古井由吉の作品一覧
「古井由吉」の「往復書簡 『遠くからの声』『言葉の兆し』」「この道」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
杳子の心と身体のありようを彼らは便宜上「病気」と呼んでいるけれど、あれは彼女なりの世界の受け取り方でしかないんだよね。彼女は世界を過剰に身体的に知覚してしまう(することができる)というだけ。世界の知覚の仕方なんて人それぞれ違うわけで、それを周りの人間が「治したい」というのはやっぱり「自分にとって都合の良い状態に変えたい」ということでしかないよね。杳子の、発作、症状、とよばれるものの細部が、側から見てどう見えるのか、杳子自身にとってはどんな状況なのか、が丹念に描写されているのがおもしろかった。杳子もSもそれぞれ勝手な人間だが、どちらともにさほど悪感情を抱かずに済んだ。