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自らに残された時間を悟り、教授は語り始めた。創作や社会運動を支える哲学、国境を越えた多彩な活動、坂本家の歴史と家族に対する想い、ガンと共に生きること、そして自分が去ったあとの世界について――。『音楽は自由にする』を継ぐ、決定的自伝第二弾。坂本氏の最期の日々を綴った、鈴木正文氏による書き下ろし原稿を収録。
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Posted by ブクログ
関わっていらした活動や 交友関係 仕事に対する姿勢や とんがっていたところなど たくさんの坂本さんを知ることができました 死を間近に意識してからの生活は きっととても濃密なものであったに違いない 人は自分の死を予知できず 人生を尽きぬ泉だと思う だがすべての物事は数回 起こるか起こらないか 自分...続きを読むの人生を左右したと思えるほど 大切な子供の頃の思い出も あと何回 心に浮かべるか 4〜5回 思い出すのがせいぜいだ あと何回 満月をながめるか せいぜい20回 だが人は 無限の機会があると思う (9ページ)
坂本龍一の人柄がすごく分かる本だった。とっても素直すぎてびっくりすることもあった。私はasync が好きだから、その制作過程が知りたくて手に取った。坂本龍一の音楽バカな所がすごく分かり、私も音楽の教養をしっかり付けたいと思った。坂本龍一のピアノを弾けるようになりたいな。
自分がいつ死ぬか知らないから、わたしたちは人生を、尽きせぬ泉であると思ってしまう。しかし、物事は無限回起きるわけではない。ごくわずかな回数しか起きないのが実際だ。子供のころのある午後をあと何回、思い起こすであろうか?それがなければ自分の人生がどうなっていたかわからないほどふかいところで、いまある自分...続きを読むの一部になっているそんな午後であってさえ、たぶん、あと4回か5回だろう。いや、もっと少ないかもしれない。満月がのぼるのを見ることは、あと何回あるだろうか?たぶん、20回か。そして、それなのに、無限回あるかのように思っている。 …坂本さんが音楽を担当した1990年の映画『シェルタリング・スカイ』(ベルナルド・ベルトルッチ監督)の最後に登場した原作者のポール・ボウルズが、モロッコの場末のカフェにまよいこんだ主人公のキットを演じたデブラ・ウィンガーに、「迷子になったのかね?」とたずね、「イエス」とこたえたかの女に、原作となった1949年の同名の小説中にある上記の部分を、棒読みするように語ったのだという。 この本の中には、こういうすごいセリフがあるかと思えば、坂本さんはその母に厳しく育てられたんだという村上龍の言葉もある。 本当にこの人は物理的には70数年の人生だろうけれど、一体何人分の人生を生きたのだろうと思うほど、この本に中心的に書かれている、8年余りの時間は濃密で刺激的で、語り口は淡々としているけれど実はヒリヒリするような2800日余の日々だったんだろうな…合掌。
坂本龍一が綴る晩年の行動と思想の記録。 ミュージシャンが自身について語る言葉からはインスピレーションを受けることが多い。 本書も、坂本龍一という人物を理解し、そこから学びを求めようとする上で最高のテキスト。 2010年くらいからの彼のアルバムを順番に聞きながら読む。
音楽家坂本龍一さんの自伝。著名な人物なのでもちろん存在や功績は知っていたが、この本を読んで初めて人間坂本龍一を知れた気がする。音楽家としての仕事への向き合い方、戦場のメリークリスマスへの葛藤、家族や仲間への想い、政治活動への信念、自身を蝕む癌との向き合い方、様々なことに対して信念や妥協や哲学を持って...続きを読むおられる。 御本人は亡くなられたが、音楽はもちろんのこと、この本を通して様々な事を後世に残してくださった坂本龍一さんに感謝したい。
音楽家 坂本龍一の自伝。2009年の自伝「音楽を自由にする」以降の活動を口述筆記したもの。 若い頃は、気力体力に自信があって、健康も問題なく活動していた彼が、2014年に最初の癌に犯され、その後寛解して復帰したものの、2021年に転移再発して2023年3月に亡くなってしまう。前回の自伝上梓後の音楽活...続きを読む動とこれまでの節目となった出来事、地震や原発反対活動及び自身のルーツ、癌との闘病生活など、これまで語られてこなかったエピソードや思想を綴る。 テレビで見る彼の姿は、いつもすごく冷静で頭脳明晰な芸術家のイメージがあったけれど、実際は熱い心の持ち主だったようだ。様々な出来事に対する喜怒哀楽の感情が文章から伝わってくる。2011年の東日本大震災以降は政治的な活動も行ったようだが、これは怒りの感情が原動力になっている。また感情が高ぶってよく号泣することもあったようで、それは自分にとっては意外だった。自身の作品、演奏や共演した人達に対する彼の本音も語られていて、とても興味深かった。素晴らしい作品を発表し、良い友人知人や出会いもあって、自分にとっては羨ましくなるような充実した人生に見えるけれど、本人には道半ばでやり残したことも多かったのだろう。ただ仕事一途で人生を全うできたことは、幸せだったかもしれない。日本の偉大な作曲家の一人だったと思う。
幼少期の頃からの自身を振り返る前著「音楽は自由にする」はまさしく自叙伝という感じだったが、前著に引き続き2009年から亡くなる直前までを振りかえる本書は自叙伝というよりはむしろ日記のようだ。読書家でもあった教授が、仕事のこと、友人や仲間のこと、アートのこと、環境問題、反原発、東日本震災、ウクライナ侵...続きを読む攻など社会問題のこと、闘病のこと、生と死のこと、について語る一つ一つに一家言があり、坂本龍一自身が一冊の本であるようだった。死を間近にしているからか、書かれているすべての対象へ去りがたい愛着があるように、その向けられている眼差しの優しさ、慈しみのようなものに溢れていて、読んでいて気持ちよく、いつまでも教授の話を聞いていたいという気持ちになった。その対象の中でもやはり音に対しての強い愛着が印象に残る。作曲理論と時間芸術である音楽から脱して、自然発生する音そのもので表現しようとする晩年の取り組みのことが多く語られているが、教授の音に対するそれはまさに愛や恋のような感情を感じた。いつまでの教授の話を聞いていたいと先述したが、教授こそこれからももっともっといろいろな物を見聞きしたかったろうにと思う。
自伝『音楽は自由にする』の続編。 2009年以降の活動を振り返り、自身の語りからは2023年1月17日の71歳の誕生日にリリースされたアルバム『12』の話を最後に、聞き手の鈴木正文氏によるあとがきでは、坂本龍一氏が亡くなる少し前のエピソードも書かれている。 亡くなるほんの数日前まで精力的に仕事をこな...続きを読むされていて、頭が下がる思いがした。 楽曲の制作活動だけでなく、震災復興関連、脱原発や環境問題、明治神宮外苑地区の再開発問題など、活動の幅の広さ。ガンの闘病→療養を余儀なくされながらもなおこんなに活動できるなんて、凄すぎる。 本当に濃密すぎる71年の生涯だなと思う。 まだどこかで、いろんな活動を変わらず続けていらっしゃるのでは、と時々思ってしまう。 数々の素晴らしい作品たちをありがとうございました。
『音楽は自由にする』と『skmt 坂本龍一とは誰か』を読んだあとに本書を読んだ。会って話したことは一度もないが、この本には坂本龍一が宿っている。読者一人ひとりに時間と空間を超えて語りかけるようとする坂本龍一がいた。読み終えると悲しみや感情ではなく、感謝と尊敬の念が溢れた。 「Ars longa, ...続きを読むvita brevis」 ある日を境に何度も何度も目にしたこの言葉が、あの日と同じように突然目に飛び込んできたとき、胸にぽっかりと穴が空いたような不思議な感覚に陥った。どうして?まだ早すぎる——そんなことをまた思った。残されたものがあまりに多い。そして、追悼は終わることはない。
坂本龍一 死後1年が経とうとしている。坂本の業績、「音楽は自由にする」2009年の以降亡くなる月の3月8日までを口述筆記したエッセイ。優しい語り口で書いているが、反戦、反原発の姿勢で音楽、芸術を縦横に表現し語っている。常に新しい音を模索して僕たちに提示している。発表した作品の制作過程など詳らかに教...続きを読むえてくれている。彼の業績は音楽だけでも多方面にわたり映画音楽でも実際に深く鑑賞して作り上げていることが書かれている。子供の時から多くの映画を見て映画に傾倒している。父の影響でと書いているが読書量も半端でなく博識で、人間に寄り添うダイバーシティ(多様性)を尊重するリベラルな芸術家であることがわかる。 私たちに寄り添い語り掛けるような控えめな口調ながら、安保法案や神宮外苑の伐採には最後までノーを発信した人でした。本人はもっと生きたかった、もっと表現したかったであろうことが伝わる本でした。 編集者の鈴木正文氏のあとがきは、熱いタッチで書かれていて、本当に神様は残念なことをしてくれたと思わせる追悼文でした。
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