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王朝日記文学の代表作『蜻蛉日記』を、室生犀星の現代語訳で味わう。大政治家の藤原兼家の妻として、波瀾に富んだ生涯を送った道綱母が、その半生を書き綴った回想録。結婚生活の苦しみ、夫兼家とその愛人たちへの愛憎の情念が、流麗にして写実的な筆致で描かれる。作品中の和歌は、一段の精彩を放っている。韻文と散文が互いに交響することで、物語に独特の陰翳を与えている。(解説=久保田淳) (※本書は2013/8/11に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました)
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Posted by ブクログ
夫・兼家との結婚生活での苦悩やささやかな喜びを描いた、回想録。 己のプライドの高さゆえに、兼家の浮気が許せず嫉妬に苦悩する。 現代の恋愛にも通じる文学を、室生犀星の現代語訳で楽しめる。 熱烈にアプローチしてきたのは向こうなのに、溺れて苦しむ道綱の母の苦悩は、現代の私たちにも痛いくらいわかります。...続きを読む 自分だけが想っているのかしら、他の誰かと笑っているのかしら、肌を寄せあっているのかしら、と。 もちろんそんなことは書いてありませんが、文章を読み進めていくうちに、彼女の想いが強く伝わってきます。 原文は上中下巻に分けられていますが、この本は一冊にまとめてあるので、お手軽に読めると思います。 個人的には、面白いのは上と中で、感情が下火になりつつある下巻はあまりそそられなかったです。 勢い余って原文買ってしまいました(笑)
道綱母は女性性そのものなのではないか。受け身で自分勝手な一方で、感受性が豊かで他人に対する思い遣りや同情心が強い。息子への愛情は特別に深い。およそ一般的に女性性と言われるものが、見事にそのまま具現化したようで驚いてしまった。この人の女性としてのあり方に非常に高い普遍性を感じる。 生活の不安や仕事の煩...続きを読むわしさのない貴族という身分では、人間本性が現れやすいのだろうか。そう考えると平安文学にますます興味が湧いてくる。
かなり正直に気持ちをぶっちゃけていて、心配になってしまうほど。当時、周りの反応はどうだったのかしら。その分、平安時代を身近に感じられた。
⑨ 開始:2023/2/20 終了:2023/3/4 感想 宮廷の煌びやかさと人の想いの瞑さ。それでも歌に乗せてしまえばどこか清々しさすら感じさせる。女性の心情の変化はまるで秋の空。
源氏物語の空想的・独善的な男の見方より、この方が真実味がある。が、独りよがりにみえて、興ざめである。物語ではなく日記。
いまさらかもしれませんが、とてもおもしろかった。 現代なら「めんどくせぇ」女・・・という感じもする。 もてあまし気味の兼家もおもしろい。 すねて可愛げのある女性でもある。 息子が父と母の間を取り持って右往左往する姿も面白い。 道綱母が予期したとおり、千年後の今、「門地の高い人の暮らしがどんなだか」よ...続きを読むくわかりました。
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