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ある時は“コケティッシュ”な女、ある時は赤い三年子の金魚。犀星の理想の“女ひと”の結晶・変幻自在の金魚と老作家の会話で構築する艶やかな超現実主義的小説「蜜のあわれ」。凄絶なガン闘病記「われはうたえどもやぶれかぶれ」、自己の終焉をみつめた遺作詩「老いたるえびのうた」等、犀星の多面的文学世界全てを溶融した鮮やかな達成。生涯最高の活動期ともいうべき晩年の名作5篇を収録。
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Posted by ブクログ
表題の「密のあわれ」は作者の変態性、というよりかは彼の中の美の哲学を外に出した結果、金魚との対話という形式になった感じがする。 何はともあれ他では味わえない異質な作品で、とても楽しく読んだ。金魚が可愛い。
『蜜のあはれ』が読みたくて買った。すべてが会話文で書かれているコケティッシュな超現実小説。金魚ちゃんとおじさまのやり取りが可愛い。
あまりにもつるつると完成されていて。少し怖気づくも、ユーモアにすくわれる。しかし、そのユーモアの冷えびえとしていることよ。
「おじさま」と三年子の赤い金魚との会話によって構成されている短編、「蜜のあわれ」が特に好き。 「おじさま」と金魚屋さんにとっては小さな可愛い金魚、他の人にとっては人間のはずなのに、どこからが金魚でどこからが人間なのかわからなくなる。 金魚である方が官能的で美しい気すらする。 その他の短編も秀逸。
犀星がいろんな作品で語るものが全部集約されたかのような「蜜のあわれ」金魚のラストが切ない。レビューで語りきれないくらい好きだ。いろんなひとに読んでみてほしい。
この中では1番蜜のあわれがすきです。可愛いらしい金魚ちゃんとたまに変態臭いところもありますが優しい上山さんの会話にすごくときめき、癒されました…こんなおじいちゃんと孫のような歳の離れた関係…大好きです
まだこんなちんぴらなのに気が強くてわがままでこまっしゃくれて美しい女、またあるときは三歳の赤い金魚。 小説書きのおじさまは、飼ってる金魚の画を、ちょっと描いた。小さな文章もつけて。 瞳は大きく、お腹はデブちゃんな、出目金。燃えるような朱い色をしている。 のめのめしたあぶら、や、すぼっとしたお臀。おじ...続きを読むさまの体の上ではしゃぎ、キスをする。小生意気な口をたたき、おじさまとの恋仲をたのしむ。 おじさまと金魚の子、そのほか、ひょっこり現れて来たおばさまとのやりとりがずっと聞こえている。会話のみで構成する美しい小品。金魚鉢をずっと眺めているような夏を思わせる。
カヴァーに「生涯最高の活動期ともいうべき晩年の名作五篇を収録。」とありますが、ほんとうに犀星晩年作品は素晴らしい。『密のあわれ』が好きな方は多いことだろう。こんなふうに自分のことを「あたい」と呼び、「おじさま」と語りかける、なんとも魅力的な少女。朱い金魚(出目金)を思い浮かべながら読むと、尚更。ガン...続きを読む闘病記『われはうたえども やぶれかぶれ』からもまた、犀星その人の「構え」を感じることができる。そして遺作、最後の詩「老いたるえびのうた」。この講談社文芸文庫には、解説、作家案内も詳しい。著作目録が載っているのも有り難い。陶古の女人密のあわれ/後記 炎の金魚火の魚われはうたえども やぶれかぶれ老いたるえびのうた以上を所収。
老年の小説家“おじさま”と可愛らしい“金魚”との全篇対話形式で展開する短編『蜜のあわれ』が読みたくて。 金魚の一挙一動がとにかく可愛いです。 子供のようなあどけない口調に反して立ち振る舞いは艶っぽく、何気ない会話や仕草が妙に官能的、喜怒哀楽の豊かさはこちらも愉快な気持ちになり、こんな可愛らしい女の...続きを読む子が自分の周りをくるくると舞っていたら…そりゃあ老年のおじさまは夢中にもなるし翻弄されたところで本望でしょうと納得してしまいます。 生き生きとした光で溢れた“生”と、会話の端々で顔を見せる“死”の対比が美しい表情豊かな一篇でした。 「おじさまは、何時も、しんせつだから好きだわ、弱っちゃった。また好きになっちゃった、あたいって誰でもすぐ好きになるんだもん」
4月17日、日曜日のFM「メロディアスライブラリー」で小川洋子さんが「蜜のあわれ」を紹介されているのを聴き、その日の午後、近くの本屋で入手。 室生犀星を読むのは初めて。 当然、「蜜のあわれ」から読む。 金魚が少女の姿で老作家の元に訪ねてくる。地の文がなく、会話だけで続く奇妙な物語。この金魚の娘がや...続きを読むたらお金を作家にせびったり、ポンポンと奔放な会話の応酬があり、昔の知ってた女の幽霊が現れたりという展開。小川さんも番組で笑ってたけど、お臀に夕栄が当たった美しさとか、お臀の上で首を縊りたいとか、馬鹿馬鹿しさが突き抜けたような印象。もう怖いものなんかないと開き直ったのか。 「火の魚」。蜜のあわれの表紙に金魚の魚拓を取らせた顛末。魚拓をとった折見とち子の作家への手紙は、フィクションのような印象。 「陶古の女人」陶器好きを語った文。殆ど一人語りで、小説ともエッセイとも取れない。まあ、この作だけでなく、「蜜のあわれ」以外は、殆ど老人の一人語りの繰り言、戯言のよう。内田百閒や吉田健一に似ているかな。不思議と馴染む。 「われはうたえど やぶれかぶれ」。随筆ではないな。小水が出なくて、夜中に何度も起きる苦闘が前半。後半は闘病記かな。でも、あまり詳しい説明がないし、やっぱり年寄りの戯言かな。でも、じっくり読んでしまった。 小川さんが番組で取り上げたのは、蜜のあわれが映画上映されたから。で、本を買った翌週に映画館へ。 紅いドレスをヒラヒラさせて、時折頬を膨らませる二階堂ふみさんは、金魚ぽかった。映画監督は監督で、作家の妄想をタネに更に勝手に妄想を膨らませていた。
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蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
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