高井有一の作品一覧

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作品一覧

2020/06/11更新

ユーザーレビュー

  • この国の空
    夏に読むべき本。といいつつ、長谷川博己様信者なので映画のビジュアルから入った不純な動機で読み始めました。
    戦争末期の物語というと悲惨さが際立つものが多いけれどこれは戦争末期をそれぞれの生き方で行き過ぎる人間模様を描いた小説だった。

    妻子を疎開させたアラフォー男子の市毛、母子家庭となり伯母と母の仲を...続きを読む
  • この国の空

    読み始め一見ありきたりな戦争文学だと思ったが、静かで丁寧な筆致、主人公である少女のイノセントな感性に段々心を動かされた。
    戦時下という特殊な環境でしか育まれないであろう妻子持ちの隣人市毛との関係、大人と子供で絶望的に乖離している孤独や恐怖、読みどころは沢山あり満足できた。
    シームレスに入る回想で少...続きを読む
  • P+D BOOKS 北の河
    朝日新聞の文学紀行での1冊である。北の河のなかでは、東北地方のどこかが全くわからない。他の短編でも自分の父親、叔父の死がテーマである。最後の浅い眠りの夜では、死ではなく、自分が二部の授業を受けている大学で警官に殴られて入院しているという状況が説明されている。
     大学生が読んで共感を受けるかどうかは不...続きを読む
  • この国の空
    太平洋戦争末期の東京・杉並に暮らす19歳の里子の日常が、淡々と粛々と綴られる。すっかり最近(……というのは少なくとも平成)の作品かと思っていたんだけど、読むのも終盤になってから1983年に発表された作品だったことを知った。それがわかると何となく、小説らしい小説だなと思いながら読んでいたのの裏づけがと...続きを読む
  • 半日の放浪 高井有一自選短篇集
    北の河がほんとうに読んでよかった作品だった。言葉にならない部分を情景(東北の冷たい河)が補う。そういう意味で完璧なバランスの上に成り立っていたように思う。起こってしまったこと(戦争によるそれまでの生活の崩壊)をそういうものだと受け取れる15歳の僕と、これまでとは明らかに変わってしまったと考える母。こ...続きを読む

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