お供え

お供え

1,408円 (税込)

7pt

3.6

毎朝、何者かに家の前の「カド」にお供えを置かれ、身に覚えのないまま神様に祀り上げられていく平凡な未亡人。山菜摘みで迷い込んだ死者たちの宴から帰れない女。平穏な日常生活が、ある一線を境にこの世ならぬ異界と交錯し、社会の規範も自我の輪郭さえも溶融した、人間存在の奥底に潜む極限の姿が浮かび上がる七作品。川端康成文学賞受賞。

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お供え のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    二ヶ月くらいかけてぼちぼち読み終えた 昭和50年代くらいの日本の田舎の空気がことこまかく描写されていて、その中で少しずつ違和感が増殖してゆくような作品群 ホラーではないが、悪夢的な世界 個人的には「海梯」が良かった なんともない落書きが増殖するかのようにふえてゆくのがよい

    0
    2020年07月21日

    Posted by ブクログ

    どれも不穏な作品。どれも設定が似てるように思うのは同じ頃に書かれたものだからか。気に入ったのは『迷蕨』『門』『お供え』。『迷蕨』と『門』はどちらも死者と生者が同じ場所にいて時間と空間が歪められ閉じる。どこへも逃れられない。こうやって百年歩いている。階段はもう決してみつからないだろうということだけだっ

    0
    2015年04月15日

    Posted by ブクログ

    怖いような、嫌な感じのような話の連続。しかも感覚でいえば水を吸った畳に寝ているような、映画でいえばJホラー前の昭和の角川映画のような雰囲気が漂っていて気持ちがざわつくが、それを求めて先へ先へと読み進めてしまう。

    0
    2025年05月31日

    Posted by ブクログ

    2冊目の吉田知子。
    お供えだけは先に読んでいた。

    こちらは、わりと似たかんじのストーリーが多い気がした。
    迷蕨、海梯がなんとなく良かった。
    でもどれも怖い。怖いの強さはこの一冊はなかなか大きかった。生と死の堺も、夢と現実の堺も、過去と今の境も移動するうちに全て溶けていき、自分がとろとろと消えていく

    0
    2023年08月11日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     本書に収録されている『お供え』は、一見すると穏やかな中年女性の日常の中に、不可解で幻想的な事象が入り込む作品である。毎朝、主人公の家の前に花や菓子が供えられるという奇妙な出来事から物語は始まり、やがて彼女自身が「神様」なる存在に輿入れさせられる──つまり自らが“供え物”であったという構図が暗示され

    0
    2025年05月10日

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