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Posted by ブクログ
今、作家で、この人の新作が読みたい、というののトップにいるのは古井由吉なんじゃないかしら、と思ったり。この人の作品は、ゆっくりと一日数ページでいいから、たんたんと、読んでいきたい気分にさせる。そして、70歳を越えての、この創作意欲に、感服する。引き続き、この「やすらい花」の連作短篇後は、新潮から群像に一度、場所を移して、さらに隔月で連作短編をまた発表し続けているわけで。すごい、と思う。そして、それをできるだけ長く続けてほしい、と思う。僕の思う、理想型の日本語の美しい文章。ソリッドで、ほとんど無駄がなくて、でも想いの入り込める隙間はきちんとあって、という。(10/11/25)
Posted by ブクログ
人生の最晩年に達した男の回想形式による短編小説6篇。
語り手となる人物は、1937年生まれの古井由吉と同世代に設定されていると思われ、私小説的な一面もあるのかもしれません。
老境に達した人間がどのような心境になるのか、もちろん自分には想像することも難しいのですが、この短編小説集に触れることで、それを疑似体験できたような気がします。
「達観」や「郷愁」といったイメージとはずいぶん違って、案外惑っており、情念的でもあるな、という印象。
回想といっても、時制は単純ではなく、青年時代の出来事を思い出している中年時代の自分を、今、回想しているといった多重階層形式になっていたりします。
言葉づかいは高尚、かつ、思索的で難解な部分も多く、けっして読み易い小説ではありませんが、なかなか味わい深い。
6篇の中では、若き同棲時代、宅の離れを自分たちに貸してくれていた老人との交流を描いた「生垣の女たち」が、ドラマチックで印象深かったです。
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