小説・文芸 - 講談社文芸文庫の検索結果

  • 私の万葉集 全五冊合本版

    私の万葉集 全五冊合本版

    小説・文芸
    -
    1巻5,940円 (税込)
    限りなく尊くまた懐かしく面白い万葉の歌。 詩歌の実作者が書いた『万葉集巻』巻一から巻二十までの鑑賞。 8世紀後半に成立した『万葉集』は、きわめて難解である一方、我々の心に残る多くの親しまれた歌がある。 その膨大な数の歌を、通読した大岡信の鑑賞に、日本の美学の起源をみる。 『万葉集』を、現代人が味わい楽しむ「生きた」歌集にするために、現代詩人が挑む。
  • 完訳グリム童話集1

    完訳グリム童話集

    小説・文芸
    3.0
    1~3巻1,771円 (税込)
    19世紀初め、20代の若い学者の兄弟が、ドイツ語圏に伝わるメルヒェンを広く蒐集してまとめた『グリム童話集』は、半世紀近い歳月、兄弟自身の手で改版が重ねられ、1857年、最後の第7版が刊行された。それは、国境を越え、時代を超え、今も生き続ける、他に類をみない新しい文芸の誕生であった。池田香代子の生命感溢れる翻訳による完訳決定版。第1巻には、「灰まみれ」「赤ずきん」「白雪姫」等、56話収録。〈全3巻〉
  • 旅愁(上)

    旅愁

    小説・文芸
    4.0
    1~2巻1,760~1,870円 (税込)
    近代日本人の生き方を根源から問いなおす恋愛思想小説。日本伝統主義者の矢代耕一郎と、対照的にヨーロッパの合理的精神に心酔する久慈、2人が心惹かれるカソリックの宇佐美千鶴子らが織りなす鮮烈微妙な恋愛心理の綾。東洋と西洋、信仰と科学、歴史と民族の根の感情等、横光利一が苦闘した生涯の思索の全てを人物に投影させつつパリ、東京を主舞台に展開させた畢生の大作。(全2冊)
  • 小林秀雄

    小林秀雄

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,771円 (税込)
    人は詩人や小説家になることができる。だが、いったい、批評家になるということは、なにを意味するであろうか(本文より)ーー中原中也、富永太郎らとの交友関係、未発表の書簡や広汎にわたる資料を駆使して、小林秀雄の批評の成立、構成、その精神に迫る。『夏目漱石』『作家は行動する』などで出発した批評家・江藤淳の自身への問いは、確固たる地位を築く記念碑的評伝となった。新潮社文学賞受賞。
  • 錨のない船 上

    錨のない船

    小説・文芸
    -
    1~2巻1,881円 (税込)
    1941年、アメリカの厳しい経済制裁で資源確保が困難化、進退窮まる日本。武力解決を訴える勢力の圧迫を受けつつも、ワシントンに飛んだ来島平三郎特命全権大使は、妻の故郷アメリカとの開戦回避の道を懸命に模索していた。だが、ルーズヴェルト大統領、ハル国務長官を相手の交渉は難航、だましうちのように真珠湾攻撃が敢行されてしまう――。戦争に翻弄される外交官一家の肖像をつぶさに描く傑作長篇。
  • さようなら、ギャングたち

    さようなら、ギャングたち

    小説・文芸
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    詩人の「わたし」と恋人の「S・B(ソング・ブック)」と猫の「ヘンリー4世」が営む超現実的な愛の生活を独創的な文体で描く。発表時、吉本隆明が「現在までのところポップ文学の最高の作品だと思う。村上春樹があり糸井重里があり、村上龍があり、それ以前には筒井康隆があり栗本薫がありというような優れた達成が無意識に踏まえられてはじめて出てきたものだ」と絶賛した高橋源一郎のデビュー作。
  • 哀歌

    哀歌

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    肉体の恐怖の前には精神など全く意味を失ってしまう。臆病に生き臆病に埋もれて、自分がどんなに卑怯なのか、どんなに弱いのか、たっぷり承知している――弱者。弱者を凝視して聖書とキリストの意味を追究し、「沈黙」への展開を示唆した注目すべき短篇集。人間の深層によどむ(哀しみの歌)を表題に据え、「その前日」「四十歳の男」「大部屋」「雲仙」など12篇を収める。
  • 萩原朔太郎

    萩原朔太郎

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    昭和2年、萩原朔太郎の知遇を得て以来、昭和17年の死まで、常にその周辺にあり、さらには歿後、三度におよぶ全集の編集に携わるなど、三好達治にとって、朔太郎は生涯にわたる師であった。格調高い名文によって、朔太郎との交遊を振り返り、その面影をしのびつつ、同時に、作品の形成過程を緻密に辿る。朔太郎の詩の核心が、批評の美によって浮き上がるまさにライフワークとしての、師へのオマージュ。
  • 家族会議

    家族会議

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    東京の兜町で株式売買をする重住高之は、大阪の北浜の株のやり手仁礼文七の娘泰子に心惹かれている。だが、――文七はあくまで高之に熾烈な仕手戦をしかけて止まない。金の絡みと高揚する恋愛の最中、悲劇は連続して起こる。資本が人を動かし個人が脅かされる現代に人間の危機を見、「純粋小説論」を提唱実践した横光利一が、その人間崩壊を東と西の両家の息づまる対立を軸に描いた家庭小説の傑作。
  • 雨の音

    雨の音

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    初期の代表作「色ざんげ」、中期の代表作「おはん」など、数多い名作を生み続けた女性作家・宇野千代の、「ひとを愛しつくす女」を生き抜いた、激しく、美しい自伝小説の世界。名作「雨の音」、秀作「この白粉入れ」ほかを収録した、名作ばかりの中短篇集。
  • 或る一人の女の話/刺す

    或る一人の女の話/刺す

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    他の介入を許さず気儘に生きた〈放蕩無頼〉の人生。雪の上で夥しい血を吐き、狂い死した父は、娘に〈真っとう〉に生きろと教えた。しかし娘は、父の道をなぞるように更に鮮烈に生きた。70を越した女が、この世に生れ過した不思議を恬淡と語りかける「或る一人の女の話」。「刺す」を併録。自伝的傑作2篇。
  • 本覚坊遺文

    本覚坊遺文

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,760円 (税込)
    師千利休は何故太閤様より死を賜り、一言の申し開きもせず従容と死に赴いたのか? 弟子の本覚坊は、師の縁の人々を尋ね語らい、又冷え枯れた磧の道を行く師に夢の中でまみえる。本覚坊の手記の形で利休自刃の謎に迫り、狭い茶室で命を突きつけあう乱世の侘茶に、死をも貫徹する芸術精神を描く。文化勲章はじめ現世の名誉を得た晩年にあって、なお已み難い作家精神の耀きを示した名作。日本文学大賞受賞作。
  • 石の聲 完全版

    石の聲 完全版

    小説・文芸
    5.0
    1巻2,310円 (税込)
    芥川賞受賞後、苦しみながら構想した大長編『石の聲』。没後発表され、単行本として刊行された第一章、その後新たに見つかった第二章と第三章の一部、『石の聲』執筆の苦心と意気込みが伝わる編集者への書簡、作家になる前に綴った胸を打つエッセイ、作家からの追悼文を収録した、オリジナル決定版。
  • 動物の葬禮・はつむかし 富岡多惠子自選短篇集

    動物の葬禮・はつむかし 富岡多惠子自選短篇集

    小説・文芸
    -
    1巻1,155円 (税込)
    二十代に詩を書き始め、三十代で「うた」と訣れ小説家に。生まれ育った大阪の言葉がもつ軽妙さと批評性を武器に、家族、愛、性の幻想から「人間という生き物」を解き放ちつつ現代文学の尖端でラジカルな表現を続ける。孤独な青年の死を周囲のドタバタ騒ぎに映して鮮やかに浮き彫りにする「動物の葬禮」、親を殺し子を捨てる男の衝動を実存の闇として描く「末黒野」など、著者自選の九篇。
  • 女の日記 現代日本のエッセイ

    女の日記 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    尾崎士郎、東郷青児、北原武夫、梶井基次郎、三好達治、小林秀雄、青山二郎ほか、著者が愛してやまなかった人々との思い出、自分のこと、周囲のことなどを、起伏多い人生の軌跡に重ね、端麗、強靱な文体と円熟した瑞々しい感性で軽快に綴る。『女の日記』『親しい仲』『恋は愉しいか』などから、新たに編み直した名品44篇。第一級のエッセイ群。
  • シェイクスピアの面白さ

    シェイクスピアの面白さ

    小説・文芸
    -
    1巻1,650円 (税込)
    木下順二、丸谷才一らが師事した英文学者にして名翻訳家として知られる著者が、シェイクスピアの芝居としての魅力を縦横に書き尽くした名エッセイ。人間心理の裏の裏まで読み切り、青天井の劇場の特徴を生かした作劇、イギリス・ルネサンスを花開かせた稀代の女王エリザベス一世の生い立ちと世相から、シェイクスピアの謎に満ちた生涯が浮かび上がる。毎日出版文化賞受賞。
  • 沈黙のまわり 谷川俊太郎エッセイ選

    沈黙のまわり 谷川俊太郎エッセイ選

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,045円 (税込)
    1952年、第1詩集『二十億光年の孤独』で戦後詩界に登場した谷川俊太郎。三好達治はその出現を「ああこの若者は/冬のさなかに永らく待たれたものとして/突忽とはるかな国からやつてきた」と推賞した。本書は、若き日の著者の考え方の基礎を示す著書『世界へ!』『愛のパンセ』の中から、21篇のエッセイを収録。初めに沈黙があった。言葉はその後で来た。――谷川俊太郎の青春!
  • 紋章

    紋章

    小説・文芸
    -
    1巻1,111円 (税込)
    自意識の分裂に悩み戸惑う知識人の久内と、狂気のような熱情をこめて醸造技術の発明に没頭する一途な男雁金。ふたりの対照的な成り行きに、近代の合理的な人間認識と"日本精神というもの"との相剋を見る。漱石、芥川以来の「西欧的近代と向き合う人間」というテーマを内包しつつ、"第四人称"の「私」という独自のスタイルで物語る。晩年の『旅愁』へと向う前の著者中頃の代表的長篇小説。
  • 鴎外・漱石・龍之介 意中の文士たち(上) 現代日本のエッセイ

    意中の文士たち

    小説・文芸
    -
    1~2巻990~1,100円 (税込)
    作家としてのみならず学究・評者として非凡であった福永武彦が、深く心の裡に愛した文学者について自ら記した文章を蒐めて、「意中の文士たち」と名づけたエッセイ集上下巻のうち、上巻を収める。鴎外・漱石・芥川・荷風・谷崎・梶井基次郎・中島敦、そして川端康成への、いわば福永武彦の「感謝の現れ」をオマージュとして捧げた文章である。
  • この百年の小説 人生と文学と

    この百年の小説 人生と文学と

    小説・文芸
    -
    1巻2,090円 (税込)
    西欧文学に100年以上遅れて出発し、そのエッセンスを学びながら追いかけてきた日本の近代文学。明治期の誕生以降、発展を続けているその歴史を、漱石、鴎外、露伴、谷崎、芥川、川端、三島、大江、石原らの代表的な作品を取りあげながら概観し、青春、恋愛、少年、心理、老年、歴史等々、「人生と文学」の断面から照射した、壮大かつ心揺さぶる精神のドラマ。博覧強記の小説家が遺した名著。
  • 偉大なる暗闇――師 岩元禎と弟子たち

    偉大なる暗闇――師 岩元禎と弟子たち

    小説・文芸
    3.0
    1巻990円 (税込)
    夏目漱石が『三四郎』の“偉大なる暗闇”広田先生のモデルとしたとの“伝説”の旧制一高独逸語教授・岩元禎。頑固一徹、情容赦なく落第点をつける徹底した厳格さの古典的理想主義の哲学者。その変り者の生涯と精神の軌跡。近代ヨーロッパ文化と初めて遭遇し苦闘するその姿を漱石など関連の人物たちと対比させた多面的評伝にして明治の精神史。思想探求の書。第13回平林たい子賞受賞。
  • 往復書簡 『遠くからの声』『言葉の兆し』

    往復書簡 『遠くからの声』『言葉の兆し』

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    1997年から1999年、オスロ・仙台と東京間で交わされた、『遠くからの声』。東日本大震災直後の喪失感の中で文学・人生・世紀末に思いを巡らせた『言葉の兆し』。
  • 浦島草

    浦島草

    小説・文芸
    -
    1巻1,870円 (税込)
    広島で被爆した女性が、庭先に浦島草の咲く東京の家でひっそりと暮らす。そこへ11年ぶりにアメリカ留学から主人公の雪枝が帰って来る。後を追う恋人のマーレック。女性には雪枝の兄・森人との間に、自閉症の息子・黎がいた。多くの人物が広島の滅びの光景を引きずり、物語が進む。人間の無限の欲望と、その破滅を予感する作家が、女たちの眼を通して創出した、壮大で残酷な詩的小説世界。
  • ファウスト(上)

    ファウスト

    小説・文芸
    4.3
    1~2巻1,540~1,870円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (ファウスト)俺の喜びはただこの大地から生まれこの世の太陽だけが俺の悩みを照らすのだ。(メフィスト)それならためらうことはない。さあ契約だ。……地上にある限りの日々……人間がまだ見ぬものを見るのです。神ならぬ人間の身で世界のすべてを究めたい欲求に憑かれたファウストは、悪魔メフィスト―フェレスと契約を結ぶ。文豪ゲーテ畢生の対策が柴田翔の躍動する新訳で甦る。
  • 万延元年のフットボール

    万延元年のフットボール

    小説・文芸
    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇。谷崎賞受賞。
  • 新しい人よ眼ざめよ

    新しい人よ眼ざめよ

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,760円 (税込)
    神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。
  • 夏目漱石論

    夏目漱石論

    「則天去私」「低回趣味」などの符牒から離れ、神話的肖像を脱し、「きわめて物質的な言葉の実践家」へと捉えなおしてまったく新しい漱石像を提示した、画期的文芸評論。
  • 「私小説」を読む

    「私小説」を読む

    小説・文芸
    -
    1巻1,760円 (税込)
    志賀直哉、藤枝静男、安岡章太郎を貫く「私小説」の系譜。だが、著者はここで日本文学の一分野を改めて顕揚したり、再定義を下したりはしない。本書は、我々が無意識・無前提に受け入れている「読みの不自由さ」から離れ、ひたすら、いまここにある言葉を読むこと、「作品」の表層にある言葉の群との戯れを通じ、一瞬ごとの現在を生きようとする試みなのである。「読むこと」の深見と凄みを示す、文芸批評の名著。
  • 室生犀星

    室生犀星

    なぜ、詩人・犀星が、小説を書くようになっていったのか? なぜ、小説家となった後も、生涯にわたり、詩を書き続けたか? 同じく詩人として出発し、小説へと舞台を移した後、詩を書かなくなった「犀星ファン」の著者は、犀星の詩を丹念に読みながら、稀有な詩人・小説家の生涯と内奥、そして「詩」と「小説」の深淵に迫っていく。類い稀な個性と個性の邂逅が生んだ、傑作評伝。
  • 持続する志 現代日本のエッセイ

    持続する志 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,617円 (税込)
    「被爆者の自己救済行動」「沖縄の戦後世代」他ヒロシマ、沖縄、核基地、憲法についての諸エッセイと、「安部公房案内」「中野重治の『梨の花』の文章」等戦後文学への豊かな考察を示す作家・作品論。全55篇。30代に入った著者は、己れの存在の根元に突きささる鋭い痛みの感覚をもって状況への誠実な発言を続ける。1960年代後半、『厳粛な綱渡り』後の第2エッセイ集。
  • 日の果てから

    日の果てから

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    1945年4月、アメリカ軍沖縄本島に上陸。凄絶な地上戦の〈地獄絵〉の中、逃げ惑う住民。刑務所も遊廓も、そこに縛られる人々も何もかも、沖縄は死の渦のなかで回転しやがて敗戦とともに浄化される。神女殿内(のろどんち)の家柄である神屋家を絡め、文化、歴史、風土を背景に太平洋戦争末期の沖縄戦を神話的世界にまで昇華させた傑作長篇。平林たい子賞受賞。
  • 坂口安吾と中上健次

    坂口安吾と中上健次

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    闘う知性が読み解く、事件としての安吾と中上――日本の怠惰な知性の伝統の中で、「事件」として登場した坂口安吾と中上健次。二人は、近代文学の根源へ遡行しつつ、「自然主義」と「物語」の止揚を目指す。安吾は、自らを突き放すような他者性に文学の「ふるさと」を見出し、中上は、構造に還元することなく、歴史の現在性としての「路地」と格闘する。闘う知性としての安吾と中上を論じた、74年から95年までの批評を集成した、伊藤整文学賞受賞作。 ◎「文学」とは、どんな秩序にも属さず、たえず枠組を破ってしまう荒ぶる魂であった。文学をやっている人がすべてそうなのではない。むしろその反対である。文学という枠組を吹き飛ばすようなもの、それが「文学」だった。私と中上は文壇において暴風雨のような存在であった。そして、われわれがともに敬愛していたのが坂口安吾である。(中略)私は安吾を高く評価していた。しかし、小説家としてではない。私にとって、彼の作品は、哲学であり、歴史学であり、心理学あり……、それらすべてをふくむ何か、要するに、「文学」であった。<「著者から読者へ」より>
  • 濁った激流にかかる橋

    濁った激流にかかる橋

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。
  • 諷詠十二月

    諷詠十二月

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,650円 (税込)
    「この書は詩歌の理解に熱心な、あるいは熱心ならんと欲せらるる、比較的年少の初学の読者を聴者として、著者の素懐を仮りに題を設けて説かんと企てたもの……」。昭和17年9月、太平洋戦争のさなかに書下された本書は、万葉から西行、子規、晶子の短歌、菅原道真、新井白石、頼山陽の漢詩、芭蕉、蕪村、虚子の句、朔太郎、犀星の詩等々、秀作を鑑賞し、美と真髄を明かす、詩歌入門の不朽の名著。
  • 補陀落渡海記 井上靖短篇名作集

    補陀落渡海記 井上靖短篇名作集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    熊野補陀落寺の代々の住職には、61歳の11月に観音浄土をめざし生きながら海に出て往生を願う渡海上人の慣わしがあった。周囲から追い詰められ、逃れられない。時を俟つ老いた住職金光坊の、死に向う恐怖と葛藤を記す表題作のほか「小磐梯」「グウドル氏の手套」「姨捨」「道」など、旺盛で多彩な創作活動を続けた著者が常に核としていた散文詩に隣接する人生の不可思議さ、奥深さを描く9篇。
  • 僕が本当に若かった頃

    僕が本当に若かった頃

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    障害をもつわが子と妻との日常、そして夥しい量の読書。少年の日の記憶、生の途上における人との出会い。「文章を書き、書きなおしつつ、かつて見たものをなぞる過程でしだいに独特なものを作ってゆく」という方法意識の作家「僕」が綴る、表題作等9篇の短篇小説。切迫した震える如き感動、特にユーモアと諧謔をたたえて還暦近づき深まる、大江健三郎の精神の多面的風景。
  • みずから我が涙をぬぐいたまう日

    みずから我が涙をぬぐいたまう日

    小説・文芸
    3.6
    1巻1,650円 (税込)
    天皇に殉じて割腹、自死を遂げた作家の死に衝撃を受けた、同じ主題を共有するもう1人の作家が魂の奥底までを支配する〈天皇制〉の枷をうち破って想像力駆使し放つ"狂気を孕む同時代史"の表題作。宇宙船基地より逃走する男が日本の現人神による救済を夢見る「月の男」。──全く異なる2つの文体により、現代人の危機を深刻、ユーモラスに描く中篇小説2篇。
  • 志賀直哉・天皇・中野重治

    志賀直哉・天皇・中野重治

    小説・文芸
    -
    1巻1,650円 (税込)
    医師として、遅咲きの小説家として、独自の文学世界を築きあげた藤枝静男。平野謙と本多秋五という刺激を与え続けた友人、そして深く傾倒した師・志賀直哉の存在。志賀直哉に関わる作品を中心に名作「志賀直哉・天皇・中野重治」など、藤枝文学の魅力をすくいとった珠玉の随筆選。文学の師に関わる思いと藤枝文学の底流が、ここにある!
  • 暗室

    暗室

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカ――脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を解剖し、深層の孤独を抽出した吉行文学の真骨頂。「暗い部屋」の扉の向こうに在るものは……。
  • 焼跡のイエス 善財

    焼跡のイエス 善財

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    敗戦直後、上野のガード下の闇市で、主人公の「わたし」が、浮浪児がキリストに変身する一瞬を目にする「焼跡のイエス」。少女の身に聖なる刻印が現われる「処女懐胎」。戦後無頼派と称された石川淳の超俗的な美学が結晶した代表作のほかに「山桜」「マルスの歌」「かよい小町」「善財」を収録し、戦前、戦中、そして戦後へ。徹底した虚構性に新たな幻想的光景を現出させた、精神の鮮やかな働きを示す佳作6篇。
  • 恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ

    恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    『忠臣藏とは何か』『日本文学史早わかり』と並ぶ、丸谷才一の古典評論三部作。中国文学から振り返って、『源氏物語』『新古今和歌集』という日本の文学作品を検証した孤立無援の本居宣長の思考を蘇らせ、さらにはその視点で近代日本文学をも明確に論じる。女系家族的な考えから日本文学を俯瞰した「女の救はれ」を併録した『恋と女の日本文学』を発表時の題に戻し刊行。
  • さして重要でない一日

    さして重要でない一日

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,463円 (税込)
    未知の空間、会社という迷路を彷徨う主人公。トラブル、時間、おしゃべり、女の子、コピー機。著者独特の上品なユーモアの漂う、なにか、もの哀しくも爽やかな空気の残像。会社員の日常を鮮やかに切り取った、野間文芸新人賞受賞作。サラリーマンの恋と噂と人間関係、奇妙で虚しくて、それでも魅力的な「星の見えない夜」も所収。
  • 静かな生活

    静かな生活

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    精神の危機を感じて外国滞在を決意した作家の父に、妻が同行する。残された3人の兄弟妹の日常。脳に障害を持った長男のイーヨーは"ある性的事件"に巻き込まれるが、女子大生の妹の機転でピンチを脱出、心の平穏が甦る。家族の絆とはなんだろうか――。〈妹〉の視点で綴られた「家としての日記」の顛末に、静謐なユーモアが漂う。大江文学の深い祈り。
  • 新編 歴史小説の周囲

    新編 歴史小説の周囲

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    遠い日、夜の砂丘で青年の目を射た流星の一条の光――遥か西域への憧れを胚胎した井上文学誕生の瞬間を描く「砂丘と私」始め、『天平の甍』『敦煌』『風濤』など歴史小説の名作を点綴、その発想の源泉と想像力を刺激してやまぬ歴史の魅力を語る。『蒼き狼』をめぐり大岡昇平と闘わせた論争への真摯な反論、80歳の作家を駆り立てた『孔子』への情熱――など、井上靖の凛とした詩魂がほとばしる歴史随筆24篇。
  • 蛇 愛の陰画

    蛇 愛の陰画

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    午睡中、大蛇が口から入りこみ、腹中に居すわられてしまった男。彼を<被害者>に見たて、運動に利用しようとする組織。卓抜な発想と辛辣な批評精神で、当時の世相を切りとった「蛇」。性と悪の問題に真正面から挑んだ「蠍たち」――。1960年、「パルタイ」で衝撃的なデビューを果たした著者の、その後の5年間の初期作品7篇を精選。イメージの氾濫する<反リアリズム>の鮮やかさを示す1冊。
  • 男性作家が選ぶ太宰治

    男性作家が選ぶ太宰治

    「この作品が自分は一番嫌いだ」(奥泉光選「道化の華」)、「不思議な明るさに包まれた怯えの百面相」(堀江敏幸選「富嶽百景」)、「『男性というものの秘密』を知っている作家」(松浦寿輝選「彼は昔の彼ならず」)――七人の男性作家がそれぞれの視点で選ぶ、他に類を見ない太宰短篇選集。
  • 西行論

    西行論

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    若年のある時、在俗の名門武士が不明の動機で出家遁世した。真言浄土の思想に動かされながら、同時代の捨て聖たちとは対照的な生きざまを辿り、詩歌を通じてしか、いっさいの思想を語らなかった――西行とは何ものであったか。豊潤な感性を強靱な論理で見事に展開する西行論。「僧形論」「武門論」「歌人論」の3部構成で西行の〈実像〉に鋭く迫る!
  • 日本文化私観

    日本文化私観

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,870円 (税込)
    戦前・戦中・戦後、昭和22年はじめまでの安吾全エッセイから坂口安吾の文学、人生観を最も深く、強く語ったもの、例えば「FARCEに就て」「牧野さんの死」「茶番に寄せて」「日本文化私観」「青春論」「堕落論」「恋愛論」等々、22篇収録。“精神の巨人”坂口安吾の反骨精神横溢する選エッセイ集。
  • 阿Q正伝・藤野先生

    阿Q正伝・藤野先生

    小説・文芸
    3.3
    1巻1,760円 (税込)
    「人が人を食う」ことを恐怖する主人公の、「子供を救え」の叫びとともに、封建制度・儒教道徳の暗黒を描く「狂人日記」。革命のどさくさの中の阿Qの死と悲喜劇を通して、「革命と民衆」を鋭くつく「阿Q正伝」。ほかに、「孔乙己」「酒楼にて」など。辛亥革命前後の混乱期に、敢然とペンを執って立ち上がり、中国近代文学を切り拓いた魯迅が、時代の苦悩と不屈の精神を伝える13篇の名作。魯迅を読まずして中国を知ることはできない。
  • 叫び声

    叫び声

    小説・文芸
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    新しい言葉の創造によって"時代"が鼓舞される作品、そういう作品を発表し続けて来た文学者・大江健三郎の20代後半の代表的長篇傑作『叫び声』。現代を生きる孤独な青春の"夢"と"挫折"を鋭く追求し、普遍の"青春の意味"と"青春の幻影"を描いた秀作。
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

    白痴 青鬼の褌を洗う女

    小説・文芸
    4.6
    1巻1,353円 (税込)
    戯作者の精神を激しく新たに生き直し、俗世の贋の価値観に痛烈な風穴をあける坂口安吾の世界。「堕落論」と通底する「白痴」「青鬼の褌を洗う女」等を収録。奔放不羈な精神と鋭い透視に析出された"肉体"の共存――可能性を探る時代の補助線――感性の贅肉をとる力業。
  • 悪い夏 花束 吉行淳之介短篇小説集

    悪い夏 花束 吉行淳之介短篇小説集

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    初期から最晩年まで、短篇小説で辿る吉行淳之介の世界。男女の心象風景を凝縮するイメージで描く散文詩風の「藁婚式」、少年の眼を通して恋愛の生理と心理を追う「悪い夏」、父エイスケとの屈折した関係を主題とした「電話と短刀」、親友の13回忌に訪れた男女の齟齬を描く「花束」等14篇を収録。明晰な文体と実験的手法で、人間の生と性の不条理を追究した著者の珠玉の作品集。
  • 逆髪

    逆髪

    小説・文芸
    -
    1巻1,320円 (税込)
    漂流する現代家族をラディカルに描く傑作長篇!――かつて姉妹漫才で鳴らした鈴子・鈴江。今はカンペキ主婦に身をやつす姉と、独身の物書きとして芸界の周辺に生きる妹。正反対のようで同じ血縁という強烈な磁力に搦めとられて彷徨う二人の日常の背後に、狂女逆髪と盲人の琵琶法師の姉弟が織りなす謡曲「蝉丸」の悽愴な光景を幻視、富岡節ともいうべき強靭な語りの文体で活写。『冥途の家族』『芻狗』など、家族や性をテーマに書き続けてきた著者の到達点とされる傑作。 ※本書は、『富岡多惠子集6 小説5』(1999年6月、筑摩書房刊)を底本として使用しました。著者の一閲を得て誤植を正し、振り仮名を多少増やすなどしましたが、原則として底本に従いました。
  • 斗南先生・南島譚

    斗南先生・南島譚

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    漢学の家に育ち、幼時から深い素養を身につけ、該博細緻な知識の世界を生きて非凡な才を評価されながら夭折した中島敦。古代中国や南洋に材をとる作品のほか、苦悩の青春を綴る身辺小説など珠玉の傑作短篇集。伯父を描いた大学時代の創作「斗南先生」を始め、「過去帳」(「かめれおん日記」「狼疾記」)、「古譚」(「狐憑」「木乃伊」「山月記」「文字禍」)、「南島譚」、「環礁」を収録。
  • 恋ごころ 里見弴短篇集

    恋ごころ 里見弴短篇集

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,265円 (税込)
    14歳の夏休みに、養家の盛岡を訪れ、そこで知った親戚の少女に淡い恋心を抱いた思い出を語る表題作。家を出て、大阪での芸者との恋愛・結婚の経緯を清新に描いた「妻を買う経験」等、自伝とフィクションを綯い交ぜに、流暢な文体と精妙な会話で、人の心の機微を巧みに描いた名作5篇を収録。明治、大正、昭和の文芸界を悠々と生き抜いた「馬鹿正直」で「一徹」で「涙脆い」、白樺派最後の文士・里見弴の真骨頂。 人の生の営みの機微を描いた心温まる短篇集――“最後の文士”里見は、94歳の最期まで現役作家として活躍した。抒情的で穏やかな、哀愁を帯びた感動を与える私小説の世界。読売文学賞受賞の表題作他6篇。
  • 異域の人 幽鬼 井上靖歴史小説集

    異域の人 幽鬼 井上靖歴史小説集

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,254円 (税込)
    半生を西域に捧げた後漢の人・班超の苦難に満ちた道と孤独な魂の彷徨を追った「異域の人」、留学僧・行賀の在唐31年の軌跡と、入唐した日本人のさまざまな生の選択を描いた「僧行賀の涙」、謀反へと明智光秀を導く心の闇に巣くった亡者に迫る「幽鬼」など、歴史小説の名作8篇を収録。時代の激動を生きぬいた人間の姿を比類なき語りの力で描破する井上文学の魅力溢れる1冊。
  • 毒薬としての文学 倉橋由美子エッセイ選

    毒薬としての文学 倉橋由美子エッセイ選

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,254円 (税込)
    学生時代、マスメディアに劇的に登場、常に現代文学に挑戦し続ける著者の『わたしのなかのかれへ』『迷路の旅人』『磁石のない旅』『最後から二番目の毒想』『夢幻の宴』の全エッセイ集から、1.日常と文学の周辺、2.作家・詩人関係に集約編集。「性と文学」「文学的人間を排す」他、坂口安吾、澁澤龍彦、三島、埴谷等、35篇。独創的世界を展開する著者の文学観、発想の源流を示す文芸文庫版エッセイ集。
  • わが切抜帖より 昔の東京

    わが切抜帖より 昔の東京

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    新聞・雑誌などの記事や文章の切抜き、それらへの感想、ささやかな集積が、やがて永井龍男の美学と結びつき、精妙な確かなある空間と人生を静かに形成して行く。読売文学賞受賞の「わが切抜帖より」と、著者がかぎりなく愛する“昔の”東京にかかわる随筆群を併せて収録する、“昔の”東京の“背骨”と呼ぶべき1巻。
  • 私の文学放浪

    私の文学放浪

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    旧制高校に入学した頃の文学との出逢い、詩作、敗戦後の同人雑誌参加、大学中退、大衆雑誌記者時代、肺結核。芥川賞受賞までのエピソードや、父吉行エイスケのこと等著者の交友・文学の“核”を明晰な文体で瑞々しく回想。ほかに「拾遺・文学放浪」「註解および詩十二篇」を収める。
  • 女性作家が選ぶ太宰治

    女性作家が選ぶ太宰治

    「ほとんど奇跡のような成り立ち方をしている」(川上未映子選「古典風」)、「彼自身が、ひとつの作品」(桐野夏生選「思い出」)、「この甘やかさに浸らずにいられない」(松浦理英子選「秋風記」)――七人の女性作家がそれぞれの感性で選ぶ、未だかつてない太宰短篇選集。
  • 啼く鳥の

    啼く鳥の

    小説・文芸
    -
    1巻1,210円 (税込)
    『三匹の蟹』で「群像新人賞」「芥川賞」両賞を受賞し、戦後日本文学史の中でも異例の衝撃的デビューをした大庭みな子の、作家活動20年の頂点を示す、深い人間理解と鋭い人生凝視の力作『啼く鳥の』。野間文芸賞受賞。
  • 神屋宗湛の残した日記

    神屋宗湛の残した日記

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    闊達自在な老耄の境地を示す井伏文学の真髄。豊臣秀吉に寵愛された、博多の豪商茶人神屋宗湛の日記から、秀吉の茶会の人間模様を浮き彫りにした表題作他「うなぎ」「質流れの島」「雷鳥」など七作品を収録。
  • 季節と詩心

    季節と詩心

    小説・文芸
    -
    1巻1,265円 (税込)
    外交官である父に伴われて、メキシコ、スペイン、ブラジルと大正期のほとんどを海外で過ごし、ベル・エポックの香気に触れた“雅び”の詩人・堀口大學。アポリネール、コクトーら、20世紀“新精神(エスプリ・ヌーヴォー)”詩人たちの息吹きを満載した訳詩集『月下の一群』は、洗練された機智と豊潤なエロスを薫風にのせて、わが国の湿潤な文学風土に送り込んだ。詩の子、恋の子、旅する子の面目躍如たる第一随想集。
  • 表現の風景

    表現の風景

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    「精度がよくて長もちする」ダッチワイフから論をはじめ、表層的な「ナルホドどまりを好む」時代の「惰性」を痛撃し、孤立して見える「尖端の表現」を集合し、強く呼応する――最も現代的な感性と思考に立つ富岡多恵子の、平明な論理と鋭い説得力を持つ、時代を撃つ第一級のエッセイ。
  • 三匹の蟹

    三匹の蟹

    小説・文芸
    3.3
    1巻1,155円 (税込)
    『大型新人」として登場以来25年、文学的成熟を深めて来た大庭みな子の、あらためてその先駆性を刻印する初期世界。群像新人賞・芥川賞両賞を圧倒的支持で獲得した衝撃作「三匹の蟹」をはじめ、「火草」「幽霊達の復活祭」「桟橋にて」「首のない鹿」「青い狐」など、初期作品を新編成した7作品群。
  • 悉皆屋康吉

    悉皆屋康吉

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    呉服についての便利屋であり、染色の仲介業者でもある「悉皆屋」の康吉は、職人としての良心に徹することで、自らを芸術家と恃むようになる。大衆の消費生活が拡大する大正モダニズム期には、華美で軽佻な嗜好を嫌い、ニ・ニ六事件の近づく昭和前期には、時代の黒い影を誰よりも逸早く捉える男でもあった。著者が戦時下に書き継ぎ、芸術的良心を守った昭和文学史上の金字塔と評される名作。
  • 寂兮寥兮

    寂兮寥兮

    小説・文芸
    3.4
    1巻1,144円 (税込)
    幼なじみの万有子と泊は、ごっこ遊びの延長の如き微妙な愛情関係にあったが、それぞれの夫と妻の裏切りの死を契機に……。ふたりを軸に三世代の織りなす人間模様は、過去と今、夢とうつつが混じり合い、愛も性もアモラルな自他の境なき幽明に帰してゆく。デビュー以来、西欧への違和を表現してきた著者が親炙する老子の思想に触発され、生と性の不可解さを前衛的手法で描いた谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 測量船

    測量船

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,540円 (税込)
    太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。無限のイメージを喚起するわずか二行の詩「雪」他を収録の第1詩集『測量船』。「乳母車」「甃のうへ」「鳥語」「獅子」等、日本古典の詩風と西欧象徴詩風が混然と融合し、魅了する全92篇(「測量船拾遺」を含む)。新詩の可能性を追究する若き詩人・達治が"現代抒情詩"を展開させた画期的詩集。
  • 反悲劇

    反悲劇

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,111円 (税込)
    本来反小説な神々や英雄の悲劇の世界を、現代小説に直接「移植」する試みのなかで、古代ギリシャ人の行動様式や神話的モチーフは、そのグロテスクな陰惨さのままに、今もわれわれの内に息づき生き延びているのではないかということを問いかける。「向日葵の家」「酔郷にて」「白い髪の童女」「河口に死す」「神神がいた頃の話」の5篇から成る連作集。
  • 海にゆらぐ糸・石を積む

    海にゆらぐ糸・石を積む

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    「時」の制約のうちに生きる人間の命が、白く灼く炎ときらめく、その刹那の輝きの一瞬に、小説のありかをさぐる、大庭みな子。時間の変幻と永遠相が、虹のプリズムを通して綾なすさまを、旧知との交遊のはざまに見出して詩的に定着した『海にゆらぐ糸』川端康成賞受賞の連作と、人の命の収斂するときをいとおしんで描く短篇一作と、放送劇とを収録。
  • 初舞台・彼岸花 里見弴作品選

    初舞台・彼岸花 里見弴作品選

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    娘の自立していく姿に思い悩む、旧制高校同窓の男達の友情を追った表題作「彼岸花」、女主人の嘘が許せず自らの片腕を切り落とす「銀二郎の片腕」、上官の夫人を伴った戦地からの引揚げの悲惨な旅の中で育つ奇妙な愛情を描く「みごとな醜聞」等、初期から戦後作まで8篇を精選。巧みな会話運びで人情の機微をとらえ、「名人芸」と声価の高い、里見弴の人間観察の妙趣を味わう名作集。
  • 愛の挨拶 馬車 純粋小説論

    愛の挨拶 馬車 純粋小説論

    小説・文芸
    -
    1巻1,089円 (税込)
    人間存在の危うさと脆さを衝く小説「マルクスの審判」、"国語との不逞極まる血戦"が生んだ新感覚派小説の「頭ならびに腹」とそれらを支える文芸評論「新感覚論」、1幕もの戯曲「幸福を計る機械」および「愛の挨拶」、新心理主義小説「機械」と、その後の評論「純粋小説論」等。昭和の文学の常に最前衛として時代に斬り込み時代と格闘した作家の初期・中期短篇、戯曲、評論を1冊に集成。
  • 一個 秋その他

    一個 秋その他

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    野間文芸賞、芸術院賞両賞受賞の短篇集『一個その他』から、世評高い作品集『カレンダーの余白』『青梅雨その他』『雀の卵その他』、そして川端賞受賞の『秋その他』に至る短篇の名手・永井龍男。その晩年の短篇集の中から、「一個」「蜜柑」「杉林そのほか」「冬の日」「青梅雨」「雀の卵」そして名品中の名品「秋」など14篇の短篇の冴えを集成。
  • 上海

    上海

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,155円 (税込)
    1925年、中国・上海で起きた反日民族運動を背景に、そこに住み、浮遊し彷徨する1人の日本人の苦悩を描く。死を想う日々、ダンスホールの踊子や湯女との接触。中国共産党の女性闘士芳秋蘭との劇的な邂逅と別れ。視覚・心理両面から作中人物を追う斬新な文体により不穏な戦争前夜の国際都市上海の深い息づかいを伝える。昭和初期新感覚派文学を代表する、先駆的都会小説。
  • 哀しき父 椎の若葉

    哀しき父 椎の若葉

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,485円 (税込)
    「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。
  • 朝霧・青電車その他

    朝霧・青電車その他

    小説・文芸
    2.7
    1巻1,023円 (税込)
    16歳での懸賞小説当選作(「活版屋の話」)。18歳の懸賞脚本当選作(「出産」)。19歳の時の文壇出世作「黒い御飯」。早熟の才能明らかな最初期から、第2回横光賞「朝霧」や、「花火」「青電車」に到る、永井龍男の短篇の精髄。「往来」「胡桃割り」「ある夏まで」など、14篇の秀作群。後年の短篇の冴えを予感する短篇世界!
  • 寝園

    寝園

    小説・文芸
    3.0
    1巻946円 (税込)
    持ち株の暴落で事業に失敗し破産しかかった青年梶と、その梶を強く慕う奈奈江や、幾組かの男女の"愛"の葛藤。伊豆山中の狩猟の最中に起きた突発的傷害事件への発展。「純文学にして通俗小説」なる"純枠小説"を自ら実践し、恋愛における現代人の"危機意識"を緻密な文体で追った「紋章」「家族会議」等の先駆となった画期的名篇。
  • わが母の記 花の下・月の光・雪の面

    わが母の記 花の下・月の光・雪の面

    小説・文芸
    4.0
    1巻946円 (税込)
    80歳の母を祝う花見旅行を背景にその老いを綴る「花の下」、郷里に移り住んだ85歳の母の崩れてゆく日常を描いた「月の光」、89歳の母の死の前後を記す「雪の面」。 枯葉ほどの軽さのはかない肉体、毀れてしまった頭、過去を失い自己の存在を消してゆく老耄の母を直視し、愛情をこめて綴る『わが母の記』三部作。〈老い〉に対峙し〈生〉の本質に迫る名篇。ほかに「墓地とえび芋」を収録。
  • 妖 花食い姥

    妖 花食い姥

    小説・文芸
    2.5
    1巻1,001円 (税込)
    深い怒りと悲しみに培われて女の内部に居据わる〈業〉を凄絶に描いた「ひもじい月日」(女流文学者賞受賞)、『春雨物語』を踏まえた鬼気迫る傑作「二世の縁 拾遺」、夢幻と現実が見事に融合する「花食い姥」、ほかに「黝い紫陽花」「妖」「猫の草子」「川波抄」を収録。伝統的優美と豊かな知性が研きあげた隠微な官能、妖気を漂わせる特異の世界、円地文子傑作短篇集・7篇。
  • 当世凡人伝

    当世凡人伝

    小説・文芸
    -
    1巻990円 (税込)
    なんの変哲もないありふれた人生。独得の語り口で、あるがままに描き出し、したたかに生きる平凡な人々の日常に滲む哀しみを、鮮やかに浮彫りにする、富岡多惠子の傑作短篇集。川端康成文学賞受賞「立切れ」ほか、地方都市で妻と二人ひっそりと暮す退官した警視・松尾文平に纏る「薬のひき出し」、「名前」「ワンダーランド」「幼友達」「富士山の見える家」など12篇の傑作短篇を収録。
  • コチャバンバ行き

    コチャバンバ行き

    小説・文芸
    4.0
    1巻880円 (税込)
    安穏・安全な「生」とは何か? 読売文学賞受賞の明篇――湘南で多少の土地を持ち、家を貸して自適生活する主人公。妻は仕事で不在がち。「安全な生活」とは何か……。元上司との様々なやりとりのあと、上司は妻を失う。南米・ボリビアでのバスの乗客の、何の苦痛もない死……。ささやかな生活の描写の中に、人生の哀歓をつむぎ出す、永井龍男独自の「美学」の結晶。『皿皿皿と皿』を併録。読売文学賞受賞作品。
  • 芸者小夏

    芸者小夏

    小説・文芸
    -
    1巻1,672円 (税込)
    故・丸谷才一氏が愛した、花柳小説の金字塔――温泉芸者の子に生まれ、水商売の中で育った夏子。この宿命の絆を断ち切りたいと希いながらも、外に道はなく、夏子は15で芸者小夏となった。純情を捧げた初恋の教師に裏切られ、夏子は日ましに「女」になっていく……。若き日に色町に親しみ男女の機微を知る著者が、戦後の脂の乗りきった時期に書き継ぎ、「夏子もの」として人気を博した連作小説の第1作。
  • 講談社文芸文庫 解説目録 2023年4月現在
    無料あり

    講談社文芸文庫 解説目録 2023年4月現在

    小説・文芸
    -
    1巻0円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 不朽の名作をラインナップする講談社文芸文庫。未来に伝えるべき小説、詩歌、評論、随筆、翻訳など文芸の精髄を刊行するシリーズの最新版刊行目録の電子版。
  • 百日の後 坂上弘自選短篇集

    百日の後 坂上弘自選短篇集

    小説・文芸
    -
    1巻1,320円 (税込)
    「第三の新人」世代に続く、「内向の世代」グループの一人である坂上弘は、「第三の新人」とは違った意味で、生活者の視点から小説世界をつくり上げてきた。文学が特別な社会を対象としたものでなく、日々の暮しのなかでのサラリーマンであり、同人雑誌仲間との交友でありと、一見、平凡な日常のうちに、ニュアンスを含んだ人生を見出す。表題作ほか著者自選の5篇を収録。
  • ああ玉杯に花うけて 少年倶楽部名作選

    ああ玉杯に花うけて 少年倶楽部名作選

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    昭和2年に『少年倶楽部』に連載され、大反響を呼んだ少年小説の金字塔。いじめや暴力、友情等、普遍的テーマに切り込む爽やかな傑作。
  • 愛国者たち

    愛国者たち

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    異能の私小説家の知られざる名作――昭和24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂事件=大津事件に関わった愛国者たち……。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にあつ人間を見つめた表題作、ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印した、独自の私小説風世界の魅力が横溢する作品集。平林たい子文学賞受賞作品。 ※本書は、『愛国者たち』(1973年11月、講談社刊)を底本としました。
  • 愛酒樂酔 現代日本のエッセイ

    愛酒樂酔 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻880円 (税込)
    発酵学・微生物学の権威である「酒博士」坂口謹一郎の、酒をめぐる軽妙酒脱なエッセイと、500首に及ぶ短歌。愛酒の世界を語り、酔の境地を示す、坂ロイズムの集大成。「世界の酒の旅」「パリの生活から」「玩物喪志」ほかを収める歌エッセイ集『愛酒樂酔』に、「私の履歴書」を併録。 ◎まことに人間にとって酒は不思議な「たべもの」である。迷えと知って神が与えたものであろうか。<本文より>
  • 愛について

    愛について

    小説・文芸
    3.0
    1巻990円 (税込)
    この道はどこへ行くんでしょうか――偶然の邂逅から始まる若い男女の愛。その2年後の妻の謎の事故死。『武蔵野夫人』『花影』で新しい"愛のかたち"を文学史上に画した著者が、現代の市民社会とその風俗の中に、男と女、家庭、"愛の死と再生"のテーマを"連環"する10章で問う。
  • 愛の生活・森のメリュジ-ヌ

    愛の生活・森のメリュジ-ヌ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    《わたしはFをどのように愛しているのか?》との脅えを、透明な日常風景の中に乾いた感覚的な文体で描いて、太宰治賞次席となった19歳時の初の小説「愛の生活」。幻想的な究極の愛というべき「森のメリュジーヌ」。書くことの自意識を書く「プラトン的恋愛」(泉鏡花文学賞受賞作)。今日の人間存在の不安と表現することの困難を逆転させて、細やかで多彩な空間を織り成す、金井美恵子の秀作10篇。
  • 愛撫 静物 庄野潤三初期作品集

    愛撫 静物 庄野潤三初期作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    妻の小さな過去の秘密を執拗に問い質す夫と、夫の影の如き存在になってしまった自分を心許なく思う妻。結婚3年目の若い夫婦の心理の翳りを瑞々しく鮮烈に描いた「愛撫」。幼い子供達との牧歌的な生活のディテールを繊細な手付きで切り取りつつ、人生の光陰を一幅の絵に定着させた「静物」。実質的な文壇へのデビュー作「愛撫」から、出世作「静物」まで、庄野文学の静かなる成熟の道程を明かす秀作7篇。
  • 愛、理性及び勇気 現代日本のエッセイ

    愛、理性及び勇気 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,353円 (税込)
    女性の自覚、人間性の重視を基に現実を見据え、女性・教育・時事ほか多岐にわたる問題に鋭い批判を展開。「婦人と自尊」「女子と高等教育」「婦人より観たる日本の政治」「女子理性の恢復」「婦人の実行的勇気」など"近代女性史"の始祖的存在ともいえる『みだれ髪』の作者与謝野晶子の、体験を踏まえ内外の見聞に立つ諸論81篇を収録するエッセイ集。
  • 青葉の翳り 阿川弘之自選短篇集

    青葉の翳り 阿川弘之自選短篇集

    小説・文芸
    -
    1巻1,023円 (税込)
    戦時中に青春を過した主人公は、学徒動員で海軍に入隊。戦友の多くが死んでいったなかで、現在も生きているのはほんの偶然の結果だという感覚に支配されている。戦後社会との違和に直面しながらも、生活者として中年にいたった現在を描く代表作「青葉の翳り」。他に「霊三題」「鱸とおこぜ」「野藤」「スパニエル幻想」「空港風景」「さくらの寺」と短篇的趣向の名品を収録。
  • アカシヤの大連

    アカシヤの大連

    小説・文芸
    3.6
    1巻1,760円 (税込)
    美しい港町、アカシヤ香る大連。そこに生れ育った彼は、敗戦とともに、故郷を喪失した。心に巣喰う癒し難い欠落感、平穏の日々の只中で、埋めることのできない空洞。青春、憂鬱、愛、死。果てない郷愁を籠めて、青春の大連を清冽に描く、芥川賞受賞の表題作。ほかに『朝の悲しみ』『初冬の大連』『中山広場』『サハロフ幻想』『大連の海辺で』の、全6編を収録。
  • 明夫と良二

    明夫と良二

    小説・文芸
    4.4
    1巻1,980円 (税込)
    磊落な浪人生の兄と、気立ての優しい中学生の弟。男の子二人のおかしみに満ちたやりとりを見守る姉は、間もなく嫁いでゆく。自然に囲まれた丘の上の一軒家に暮らす作家一家の何気ない一瞬に焼き付けられた、はかなく移ろいゆく幸福なひととき--。著者没後10年。人生の喜び、そしてあわれを透徹したまなざしでとらえた家族小説の傑作、初文庫化
  • 芥川龍之介と太宰治

    芥川龍之介と太宰治

    対照的な文学的軌跡をたどりながら、最終的にはともに自死を選んだ芥川龍之介と太宰治。「近代的自我」の問題を問うた福田恆存が、その問題意識から二人の傑出した作家に見出したものは何だったのか。初期の作家論を代表する「芥川龍之介I」をはじめ、戦後に書かれた「芥川龍之介ll」、太宰の死の前後に書かれた二つの評論を所収。独自の視点で描かれた傑作文芸評論集。
  • 朱を奪うもの

    朱を奪うもの

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    女性としての自立、性・喪失・生を描く現代女性必読の名作。女性としての喪失感に荒寥とした思いをする主人公。幼児から祖母の物語の世界に生きた滋子の人生の歩みは、やがて青春期にかけて、家を出て自立したいという強い思いへと変っていく。結婚さえも、人生のスプリングボードとして考え、自分らしく生きようとする女性を描いた、円地文子の代表作。谷崎賞受賞作『朱を奪うもの』3部作の第1部。
  • 槿

    槿

    小説・文芸
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子(よしこ)。20年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う(たゆたう)國子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。 濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
  • 紫陽花舎随筆

    紫陽花舎随筆

    小説・文芸
    -
    1巻1,980円 (税込)
    紫陽花を愛し、鎌倉雪ノ下に永く暮らした近代日本を代表する日本画家、鏑木清方は、名随筆家でもあった。挿絵画家の父の影響で若いころから文藝に親しみ、泉鏡花とも親交があり、多くの随筆集を残した。失われた市井の人々の暮らしへの尽きることのない愛惜、清方の晩年の折々の記、その源泉を辿る。
  • あじさしの洲 骨王

    あじさしの洲 骨王

    小説・文芸
    -
    1巻1,298円 (税込)
    叔母の悲しみとそれに寄り添う少年の想いが原初的風景へと還元される名品「あじさしの洲」、旧約的世界を背景に、部族王の誕生とその最期を、心象の劇として描いた「骨王」、読売文学賞受賞作「ハシッシ・ギャング」等、初期作品から近作まで11篇を収録。簡勁な文体で人間の原質を彫琢し、影の暗示力が、生と死の流転の相を炙り出す。小川文学の魅力をあますところなく示す自選短篇集。
  • 明日なき身

    明日なき身

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,650円 (税込)
    離婚を繰り返し、生活に困窮して生活保護と年金で生きる老人の日常の壮絶。高齢化社会を迎えた今、貧困のなかで私小説作家は、いかに生きるべきか……。下流老人の世界を赤裸々に描きつつも、不思議に悲愴感はない。自分勝手なダンディズムを貫き哀感とユーモアを滲ませる、二十一世紀の老人文学。

最近チェックした作品からのおすすめ

無料で読める小説・文芸

一覧 >>