君塚直隆の一覧
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ユーザーレビュー
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エリザベス2世の治世に関わってきた各国の首相や側近の言葉からは、彼女が聡明でいかに国際社会で重要な役割を果たしていたかがわかる。形式的なコモンウェルスの紐帯なのではなく、コモンウェルスが「家族」であることを再認識したうえで、国家関係の緊張ですら解いてしまう。彼女の人柄の良さや君主としての尊厳がイギリ
...続きを読むスをも超えて保たれているのはそういった彼女の賢明さがあるからだと思う。普通の人には到底できない立ち回りであるし、今後ロイヤルの中でエリザベス2世を超える治世を作ることも難しい気がする。
Posted by ブクログ
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先日、96歳の生涯を閉じたエリザベス2世の評伝。本書を読むと25歳で王位を継いでから70年以上にわたって連合王国と英連邦王国の君主として君臨した彼女の生涯がお飾りとしてのそれではなく、まさに現実政治に大きく関係するまさに波瀾万丈のものであったことがよくわかる。
歴代の首相との関係、なかでも鉄の女サ
...続きを読むッチャーとの関係は興味深かったが、コモンウェルスとの関係は知らなかったことが多く、勉強になった。日本の皇室との関係も随所に触れられており、エリザベス女王から見た日本の皇室という視点は新鮮であった。
しかし、本当のところエリザベス女王が何を考えどう行動したのかを知るには、現在は非公開の資料に基づいて跡づけられる必要があり、その辺が同時代史の難しさでもある。
Posted by ブクログ
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女王のことをリリベットと書き、即位した瞬間から女王に変える、変えるというか当然にそうなる。君塚先生の女王愛に打たれた。女王陛下、王たるものの在り方に感動した。
Posted by ブクログ
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ヨーロッパ近代、すなわちルネサンスから第一次世界大戦までのヨーロッパの歴史を扱う。各章で、一人の偉人に焦点を当て、彼らの生涯を追いながら同時代のヨーロッパを振り返る、という構成。ある章から次の章へのバトンタッチがなんとも形容しがたいほど美しい。偉人の生涯に重点が置かれていることから、ページ数の割に政
...続きを読む治史や外交史のウェイトは軽め。同著者による『近代ヨーロッパ国際政治史』で補いたい。
Posted by ブクログ
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著名人の多い英国史の中から七人の悪党を選んだオムニバスストーリー。
悪党とはワルではなく、出身階級に関わらず主流派ではなくアウトサイダーだった人達を指す。アウトサイダーだけに、毀誉褒貶が激しい人々で、ヘンリー八世、クロムウェル、ウィリアム3世、ジョージ3世、パーマストン、ロイド・ジョージ、チャーチ
...続きを読むルが本書の対象。
筆者は、それぞれの悪党についての毀誉褒貶を冒頭に掲げ、その人物の生い立ちや活躍を著述し、最後に些細な悪事はあっても大英帝国の歴史に大きく貢献した事績を簡潔にまとめて章を終える。ロイド・ジョージとチャーチルのように章と章の間の繋ぎもよく、オムニバスなるも完全独立ではなく連続性がある。
それぞれの悪党の事績は、以下の通り。
【ヘンリー八世】
× 処刑癖、浪費癖、多数の妻
◯ バチカンからの独立、教会の摂取による財政健全化と宗教影響力の排除、アイルランド・ウェールズへの帝国拡大、議会との協調
【クロムウェル】
× 王殺し、護国卿としての強権統治
◯ アイルランドの合邦、スコットランドへの征服、プロテスタント外交による新世界でのスペイン領確保(世界戦略を持ったイギリス史上最初の政府byクリストファー・ヒル)
【ウィリアム3世】
× 外国人王(オランダ人)、関心は大陸、淡白で人を信頼しない性格(一般受けしない)
◯ 勢力均衡論によるルイ14世の封じ込め、議会政治の制度化(立憲君主制度化)、イングランド銀行の創設と国債による戦費調達システムの完成
【ジョージ3世】
× アメリカにおける圧政者、議会政治の軽視、外交的孤立によるアメリカ喪失、発狂
◯ ハノーバー王家として初の愛国者、発狂による摂政制度の下での立憲制の発展
【パーマストン】
× ポピュリスト?、極悪非道の砲艦外交、王権軽視
◯ 会議外交による平和の慣行の確立(ヨーロッパ協調)、1848年の革命の封じ込め、イギリスには永遠の同盟国もなければ、永遠の敵大国もない。イギリスの利益こそが永遠であって、不滅なのだ(1848.3.1)、英帝国のアジアにおける拡大、奴隷貿易廃止、世論の有効活用
【ロイド・ジョージ】
× 王権軽視、無知で無責任で中身がない(ケインズ)、栄典売買、アイルランド問題の処理
◯ 人民の王者(労働問題、福祉、富裕層への増税、貴族院の権限縮小)、メディアを使った世論操作、第一次大戦の指導者として総力戦体制を維持、英国初の挙国一致内閣
【チャーチル】
× 傲慢、貴族主義、向こうみず、人種差別的、政党を行き来した節操なし、ガリポリ作戦失敗、首相前はこれといった功績なし
◯ 30年代における英海空軍の強化によるバトルオブブリテンへの貢献、英国を奮い立たせた(ハリファックスなら独の軍門に降っていたか?)
Posted by ブクログ
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