あらすじ
「夏になると女の人の声にひびきがはいり、張りを帯びてうつくしくなる」。声、二の腕、あくび、死顔、そして蛇。老作家が抱き続ける「女ひと」への尽きぬ思いを、哀しみとおかしみを交えて軽やかに綴る。晩年の犀星ブームを導いた豊潤なエッセイ集。
(※本書は2009/5/15に発売し、2022/3/10に電子化をいたしました)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
我々の何時も失うてならないものは、女のひとへのあわれの情である。それはまた、女の人のすべてが、我々にあたえてくれなければならないのも、このあわれみ一すじなのだ、これが二人の人間のあいだに朝夕に編みこまれているあいだは、至極無事なのである。理解するとか何とかいうが、そんなものは百年経ってもだめだ、ただ相あわれむことである。
Posted by ブクログ
女ひとに対する室生犀星の可愛らしい下心がいい。二の腕の美しさについて延々と語るのがいい。―女の人というものはどこかに美点の幾つかをかくしているものであって,虫も殺さぬやさしい性質の人が恐るべき偉大な足をかくしていることに,たくさんの例があった(「為すなきことども」より)。