川崎長太郎の作品一覧
「川崎長太郎」の「女のいる暦」「娼家の灯/面影 川崎長太郎新聞連載随筆集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「川崎長太郎」の「女のいる暦」「娼家の灯/面影 川崎長太郎新聞連載随筆集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
究極の私小説家と言われる長太郎の作品を初めて読んだ。長太郎の身の回り半径5mに起きた出来事が題材という感じなので、確かに”究極”の私小説なのだが、私小説と言われると違和感があった。それが、作品全体の”即物的”な乾いた感覚であることに思い当たった。いわゆる私小説的な情緒、情感といったところは無い。
作品より長太郎自身が気になってしまうのも事実。軍国的時代と資本主義的な生産活動に背を向けた、一人アナーキスト活動と思えてならない。
つげ義春の「無能の人」「ねじ式」を思い出した。
長太郎に関わった周りの人も小説の題材とされてしまい、困ったんではないかと思います。
Posted by ブクログ
時系列が前後するので、川崎長太郎のいくつかの作品を読んでから読むのがいいと思う本。
どこか、阿部昭と根っこが似ている、そんな気もするが(文体は全然違う、何か根本が、というところ。)軍人の父が見た戦前戦後が、阿部昭には何か…何といっていいか分からないけれど、そこに何か夜があるんだけれど、川崎長太郎はそこの差がない。淡々と、自分の人生を歩いた印象だ。一応小笠原に行ったけれど、川崎長太郎には国家のことや世間のことは文章に記すほどの影響や思うことはなかったのだろう。
でもだからこそ、一個人の人生の流れを見せつけられて、ゆっくり死んでいく感触が脳に残った。