吉行淳之介の作品一覧
「吉行淳之介」の「原色の街・驟雨」「悪友のすすめ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
新潮文庫の表紙が気に入り購入したものの、数年間積読に。今年に入ってから昭和20~30年代にハマり、ちょうどその当時発表された作品集とのことで漸く手に取った。傑作、傑作…!!!ちゃんと読めて本ッ当に良かった…!!!
表題作の「原色の街」は向島の赤線地帯で出会った娼婦あけみと会社員元木英夫の、たった二度の逢瀬とその結果を描く。恐らく偽名であろう、あけみ。対して、フルネームを与えられた、元木英夫。極めて非対称な二人が最後、共に高みから落ち、同じように夏の太陽を見上げ、目を眇める構図になるのが爽快だったなぁ。季節外れの牡丹雪のように舞い散る例の写真によって、物理的にだけでなく社会的にも二人が堕とされ