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ラヴクラフトは不遇のままその生涯を閉じた。だが、彼の創造したクトゥルー神話は没後高く評価され、時代を越えて世界の読者を虜にしている――。頽廃した港町インスマスを訪れた私は、魚類を思わせる人々の容貌の恐るべき秘密を知る(表題作)。漂流船で唯一生き残った男が握りしめていた奇怪な石像とは(「クトゥルーの呼び声」)。英文学者にして小説家、南條竹則が選び抜いた、七篇の傑作小説。
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Posted by ブクログ
深い恐怖と興味の入り混じった作品でした。 特徴的なホラー要素が詰まった物語に、一瞬で異様な世界へと引き込まれます。 登場する街は全て、その描写からして非常に不気味で異様な雰囲気を漂わせています。廃墟となった建物や奇妙な住民たちの描写を通じて、常に一貫した不安感を与えられました。特に、町の住民が人間...続きを読むではない何かに変わりつつあるという事実が明らかになる場面が恐怖の頂点です。 また、文体と想像力にも魅力を感じます。 非常に細かい情景描写に、まるでその場にいるかのような感覚を味わえました。クトゥルフ神話の一端が垣間見え、インスマスの秘密が明らかになるにつれて、未知の恐怖に対する好奇心が止まらなくなります。 全体を通して、単なるホラー小説以上に人間の深層心理に潜む恐怖や未知への不安を描いた作品と感じました。その異様な雰囲気とインスマスという町の存在は未だに心に残っています。
ラブクラフトは初体験だが、翻訳ものの小説でここまで一気に読めたのは久しぶりという気がする。何かが起こりそうな予感が濃密な書きぶりに惚れ惚れする。
クトゥルーやラブクラフトの名前は知ってるけど、よく知らないという状態で挑戦。 これは面白い! 化物じみた「名状しがたい」あれやこれやが出てくるのも面白いが、その前のじわじわじわじわやってくる心理的恐怖、雰囲気や舞台設定がたまらなくいい…! 怖いけど、気になる。でも見てしまうと、アワワワワ…。 日本...続きを読むの湿度満点なジャパニーズホラーに通じるところがあるのかも? 何度か他の本で読んでいますが、南條先生の訳も変わらず読みやすくていいですね。
初出1920-1936年のラヴクラフト短編小説を集めたもの。昨年読んだ『狂気の山脈にて』と同じく新潮文庫版「クトゥルー神話傑作選」。 ラヴクラフトの文章はどこか変で、つながりが悪く、明らかにおかしな箇所もあったがそれは原文のせいか翻訳のせいか分からない。いずれにせよ悪文に属する文体だろう。読みに...続きを読むくいし、エンタメ系小説ではこんにちのものならことさらそうであるように、登場人物たち相互の会話で話がどんどん進んでいくのが定石なのに、ラヴクラフトにおいては、人物同士の会話が極度に少ないか、あるいは皆無である。その分、叙事的な文体なのだと受け止められる。 悪文にもかかわらず、本書中の作品には、「ホラー」のプロトタイプと呼びうるような、非常に優れたものが感じられた。 特に「異次元の色彩」(1927)、「ダンウィッチの怪」(1929)はホラーの範とすべき傑作と思う。「クトゥルーの呼び声」(1928)と「インスマンスの影」(1936)は後半部分がやはりホラーとして傑出していた。 いったいに、クトゥルー神話という「体系」には私は全く興味が無いので、単にホラー小説としてどうか、と言う点に着目している。上述の作品は、最近のマンネリすぎる欧米ホラー映画なんぞより数段上にある。 物語の「先」の方に、忌むべき全容=「不在のシーニュ」が控えていることを、語り手主体は予感している。それはおぞましく不快極まりないものと思われるので、当然拒絶したいところだが、その一方で、何となくそんなカタストロフを待望する欲動も密かに底流している。 おぞましさに向けて、奇異な事象が次々と現れてくる時、観察者主体の情動の「ストッパー」が漸次的に外れてゆく。この情動のストッパーということを、私は読みながら考えていた。 おおむね怪奇・ホラー小説は最初から暗澹としていて、音楽で言えばマイナー・キーのロマン派音楽の様相を呈している。が、無意識のバランスを取っているべき情動のストッパーが、恐怖の対象であるような事象の積み重ねによって解除され、怒濤のような情動の嵐が現出してくる。ここまで来ると、ロマン派音楽の枠を超えて「表現主義音楽」に至る。ホラー小説とは、表現主義音楽への到達を目指す情動的記号論理の組成体である。 文字通り血みどろのショッキングな映像を重ねてゆく近年のスプラッター系ホラー映画では、生理的な不快さを突き詰めてゆく表現主義-情動論理であろう。いっぽうラヴクラフト作品のような古典的小説においては、「おぞましいもの」と主体が規定した「不在のシーニュ」を目指して、想像上の恐怖・不安のストッパーが外されてゆくのだが、それは語り手主体が不快と定義しているだけであって、読者にとってただちに生理的に不快であるわけではない。直接的な生理的反応ではなく、あくまでも想像上・意味論上の記号が追求されていくわけだから、これは記号論的な世界構築に属している。ホラー文学は、記号論的に理解しうるはずなのだ。 ただし、凡庸でつまらないホラー小説では、この記号論組成がうまくいかず、どんな小説にも増してくだらない、無残な結果に終わってしまう。この場合は、表現主義音楽が聞こえてこないのである。 ラヴクラフトは悪文にもかかわらず、ホラー小説として理想的な達成をしばしば成し遂げている。三十数年前に創元推理文庫で3冊のラヴクラフトを読んだ時、読みにくさでつかえてしまい私はその良さに気づくことができなかった。現在の私は、ラヴクラフトをこのように把握することが可能になったようだ。
掘り出し物。 ラブクラフトは読んでみたかった作家だった。 すべてクトゥルーに関する恐怖小説。 怖い、すごい、忘れられない。 この本を読む時は、グーグルで航空地図を見ながら読むことを進める。 特に「インスマスの影」はマサチューセッツの地図でグロテスクな海岸沿いを見ながら読むと恐怖が倍増する。
2021年の新潮文庫の100冊。3年半積んでた。 様々なゲームやアニメの下地となっているクトゥルー神話。その原点をまとめた短編集。7篇収録。→ 表題作「インスマスの影」が一番好き。ホラー×サスペンス。ハラハラした後のラストにはゾクリとする。上手すぎる〜!! 「異次元の色彩」もいい。寓話感がたまらん...続きを読む。 「ダンウィッチの怪」や「暗闇の出没者」は怖さが半端ない。ホラー感がすごい。 途中、あまりの不気味さに一旦読むのを→ やめようかなぁ、と思ったんだけど、最後まで読んだらまだまだ続きが読みたくなった。なにこの中毒性の高い世界観(笑) とりあえず新潮文庫から出てるラヴクラフトは次の100選になってたら買おうかな。
クトゥルフ神話の中でも ネームバリューの高い「クトゥルフ」や「ニャルラトホテプ」が出てくる作品、他にも有名な作品が8作収録されている 異形の描写が読んでるだけで怖気立つほど精細で鬼魅の悪さが引き立たされる クトゥルフデビューとしておすすめ シリーズの最初だからか、「ダンウィッチの怪」や表題作の「イ...続きを読むンスマスの影」とかやたら有名なやつを収録しててクトゥルフ神話に手を出したい人を惹き付けようとする努力が見えた気がした
大半の作品が創元推理文庫版の全集いらい数十年ぶりの再読だったが、内容をほぼ(覚悟していたもののそれ以上に)憶えていなかったことに驚く。特に「インスマスの影」こんな逃走アクション場面あったっけ⁈ 私、TVドラマ版とだいぶ混同してたかも。
ラヴクラフトの傑作ばかりを集めた贅沢な1冊。しかも新訳なので、再読勢も楽しめます。 収録作は、異次元の色彩、ダンウィッチの怪、クトゥルーの呼び声、ニャルラトホテプ、闇にささやくもの、暗闇の出没者、インスマスの影、の7篇。ね、どれも傑作揃い。 一通り読んでみて「やはり何度読んでもインスマスの影は名作だ...続きを読む……」と再認識しました。 巻末の解説も丁寧で、他社のラヴクラフト関係の全集などについても触れていますので、とりあえずなにかクトゥルー神話を読んでみたい、全集は冊数が多すぎてちょっと…という入門者にもオススメできる1冊です。
宇宙的恐怖(コズミックホラー)の始祖 売れ出したのは死後らしいですが、 他の作家たちが、話を広げていったエピソードが、ファンが2次創作で広がっていったスターウォーズの流れにも似てます。 そんな、作家の入門編 表現しづらい見えない怪物(蟹、鳥、烏賊蛸、菌、山のキメラっぽいやつなど様々)、怪奇現象に気...続きを読むづいてしまった、巻き込まれてしまった人々の恐怖を様々なパターンで描きます。 暗躍する怪物の名から「クトゥルフ神話」と呼ばれているシリーズ キングやクーンツなどのモダンホラー(古!)を読んでる私としては、どの話も真面目に「ボブは自分の体が、首の無い状態で倒れかかってくるのを見る羽目になった。何故なら、首から上は地面に転げ落ちて自分の体を見上げていたからだ…」みたいなふざげた描写は皆無 で、ビシビシ恐怖が描かれていく感じが新鮮でした。そしてやや退屈でもある。 何篇かありますが「ダンウィッチの怪」なんか、これを映像化するとやはりどうしても恐怖感よりB級ホラー感が強くなるんだろうな…という印象 よくある映画の流れなんだけど面白かったです。 上記のはラヴクラフト作品としては珍しいほうで…基本的にX-ファイルの様に、うやむやか最悪の結末で終わる話が多かった, 恐怖から生き延びれない限りは語ることもできず物語にもならない。形に残って語り継がれることがない。 または語ったとしても狂人の扱いを受けて消えてしまう。 なので、本当は記録には残らないもっと多くの犠牲者が歴史上に悍ましい量いたのではないか?などど妄想してしまう。おすすめ。 たぶんこのラヴクラフトの築いた 真面目なコズミックホラーに、どんどん下品な要素を足してエンタメにしてったのが今のホラーモノなんだろうなぁ…それにしても哲学的な言い回しや、難しい表現も多く、真面目に話してんだけど度が過ぎてて「狂ってる?」って聞きたくなるくらい。 追記:脳が何者かに支配されているのか読書中、無意識に昼食に「げそ天そば」を頼んでしまい 神話に出てくる怪物達が頭をよぎり なんか後悔…
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