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Posted by ブクログ
人類の歴史が始まった頃から登場してきた君主たちの役割は、自身の民たちを外部の攻撃から守り、自身が支配する領域内で民に豊穣と平安を保証し、民にとっての社会正義の擁護者と振る舞うことだったが、近年になって君主制から共和制への移行が目立ってきた.本書では数多くの君主が登場してくるが、記憶にあるものがほとんだった.ただ、ヨーロッパでは立憲君主制が今も存在している.イギリスがその例だ.日本もそうである.しかし、ヨーロッパでは絶対的長子相続制を採用しており、ベルギー、オランダ、ノルウェー、スペインでは女王陛下の誕生が決まっている.日本はどうなるかな?
Posted by ブクログ
王などが統治する「君主制」に焦点を当て、このシステムが人類の歴史の中でどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのかを明らかにする。約5000年前にエジプトなどの古代文明の中から王が誕生してから、哲学や宗教を通して君主制が各地域で正統化されていき、絶対君主制を経て各地で革命が起こり君主制が次々と姿を消していく中で、21世紀の現代にも存続する君主制はどのように生き残っているのかについてまでをたどる。
君主制という観点から世界史を振り返るような内容で、知的な面白さがあった。また、中高生向けの新書ということもありとてもわかりやすかった。
肯定的に考えたいという立場から、天皇をはじめとする現代における立憲君主の意義・役割をどう考えるかは従来から自分の関心事であったのだが、本書では、主にイギリスを例として取り上げつつ、国家や国民に継続性と安定性を与えるという役割、政府を補完する形での社会的弱者に対する救済などについて触れられるとともに、現代の立憲君主制は国民からの支持が基盤となっており、時代の変化に応じて変えるべきところは変えていっていることが指摘されており、自分の考えを深めることができた。
Posted by ブクログ
『君主制とはなんだろうか』を読みながら感じたのは、君主制とは単なる「王様のいる政治」ではなく、人類がどのように秩序を作り、維持しようとしてきたかの歴史そのものだということだった。
序盤では、王はただ贅沢をする存在ではなく、外敵から共同体を守り、豊穣を祈り、法によって争いを裁くなど、共同体の生存を支える役割を担っていたことが印象的だった。雨乞いや暦の管理などを見ると、自然・時間・価値が王に集約されていた時代だったのだと感じる。一方で、徳のある君主による統治という理想は東西で共通していたが、実際にはそれを長く維持するのは難しい。マキャヴェリが人間を信用せず制度を重視したのも理解できたし、雍正帝のような有能な皇帝でも収賄を防ぎきれない点に、人間社会の限界を感じた。
また、アレクサンドロス大王に捕まった海賊の「小舟でやれば盗賊、大艦隊なら皇帝」という言葉は非常に印象に残った。正義は立場によって変わり、力を持つ者が正義を名乗りやすいという構造は現代にも通じると思う。
後半では、フランス革命や主君押込など、既存の統治が限界を迎えたときの変化が描かれていた。革命は一度で完成するのではなく、失敗と混乱を繰り返しながらも「人民の意思を無視できない」という地点まで社会を進めていく過程なのだと感じた。民主主義と君主制の共存についても、理論上は整理できても、「平等」と「世襲」が同居していることへの違和感は残る。ただ、それでも制度を完全に壊さず、文化や歴史との折り合いをつけながら運営している点に、人類の政治の現実的な知恵を感じた。
全体を通じて、「理想的な統治者」を求め続けた歴史から、「人間は完全ではない」という前提で制度を作ろうとする歴史への流れがよく分かる一冊だった。
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