーたちと若きディレクターが織りなす、涙と汗の青春ノンフィクション。
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】
    4.0
    インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小(タイスウ)」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ! 山口文憲氏との対談「出発の年齢」を収録。「あの旅をめぐるエッセイI 孤寒」が新たに追加された【増補新版】。※本電子書籍は、令和二年七月発行の新潮文庫(新版)を底本としています。
  • 夜のピクニック
    4.4
    1巻880円 (税込)
    高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
  • イノセント・デイズ(新潮文庫)
    4.3
    田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
  • 家守綺譚 上
    完結
    4.8
    全2巻1,815~1,870円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 時は明治時代、文筆家・綿貫征四郎は、亡友の家の「家守」として暮らすことになった。待っていたのは白木蓮や都わすれ、萩、サザンカなど植物に満ちた庭。そして、サルスベリに懸想されたり、河童の衣を拾ったり、化狸を助けたりといった不思議な出来事が次々と起こり……。梨木香歩の傑作小説を巨匠・近藤ようこが漫画化。上巻。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 満願(新潮文庫)
    4.0
    「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴(ざくろ)」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
  • 不毛地帯(一~五) 合本版
    5.0
    1巻5,500円 (税込)
    拷問、飢餓、強制労働――11年に及ぶ地獄のシベリア抑留から生還した壹岐正は、第2の人生を商社マンとして生きる事を決意する。「商戦」という新たな戦いに身を投じ、戦後日本の高度成長を陰に陽に担った男を活写する、記念碑的長編。 ※当電子版は『不毛地帯』(一)~(五)の全五巻をまとめた合本版です。
  • 読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
    4.4
    コーンフレークは性欲を抑えるために開発された? 「正常位」の名には人類史が宿っている? アリストテレス、ガンディー、フロイト、正岡子規、医学者、性科学者……先人たちの飽くなき探究と実験により得られた性科学的知見の数々。著者ならではの考察と多角的な視点から生まれた、下ネタの〈総合知〉と称すべき賢者の書。
  • 猿田彦の怨霊―小余綾俊輔の封印講義―(新潮文庫)
    3.5
    天孫降臨の先導役として大役を務めながらも、謎の死を遂げたという猿田彦神。以来、「記紀」から姿を消し、脇役として民間伝承のなかに現れる。道祖神、庚申待ち、括り猿――。神はなぜ神話から抹殺されたのか。なぜ「猿」なのか。民俗学者・小余綾俊輔の歴史推理は、古代史の闇に容赦なく切り込んでいく……。歴史の封印が解ける時、常識を覆す真実が現れる。驚愕の古代史推理ミステリー。(解説・北夏輝)
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)
    3.0
    もういいかげん、ギャツビーのことを知る潮時が来たようだ――。いつかは読みたい、けれどなんだか敷居が高い古典名作の数々。国も時代も文化も違うそれらの世界は、自分と同じような悩みや、新しい友達のような登場人物や、生きるうえで勇気が持てる姿勢に満ち満ちていた! 『灯台へ』『ペスト』『カラマーゾフの兄弟』など、全92作の魅力をふだん使いの言葉で綴る、軽やかで愉快な文学案内。(解説・辻山良雄)
  • 項羽と劉邦(上)
    4.2
    紀元前3世紀末、秦の始皇帝は中国史上初の統一帝国を創出し戦国時代に終止符をうった。しかし彼の死後、秦の統制力は弱まり、陳勝・呉広の一揆がおこると、天下は再び大乱の時代に入る。――これは、沛のごろつき上がりの劉邦が、楚の猛将・項羽と天下を争って、百敗しつつもついに楚を破り漢帝国を樹立するまでをとおし、天下を制する“人望”とは何かをきわめつくした物語である。
  • 儚い羊たちの祝宴
    4.3
    夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
  • 砂の器(上下)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻1,925円 (税込)
    東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。 映画でもドラマでも大ヒットした社会派ミステリー。 ※当電子版は新潮文庫版『砂の器』上下巻をまとめた合本版です。
  • 向日葵の咲かない夏
    3.6
    夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。
  • 受け手のいない祈り
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    感染症の拡大を背景に周囲の病院の救急態勢が崩壊する中、青年医師・公河が働く病院は「誰の命も見捨てない」を院是に患者を受け入れ続ける。長時間の連続勤務による極度の疲労で、死と狂気が常に隣り合わせの日々。我々の命だけは見捨てられるのか――芥川賞受賞の気鋭が医師としての経験を元に描いた、受賞後初の単行本。
  • 新源氏物語シリーズ(全5巻)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻4,521円 (税込)
    現代のヒーローとして甦った〈光る君〉。平安の宮廷で華麗に繰り広げられた光源氏の愛と葛藤の物語を、新鮮な感覚で〈現代〉のよみものとして描いた大ロマン長編――比類ない美貌と知性、そして高貴な身分を持つ源氏は、至福の愛を求めて、許されぬ恋、苦しい恋を重ねる……。 ※当電子版は新潮文庫版『新源氏物語』上中下巻および『新源氏物語 霧ふかき宇治の恋』上下巻をまとめた合本版です。
  • バカと無知―人間、この不都合な生きもの―(新潮新書)
    3.9
    正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だが、希望がないわけではない。一人でも多くの人が「人間の本性=バカと無知の壁」に気づき、自らの言動に多少の注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるのではないだろうか。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。
  • 4 3 2 1
    4.6
    1947年、ユダヤ系の家庭に生まれたアーチボルド・ファーガソンの、驚くべき仕掛けに満ちた成長物語。ドジャースLA移転、ケネディ暗殺、ベトナム反戦運動。50~70年代のアメリカを生きる若者の姿を、緻密で独創的な四重奏で描く。「この本を書くために一生待ち続けていたような気がする」というポール・オースターの、作家人生の総決算となる大長篇。
  • 何者
    3.9
    就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
  • 不毛地帯 第一巻
    4.5
    1~5巻1,045~1,155円 (税込)
    拷問、飢餓、強制労働――11年に及ぶ地獄のシベリア抑留から生還した壹岐正は、第2の人生を商社マンとして生きる事を決意する。「商戦」という新たな戦いに身を投じ、戦後日本の高度成長を陰に陽に担った男を活写する、記念碑的長編。

    試し読み

    フォロー
  • 墨のゆらめき
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。
  • 十字軍物語(一~四)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻3,223円 (税込)
    ローマ帝国が滅亡し、「暗黒」と呼ぶ者さえいる中世――。カトリック教会は、イエスが受難した聖地であるにもかかわらず、長くイスラム教徒の支配下にあるイェルサレムを奪還すべく、「十字軍」結成を提唱する。これに呼応した七人の諸侯たちは、それぞれの思惑を抱え、時に激しく対立しながら異国の地を進むのだが……。中世最大の事件、現代まで残響とどろく真相に迫る、歴史大作の開幕。 ※当電子版は新潮文庫版『十字軍物語』第一巻~第四巻の全四巻をまとめた合本版です。
  • 藍を継ぐ海
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。きらめく全五篇。
  • だから夜は明るい
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    結婚して、子供を儲けて、ささやかながら幸福な家庭を築く。おそらくそんな将来が待っていたはずの男、西澤祥太。僕の恋心は、祥太から“普通”の幸せを奪ってしまった。報われた恋も、消えかかった愛も、届かなかった想いも、みな切なく胸を焦がす。映画化で話題『君の顔では泣けない』著者が贈る、心震える恋愛群像劇。
  • ショートケーキは背中から
    4.2
    「きっと私は世界を理解したい。そのための手段が、食べものだったのだ。」実家すぎる店からいつかは訪れたい名店まで、人より貪欲に食べ、言葉を探し続けた20年。その末に見た〈食とは何か〉の(今のところの)結論がここにあり! 著者が自らに課した100本ノック=書き下ろし「ごはん100点ノート」を大収録。
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)
    4.0
    1巻693円 (税込)
    「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それはもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。(解説・千街晶之)
  • きみはポラリス(新潮文庫)
    3.8
    どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている――。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。(解説・中村うさぎ)
  • 電子書籍限定版 宮部みゆき よりすぐり短篇集
    4.0
    1巻1,078円 (税込)
    傑作は、いつ読んでも、何度読んでも素晴らしい――。収録作はあらゆるジャンルを網羅した「サボテンの花」「雪娘」「10年計画」「朽ちてゆくまで」「たった一人」「邪恋」「ばんば憑き」「片葉の芦」「神無月」「地下街の雨」「淋しい狩人」「刑事の財布」の計12篇。初心者は納得の、ファンには目から鱗な読みどころポイントを押さえた全作品解説付。
  • 真田太平記(一)天魔の夏
    4.2
    天正10年(1582年)3月、織田・徳川連合軍によって戦国随一の精強さを誇った武田軍団が滅ぼされ、宿将真田昌幸は上・信二州に孤立、試練の時を迎えたところからこの長い物語は始まる。武勇と知謀に長けた昌幸は、天下の帰趨を探るべく手飼いの真田忍びたちを四方に飛ばせ、新しい時代の主・織田信長にいったんは臣従するのだが、その夏、またも驚天動地の時代が待ちうけていた。全12冊。

    試し読み

    フォロー
  • 項羽と劉邦(上中下) 合本版
    4.4
    紀元前3世紀末、秦の始皇帝は中国史上初の統一帝国を創出し戦国時代に終止符をうった。しかし彼の死後、秦の統制力は弱まり、陳勝・呉広の一揆がおこると、天下は再び大乱の時代に入る。――これは、沛のごろつき上がりの劉邦が、楚の猛将・項羽と天下を争って、百敗しつつもついに楚を破り漢帝国を樹立するまでをとおし、天下を制する“人望”とは何かをきわめつくした物語である。 ※当電子版は『項羽と劉邦』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 43歳頂点論(新潮新書)
    NEW
    3.0
    植村直己、長谷川恒男、星野道夫――名だたる冒険家やクライマーが、なぜか同じ年齢で命を落とす。背後にあるのは、歳とともに落ちる体力と上がっていく経験値とのギャップ、すなわち「魔の領域」だ。二十代の頃、「体力の衰えは経験でカバーできる」と語る先達を「心中ひそかにバカにしていた」著者が、五十代を前に「その言葉は衰退の言い訳ではなく真理」だと思い至るまで、極地探検家ならではの圧倒的人間論!
  • 殺意はないけど(新潮文庫)
    3.0
    高校の仲良し女子4人組。10年後――阿季子はアイドルとして活躍したあと玉の輿に乗って主婦に、由記はタウン誌編集長に、はるなは地方局アナウンサーに、玲子はぬいぐるみ劇団の団員になっていた。そして阿季子の芸能界復帰が決まると差出人不明の「贈り物」が次々と送られてくる。穴だらけの写真、ガラス片……その先に待っていたのは!? 心の闇を描く傑作サスペンス。『微笑みがえし』改題。(解説・細谷正充)
  • 噂

    4.1
    「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。
  • トリツカレ男(新潮文庫)
    4.0
    ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミetc. そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りに恋をした。無口な少女の名は「ペチカ」。悲しみに凍りついた彼女の心を、ジュゼッペは、もてる技のすべてを使ってあたためようとするのだが……。まぶしくピュアなラブストーリー。
  • 苦役列車(新潮文庫)
    4.1
    劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。(解説・石原慎太郎)
  • 生きる言葉(新潮新書)
    4.3
    スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある。言葉の力が生きる力とも言える時代に、日本語の足腰をどう鍛えるか、大切なことは何か――恋愛、子育て、ドラマ、歌会、SNS、AIなど、様々なシーンでの言葉のつかい方を、歌人ならではの視点で、実体験をふまえて考察する。
  • 五葉のまつり
    4.3
    1巻2,530円 (税込)
    刀狩り、太閤検地、醍醐の花見など、豊臣秀吉が仕掛けた大事業を縁の下で支えたのは、尊敬と嫉妬のまなざしを浴びながら五奉行と呼ばれるようになった男たち。ぶつかることも多いが互いの才は認め、敵対勢力の横槍をはねのけ、力を合わせて難事に立ち向かう。『八本目の槍』に次ぐ、石田三成をめぐる歴史お仕事傑作巨篇!
  • 羆嵐
    4.4
    1巻693円 (税込)
    北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現! 日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。

    試し読み

    フォロー
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全3巻880~1,155円 (税込)
    「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
  • アーティスト伝説―レコーディングスタジオで出会った天才たち―
    4.5
    スターが歌う歌に価値があるのではない。良い歌を歌う人に価値がついていくのだ――。開花前夜の才能たちと真正面から向き合い、数々の名曲を世に送り出した伝説のプロデューサーが「新しい音楽」の立役者たちを愛情豊かに綴る。活字の向こうに狂気にも似た創作現場の興奮が立ち上り、天才たちの表情や声をも感じる奇跡のクロニクル。
  • 美人までの階段1000段あってもう潰れそうだけどこのシートマスクを信じてる
    3.9
    赴任先は「毛穴が存在しない未来」だった。光速進化のコスメ、肌を磨き上げる黄金ルーティン、世界一の美容整形ビジネス――たちまち美容沼にはまり、自分を“改善”していく著者。さらに医師や元アイドル、コスメブランド創業者へと取材を広げた先に辿り着いたのは――。体験と考察が融合した、ユニークな「美の帝国」滞在レポート。
  • 1Q84(BOOK1~3)合本版(新潮文庫)
    4.5
    1巻4,774円 (税込)
    1Q84年──私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれて、主人公・青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。 ※当電子版は新潮文庫版『1Q84』BOOK1~3の全6冊をまとめた合本版です。
  • 剣客商売一 剣客商売
    4.1
    勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ――剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のように逞しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る――田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞の好評シリーズ第1作。全7編収録。
  • 小泉八雲集(新潮文庫)
    NEW
    4.0
    日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)
    4.6
    人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。ぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。(解説・日野剛広)
  • ローマ亡き後の地中海世界(上下)合本版
    -
    1巻2,695円 (税込)
    476年、西ローマ帝国が滅び、地中海は群雄割拠の時代に入る。「右手に剣、左手にコーラン」と、拉致、略奪を繰り返すサラセン人の海賊たち。その蛮行にキリスト教国は震え上がる。拉致された人々を救出するための修道会や騎士団も生まれ、熾烈な攻防が展開される。『ローマ人の物語』の続編というべき歴史巨編の傑作。 ※当電子版は『ローマ亡き後の地中海世界』上下巻をまとめた合本版です。
  • 名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―
    4.2
    1巻2,255円 (税込)
    病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか? 圧巻の解決編一五〇ページ! 特殊設定、多重解決推理の最前線!
  • 皇后の碧
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    少女ナオミは、風の精霊を統べる皇帝から「私の寵姫の座を狙ってみないか?」と突然誘われる。皇帝の後宮には皇后と愛妾がおり、彼の胸には皇后の瞳の色に似ている緑の宝石を選び抜いた首飾り「皇后の碧」が常に輝いていた。訝りつつ己が選ばれた理由を探るうち、ナオミは後宮が大きな秘密を抱えていることに気づくが……。
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)
    3.8
    小学校一年生の時、結衣子(ゆいこ)の二歳上の姉・万佑子(まゆこ)が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微(かす)かな違和感を抱き続けている。――お姉ちゃん、あなたは本物なの? 辿り着いた真実に足元から頽(くずお)れる衝撃の姉妹ミステリー。(解説・宇田川拓也)
  • 巨匠とマルガリータ(新潮文庫)
    3.0
    ある春の晴れた日、モスクワに悪魔が現れた。黒魔術の教授を名乗る悪魔は、グラスでウオッカを飲む巨大黒ネコら手下を従え、首都に大混乱を巻き起こす。一方で文壇の権威に酷評され絶望に沈む巨匠。彼に全てを捧げるマルガリータは純愛を貫くべく悪魔の助けを借りる。スターリン独裁下の社会を痛烈に笑い飛ばし、人間の善と悪、愛と芸術を問いかける哲学的かつ挑戦的な世界的ベストセラー。
  • 異邦人(新潮文庫)
    3.9
    母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
  • ポートレイト・イン・ジャズ(新潮文庫)
    4.1
    和田誠が描くミュージシャンの肖像に、村上春樹がエッセイを添えたジャズ名鑑。ともに十代でジャズに出会い、数多くの名演奏を聴きこんできた二人が選びに選んだのは、マニアを唸らせ、入門者を暖かく迎えるよりすぐりのラインアップ。著者(村上)が所蔵するLPジャケットの貴重な写真も満載! 単行本二冊を収録し、あらたにボーナス・トラック三篇を加えた増補決定版。
  • 太平洋戦争日記(一)
    -
    真珠湾攻撃、文学者愛国大会、シンガポール陥落、「得能物語」出版、ガダルカナル戦、山本司令長官戦死、学徒戦時動員法――昭和を代表する文学者である伊藤整が、大学ノート18冊にわたって記した日記である。本書は著者の没後、昭和58年に刊行された。第一巻には、昭和16年12月1日から昭和18年6月30日までの日記が収められている。
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)
    4.1
    友達はいないといけないのか。家族はそんなに大事なのか。働かないと負け組なのか。話し下手はダメなのか。「ひきこもり」を専門とする精神科医と、「重度のうつ」をくぐり抜けた歴史学者が、心が楽になる人間関係とコミュニケーションのあり方を提案する。
  • ディノサンえほん きょうりゅうえんへいこう
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 恐竜たちが飼育されている「江の島ディノランド」にやってきた、仲良し姉弟のゆかりとそうま。そこにはおばあちゃんティラノや怒りんぼうのスピノなど、個性的な恐竜がたくさん。二人が園内を回っていると、いつの間にか「大恐竜時代」に迷い込んで……。学説に基づいた緻密な描写と豆知識満載の一冊を親子で楽しもう! ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • この人と結婚していいの?
    4.1
    男はウルトラマン、女はシンデレラ──結婚カウンセラーとして数多くのカップルの問題を解決してきた著者が、男女の思考・行動の違いを、ユーモラスにわかりやすく解説! 「結婚したら夫が急に無口に……」「突然怒ったり泣いたりする彼女が理解できない」「性生活が不一致で……」など、心当たりはありませんか? 結婚前は勿論、倦怠期、破局寸前の夫婦にも効き目抜群の“愛の処方箋”。

    試し読み

    フォロー
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)
    4.0
    1巻693円 (税込)
    「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍もの誤受注をしていた――。躍進中の子役とその祖母、凄惨な運命を作品に刻む画家、姉の逮捕に混乱する主婦、祖母の納骨のため寒村を訪れた青年。人の心に潜む闇を巧緻なミステリーに昇華させた5編。(解説・池上冬樹)
  • 博士の愛した数式
    4.4
    [ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。寺尾聰主演の映画原作。

    試し読み

    フォロー
  • 花神(上)
    4.2
    周防の村医から一転して討幕軍の総司令官となり、維新の渦中で非業の死をとげたわが国近代兵制の創始者大村益次郎の波瀾の生涯を描く長編。動乱への胎動をはじめた時世をよそに、緒方洪庵の適塾で蘭学の修養を積んでいた村田蔵六(のちの大村益次郎)は、時代の求めるままに蘭学の才能を買われ、宇和島藩から幕府、そして郷里の長州藩へととりたてられ、歴史の激流にのめりこんでゆく。
  • ゴールデンスランバー(新潮文庫)
    4.3
    衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。(解説・木村俊介)
  • ボッコちゃん
    4.2
    1巻781円 (税込)
    スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
  • 風が強く吹いている(新潮文庫)
    4.4
    箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。(解説・最相葉月)
  • 雷神(新潮文庫)
    3.8
    あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人(ゆきひと)を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見(ゆみ)から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上(はたがみ)村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし……。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。(解説・香山二三郎)
  • アラート
    4.4
    1巻2,200円 (税込)
    防衛費倍増の財源を巡って政権は揺れていた。予算折衝は激しさを増した。その最中、台湾の潜水艦と日本の漁船の衝突事故が。北京滞在中の都倉響子総務会長の決断は? トランプ、台湾有事――今そこにある「リアルな危機」から、この国の未来を守るのは誰か。安全保障を経済から問う圧倒的長編ポリティカル・フィクション!
  • 絡新婦の糸―警視庁サイバー犯罪対策課―
    3.6
    1巻1,870円 (税込)
    ネット界最恐の情報通〈市民調査室〉。芸能人の醜聞、政財界の不祥事など、様々な暴露ネタで、物議を醸していた。しかし、ネットの炎上が現実に飛び火して、人命に関わる事態に発展する。サイバー犯罪対策課の延藤は、執念深く捜査を進め、特定寸前まで追い詰めるのだが――明日は我が身、体中が粟立つSNSサスペンス!
  • 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
    4.7
    昭和29年、活動の場をプロレスに移した木村と、人気絶頂の力道山が激突し「昭和の巌流島」と呼ばれた一戦。視聴率100%。全国民注視の中、木村は一方的に潰され、双葉山と並ぶ国民的大スターの座から転落、表舞台から姿を消した。なぜ木村は簡単に敗れたのか? 日本スポーツ史上最大の謎とともに、その数奇な人生に迫る! ※単行本に掲載の写真・図版については当電子版には収録しておりません。

    試し読み

    フォロー
  • 石原家の人びと(新潮文庫)
    4.0
    作家・政治家の石原慎太郎を父に、昭和を代表する俳優・石原裕次郎を叔父に持った著者初の回想録。「飲め、さもなくばテーブルを去れ」。常に一家の中心で威張っている父。俳優業の大先輩でもあり、周囲から慕われつつ世を去った叔父。4人の個性的な兄弟と大家族を切り盛りした母典子。逸話と伝説に満ちた石原家の素顔を鮮やかに写し出す傑作エッセイ。父・慎太郎の散骨式を描く新原稿を追加。
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    4.4
    1~3巻1,045~1,155円 (税込)
    物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。放蕩無頼な情熱漢ドミートリイ、冷徹な知性人イワン、敬虔な修道者で物語の主人公であるアリョーシャ。そして、フョードルの私生児と噂されるスメルジャコフ。これらの人物の交錯が作り出す愛憎の地獄図絵の中に、神と人間という根本問題を据え置いた世界文学屈指の名作。
  • 橘の家
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    庭のその木は、人の生殖に力を与えるという。人類の業を抉る三島賞受賞作。幼い頃に2階から落ちたが庭の橘の木のおかげで助かったことがある恵実。以来、木の力を恵実が媒介するという噂が流れ、子どもを望む人々が大勢家を訪れるようになった。自分にすがる彼らの気持ちに戸惑いながらも役割を果たす恵実だったが、そのことが自身や家族に暗い影を落とし――子孫繁栄という常識を揺さぶる問題作。
  • 雲霧仁左衛門(前)
    4.0
    神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。

    試し読み

    フォロー
  • 怪談小説という名の小説怪談(新潮文庫)
    3.9
    “小説”ならではの企みに満ちた“怪談”全7編。深夜、疾走する車内を戦慄させた「高速怪談」、呪われた大ヒットホラー映画「苦々陀の仮面」、禁忌を犯してしまった夫婦と「こうとげい」、正体不明の殺戮犯「うらみせんせい」、作者不明の恐怖譚「涸れ井戸の声」他。謎めいた語りが恐怖と驚愕を生み、奇妙で不穏な空気と意外な結末に嫌な汗が滲みだす。著者真髄の大どんでん返し恐怖短編集!(解説・大森望)
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)
    4.1
    音楽にとりつかれた祖父と、素数にとりつかれた父、とびぬけて大きなからだをもつぼくとの慎ましい三人暮らし。ある真夏の夜、ひとりぼっちで目覚めたぼくは、とん、たたん、とん、という不思議な音を聞く。麦ふみクーツェの、足音だった。――音楽家をめざす少年の身にふりかかる人生のでたらめな悲喜劇。悲しみのなか鳴り響く、圧倒的祝福の音楽。坪田譲治文学賞受賞の傑作長篇。(解説・栗田有起)
  • いいひと、辞めました
    3.6
    1巻1,760円 (税込)
    四十路の独身男、平田は自他ともに認める「いいひと」。だが、モテない。結婚はおろか恋人すらできない。「いいひとなんだけどね……」って、もういい! こうなったらとことんサイテーになってやる! 立派な「サイテー男」になるべく向かった場所とは――ふかわりょうが描く、痛快! 人生180度逆転劇!
  • 大使とその妻 上
    完結
    4.5
    全2巻2,200円 (税込)
    2020年、翻訳者のケヴィンは軽井沢の小さな山荘から、人けのない隣家を見やっていた。親しい隣人だった元外交官夫妻は、前年から姿を消したままだった。能を舞い、嫋やかに着物を着こなす夫人・貴子。ケヴィンはその数奇な半生を、日本語で書き残そうと決意する。失われた「日本」への切ない思慕が溢れる新作長篇。上巻。
  • たぶん私たち一生最強
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    宇垣美里、酒寄希望(ぼる塾)、スケザネ、武田砂鉄、ヒャダイン、三宅香帆、宮島未奈、柚木麻子、吉川トリコ、吉田大助が惜しみなく絶賛、書店員からも称賛の声多数の話題作! 全員揃えばいつだってバイブス最高の女四人が泣きたい夜にひらめいた「一生最強」の人生とは!? 圧倒的センスで紡がれる、自由と決断の物語。
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    3.9
    中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
  • 眠れる美女(新潮文庫)
    4.0
    「女の子を起こそうとなさらないで下さいませよ。どんなに起こそうとなさっても、決して目をさましませんから……」老いを感じ始めた六十七歳の江口が通された部屋には、深紅のビロードのカーテンがかかり、布団の中では、若く美しい娘が裸のまま眠っていた。江口が娘に触れ、布団に入ろうとすると――。「片腕」「散りぬるを」を併録。(解説・浅田次郎)※三島由紀夫による解説は収録しておりません。
  • ぎょらん(新潮文庫)
    4.4
    人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。(解説・壇蜜)
  • 狐笛のかなた
    4.5
    小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火だった。隣り合う二つの国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年・小春丸をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる……愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もない。※新潮文庫に掲載の〈「児童文学」という魔法 宮部みゆき〉は、電子版には収録しておりません。

最近チェックした作品からのおすすめ

無料で読める小説・文芸

一覧 >>