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Posted by ブクログ
杳子の心と身体のありようを彼らは便宜上「病気」と呼んでいるけれど、あれは彼女なりの世界の受け取り方でしかないんだよね。彼女は世界を過剰に身体的に知覚してしまう(することができる)というだけ。世界の知覚の仕方なんて人それぞれ違うわけで、それを周りの人間が「治したい」というのはやっぱり「自分にとって都合の良い状態に変えたい」ということでしかないよね。杳子の、発作、症状、とよばれるものの細部が、側から見てどう見えるのか、杳子自身にとってはどんな状況なのか、が丹念に描写されているのがおもしろかった。杳子もSもそれぞれ勝手な人間だが、どちらともにさほど悪感情を抱かずに済んだ。
Posted by ブクログ
脚本家いながききよたか氏の話から興味を持って読みました。
『杳子』は芥川賞受賞作品
彼女の庇護者のようなつもりの彼氏の一字一句が、彼女を妖しく表しているようで、そこに愛を感じました。
杳子は精神的に不安定な人物ですが、賢い人です。とても魅力溢れるご婦人で、幸せになってほしいと願いたくなります。
映像化したら面白いだろうなと思いました。
『妻隠』は夫婦の話。
この作品は特に〝夕方の風景〟が妙にリアルで懐かしさが感じられます。
主人公寿夫は発熱で会社を休んで一週間。日常でありながら非日常を経験しているようです。妻の礼子の日頃見られない姿を見て色々と思うところが出てきて、なにかと面白いです。少し艶美なシーンがあるのかと思いましたが、寿夫の性格なのかサラリとしたものでした。
2作品とも主人公は男性で、妻や恋人を丸く包み込むような人物でした。
作者の古井由吉もそうなのでしょうか。
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