あらすじ
ファラオ、女王、天皇らが統治する「君主制」。この世界最古の政治制度がわかると、世界史がもっとおもしろくなる!君主の誕生から革命を経て、現代までを一望する、かつてない君主たちの5000年史。 【目次】はじめに 「王様は何でえらいの?」/第1章 王の誕生――太古から古代へ/第2章 理想の王とは――古代から中世へ/第3章 絶対君主制への道――中世から近世へ/第4章 市民革命の時代――一七世紀から二〇世紀へ/第5章 二一世紀の君主制
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Posted by ブクログ
君主制にフォーカスして歴史を読みとくと、歴史の流れが腑に落ちる。
君主制と共和制の違いは全然理解していなかったが、とても読みやすく理解することができた。
エリザベス女王は広報の大事さを痛感しTwitter、YouTube、インスタグラム、ホームページを充実させ国民に伝えるようにした。最近、日本でも宮内庁がインスタを始めたが、そこでも立憲君主制同様、イギリス式を見習っているだろうと予測できる。
Posted by ブクログ
君主制という切り口から世界史を見るという視点が面白かった。
高校の世界史では「点」を学習するから、既習者はこれを読むとその「点」が「線」になって、歴史の解像度が上がるんじゃないのかなと。
逆に未習でも歴史の大まかな流れをこれで追えるから、おすすめ。
Posted by ブクログ
君主制の解説というより、世界の王朝史概略、といった内容。世界に君主制が生まれる、少しずつ変化する、革命で殆どが姿を消す、の流れをざっくり追っていく。日本の君主制についての解説はほぼない。後半、エリザベス女王の記述は、著者の熱の入り用に少し慄いてしまう程だった。中学生が、世界史を習う前の予習として、2,3回通して読んでおく本、といった印象。
Posted by ブクログ
君主制を切り口にすると、世界史が理解しやすいことに気付いた。著者の文体が読みやすいということもあるのかもしれない。
日本はこの先どうするのか、どうあってほしいのか、みんなで考えていかなければならない。
Posted by ブクログ
人類の歴史が始まった頃から登場してきた君主たちの役割は、自身の民たちを外部の攻撃から守り、自身が支配する領域内で民に豊穣と平安を保証し、民にとっての社会正義の擁護者と振る舞うことだったが、近年になって君主制から共和制への移行が目立ってきた.本書では数多くの君主が登場してくるが、記憶にあるものがほとんだった.ただ、ヨーロッパでは立憲君主制が今も存在している.イギリスがその例だ.日本もそうである.しかし、ヨーロッパでは絶対的長子相続制を採用しており、ベルギー、オランダ、ノルウェー、スペインでは女王陛下の誕生が決まっている.日本はどうなるかな?
Posted by ブクログ
王などが統治する「君主制」に焦点を当て、このシステムが人類の歴史の中でどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのかを明らかにする。約5000年前にエジプトなどの古代文明の中から王が誕生してから、哲学や宗教を通して君主制が各地域で正統化されていき、絶対君主制を経て各地で革命が起こり君主制が次々と姿を消していく中で、21世紀の現代にも存続する君主制はどのように生き残っているのかについてまでをたどる。
君主制という観点から世界史を振り返るような内容で、知的な面白さがあった。また、中高生向けの新書ということもありとてもわかりやすかった。
肯定的に考えたいという立場から、天皇をはじめとする現代における立憲君主の意義・役割をどう考えるかは従来から自分の関心事であったのだが、本書では、主にイギリスを例として取り上げつつ、国家や国民に継続性と安定性を与えるという役割、政府を補完する形での社会的弱者に対する救済などについて触れられるとともに、現代の立憲君主制は国民からの支持が基盤となっており、時代の変化に応じて変えるべきところは変えていっていることが指摘されており、自分の考えを深めることができた。