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「私は怖れていたのだ。私などが絶対に踏み込んでは行けない場所を頑なに守っている生徒という他人が怖かったのだ」――敗戦の色濃くなった昭和20年の初め、農村に学童疎開した34名の少年たちの、不安と飢えの日。最もおとなしいはずの生徒の脱走の波紋。没後見つかった引率教師の当時の日記に綴られた、激しく揺れる文字。少年らの裡に生まれる孤独を見据えて描く、鮮烈な秀作。
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