古井由吉の作品一覧

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作品一覧

2022/02/15更新

ユーザーレビュー

  • 杳子・妻隠
    『杳子』のみ読んだ。
    「海という言葉に呼び起されて、ひとすじの鋭い線が、水平線が、彼の情欲の生温いひろがりの中を走った。水平線を仰いで杳子と二人だけで砂浜に立つ気持を思って、彼は痛みに近いものを軀に感じた。」
    この一節の表現にものすごい迫力を感じた。ここからこの物語がぐらっと揺らいでSは杳子の方へ一...続きを読む
  • 杳子・妻隠
    「だけど、あなたに出会ってから、人の癖が好きになるということが、すこしわかったような気がする」

    外界から遮断された2人の、2人だけで進んでいく物語が好きだから面白かった。2人だけではアンバランスだしとても凸凹がぴったり合わさっているとは言えないけど、妹という外部の人間が介入してくるとそれはそれで均...続きを読む
  • 杳子・妻隠
    筆致に圧倒された。
    だれかと関係を持つ、ともに生活を送る。
    まったくの孤独ではないはずなのに、閉塞的なその関係によってより孤独が深まっていくような、そんな苦しさと寂しさと、やるせなさのようなもの。自分の中で上手く言語化できなかった感覚が、描かれていたような気がした。
  • 辻

    【読もうと思った理由】
    直前の「文学の淵を渡る」でも書いたが、伊坂幸太郎氏と平野啓一郎氏の現役人気作家の両名が、古井氏のことを絶賛している。平野氏は「小説家が尊敬する小説家」といい、伊坂氏は「完璧な小説は?」と問われれば「先導獣の話」と答えるかもしれないと、それぞれが、最大級の賛辞を送っている。また...続きを読む
  • 文学の淵を渡る(新潮文庫)
    【読もうと思った理由】
    古井由吉氏を知ったきっかけが、平野啓一郎氏の「小説の読み方」と伊坂幸太郎氏の「小説の惑星 ノーザンブルーベリー編」だ。現在人気の作家二人が揃って、古井由吉氏を絶賛している。平野啓一郎氏は、小説家が尊敬する小説家と評価しているし、伊坂幸太郎氏は、完璧な小説を挙げるとすると、「先...続きを読む

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