無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
深い恐怖と興味の入り混じった作品でした。
特徴的なホラー要素が詰まった物語に、一瞬で異様な世界へと引き込まれます。
登場する街は全て、その描写からして非常に不気味で異様な雰囲気を漂わせています。廃墟となった建物や奇妙な住民たちの描写を通じて、常に一貫した不安感を与えられました。特に、町の住民が人間ではない何かに変わりつつあるという事実が明らかになる場面が恐怖の頂点です。
また、文体と想像力にも魅力を感じます。
非常に細かい情景描写に、まるでその場にいるかのような感覚を味わえました。クトゥルフ神話の一端が垣間見え、インスマスの秘密が明らかになるにつれて、未知の恐怖に対する好奇心が止まらなくなります。
全体を通して、単なるホラー小説以上に人間の深層心理に潜む恐怖や未知への不安を描いた作品と感じました。その異様な雰囲気とインスマスという町の存在は未だに心に残っています。
Posted by ブクログ
初出1920-1936年のラヴクラフト短編小説を集めたもの。昨年読んだ『狂気の山脈にて』と同じく新潮文庫版「クトゥルー神話傑作選」。
ラヴクラフトの文章はどこか変で、つながりが悪く、明らかにおかしな箇所もあったがそれは原文のせいか翻訳のせいか分からない。いずれにせよ悪文に属する文体だろう。読みにくいし、エンタメ系小説ではこんにちのものならことさらそうであるように、登場人物たち相互の会話で話がどんどん進んでいくのが定石なのに、ラヴクラフトにおいては、人物同士の会話が極度に少ないか、あるいは皆無である。その分、叙事的な文体なのだと受け止められる。
悪文にもかかわらず、本書中の作品には、「ホラー」のプロトタイプと呼びうるような、非常に優れたものが感じられた。
特に「異次元の色彩」(1927)、「ダンウィッチの怪」(1929)はホラーの範とすべき傑作と思う。「クトゥルーの呼び声」(1928)と「インスマンスの影」(1936)は後半部分がやはりホラーとして傑出していた。
いったいに、クトゥルー神話という「体系」には私は全く興味が無いので、単にホラー小説としてどうか、と言う点に着目している。上述の作品は、最近のマンネリすぎる欧米ホラー映画なんぞより数段上にある。
物語の「先」の方に、忌むべき全容=「不在のシーニュ」が控えていることを、語り手主体は予感している。それはおぞましく不快極まりないものと思われるので、当然拒絶したいところだが、その一方で、何となくそんなカタストロフを待望する欲動も密かに底流している。
おぞましさに向けて、奇異な事象が次々と現れてくる時、観察者主体の情動の「ストッパー」が漸次的に外れてゆく。この情動のストッパーということを、私は読みながら考えていた。
おおむね怪奇・ホラー小説は最初から暗澹としていて、音楽で言えばマイナー・キーのロマン派音楽の様相を呈している。が、無意識のバランスを取っているべき情動のストッパーが、恐怖の対象であるような事象の積み重ねによって解除され、怒濤のような情動の嵐が現出してくる。ここまで来ると、ロマン派音楽の枠を超えて「表現主義音楽」に至る。ホラー小説とは、表現主義音楽への到達を目指す情動的記号論理の組成体である。
文字通り血みどろのショッキングな映像を重ねてゆく近年のスプラッター系ホラー映画では、生理的な不快さを突き詰めてゆく表現主義-情動論理であろう。いっぽうラヴクラフト作品のような古典的小説においては、「おぞましいもの」と主体が規定した「不在のシーニュ」を目指して、想像上の恐怖・不安のストッパーが外されてゆくのだが、それは語り手主体が不快と定義しているだけであって、読者にとってただちに生理的に不快であるわけではない。直接的な生理的反応ではなく、あくまでも想像上・意味論上の記号が追求されていくわけだから、これは記号論的な世界構築に属している。ホラー文学は、記号論的に理解しうるはずなのだ。
ただし、凡庸でつまらないホラー小説では、この記号論組成がうまくいかず、どんな小説にも増してくだらない、無残な結果に終わってしまう。この場合は、表現主義音楽が聞こえてこないのである。
ラヴクラフトは悪文にもかかわらず、ホラー小説として理想的な達成をしばしば成し遂げている。三十数年前に創元推理文庫で3冊のラヴクラフトを読んだ時、読みにくさでつかえてしまい私はその良さに気づくことができなかった。現在の私は、ラヴクラフトをこのように把握することが可能になったようだ。
Posted by ブクログ
2021年の新潮文庫の100冊。3年半積んでた。
様々なゲームやアニメの下地となっているクトゥルー神話。その原点をまとめた短編集。7篇収録。→
表題作「インスマスの影」が一番好き。ホラー×サスペンス。ハラハラした後のラストにはゾクリとする。上手すぎる〜!!
「異次元の色彩」もいい。寓話感がたまらん。
「ダンウィッチの怪」や「暗闇の出没者」は怖さが半端ない。ホラー感がすごい。
途中、あまりの不気味さに一旦読むのを→
やめようかなぁ、と思ったんだけど、最後まで読んだらまだまだ続きが読みたくなった。なにこの中毒性の高い世界観(笑)
とりあえず新潮文庫から出てるラヴクラフトは次の100選になってたら買おうかな。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸