夫・兼家との結婚生活での苦悩やささやかな喜びを描いた、回想録。
己のプライドの高さゆえに、兼家の浮気が許せず嫉妬に苦悩する。
現代の恋愛にも通じる文学を、室生犀星の現代語訳で楽しめる。
熱烈にアプローチしてきたのは向こうなのに、溺れて苦しむ道綱の母の苦悩は、現代の私たちにも痛いくらいわかります。
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自分だけが想っているのかしら、他の誰かと笑っているのかしら、肌を寄せあっているのかしら、と。
もちろんそんなことは書いてありませんが、文章を読み進めていくうちに、彼女の想いが強く伝わってきます。
原文は上中下巻に分けられていますが、この本は一冊にまとめてあるので、お手軽に読めると思います。
個人的には、面白いのは上と中で、感情が下火になりつつある下巻はあまりそそられなかったです。
勢い余って原文買ってしまいました(笑)