若い男女のパーティに、幾人かの中年男が招かれる。その一人佐々は会場で22歳の杉子をホテルへ誘う。処女だという彼女は、決して脚を開かせない代りに、オリーブオイルを滴らせた股間の交接、フェラチオ、クニリングスは少しも厭わない。こうして中年男と若い娘の奇妙な愛は展開していく。しかし事の結末は呆気なくおとずれる。人間の性の秘密を細密に描き上げた一幅の騙し絵(トロンプ・ルイ)。野間文芸賞受賞。
Posted by ブクログ 2023年04月14日
夕暮れまで。澁澤龍彦の随筆に、とある画家のアレゴリーという作品を紹介するものがあって、それは婦女が浮かべた舟上に、人体大の白っぽい球が配置されている絵なのだが、球がなにがしかのアレゴリー(象徴)であるのは分かるが、しかし一体なんのアレゴリーなのか、全く分からない、という内容だった。具象性は高いのだが...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年12月24日
もっとも多く繰り返し読んだ一作(数十回も・・日課のように十日間毎日読んだこともある)。特に作家が好む作家(作品)であるように思われる。同業者として作家がこういう隅々神経の行きとどいた文章に魅せられ、その才能に惹かれるのはよくわかる。反面こういう文章(知性≒感性)はいまの時代にそぐわないものなのかも・...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年07月30日
難しい‼本の厚みだけで云ったら薄っぺらいのに、濃厚な話しだった。解説に卑語が飛び交っていたもんで、どんな内容か不安だった為レビューを読んだらまぁ賛否両論!これはやっちまったかも…と思ったけど、あたしはドンピシャに好きな感じだった。文体もモヤーッとした2人の関係も描写も。杉子も遊びだったのかと思ったけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月07日
主な登場人物は
22歳処女の杉子と、
現代的にいえばチョイ悪な中年の佐々。
ふたりのねじれた肉体関係。
印象に残ったのは、
杉子とのお食事中に、
佐々がレストランのテーブルに
外国のエロ写真をばさっと広げるところ。
「まあ、いやだわ…」
と恥ずかしがりながらも
エロ写真収集癖の...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年11月26日
中年男で妻子あり
なのに遊び人で、若い女といくつもの関係を持っている
そんなやつとの恋愛が、遊びでないわけがない
だから本番行為なし
でもそれ以外なら何でも許しちゃう
そんな娘
処女だと言っている
しかし本当に処女なのだろうか?中年男は疑わしく思うのだった
そんなことにこだわっても仕方がないけれど
...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月13日
あんにゅい。
変なおっさんと、尻軽女(処女―それ以外はなんでもする)のお話。
何も起こらない。いや、正確にいうと途中で女が処女じゃなくなるんだけども、それは話のなかえではどうでもいいことらしい。あっさり描写、てか、見逃したくらいだ。
それにつけても、作者は男である。
この一つも素敵なところのない男...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年06月11日
技巧的な恋愛だな――というのが、第一印象。主人公の佐々さんは、腹立たしいくらい安定しているように見える。飄々と不倫するの。もうちょっと翻弄させてやりたい反面、この手の男性が魅力的に映るあたり、私もクチバシが黄色いよなあ、って。
そんなふうに、主人公はノンシャランな男性っぽく私の目には映るけど、男性...続きを読む