原色の街・驟雨

原色の街・驟雨

605円 (税込)

3pt

見知らぬ女がやすやすと体を開く奇怪な街。空襲で両親を失いこの街に流れついた女学校出の娼婦あけみと汽船会社の社員元木との交わりをとおし、肉体という確かなものと精神という不確かなものとの相関をさぐった「原色の街」。散文としての処女作「薔薇販売人」、芥川賞受賞の「驟雨」など全5編。性を通じて、人間の生を追究した吉行文学の出発点をつぶさにつたえる初期傑作集。

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原色の街・驟雨 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年09月26日

    本書を読んで、感化されるもの、呼び起こされるものがたくさんあったのだけど、上手く言語化できない。思考が上手くまとまらない。唯一つ言えるのは、読んでいる間とても幸福だったことだ。

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    Posted by ブクログ 2015年08月03日

    『驟雨』
    芥川賞作品だったので読んだ。
    切ないというか何と言うか…もどかしい。
    男女の友情や買春とか頭で関係をわかったつもりでも心におとしこめないような曖昧さがそこには存在する。
    新宿に行きたくなった。

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    Posted by ブクログ 2015年04月14日

    「原色の街」
    男どものだらしない欲望(エゴ)を集める自分自身こそ不潔である
    そう考えるなら、彼女にとって娼婦は最適の職業だろう
    そこであれば、不潔な肉体と潔癖な精神を
    職業的意識において、完全に合致させることができるから
    彼女は性的に不感だった
    しかしあるとき、客の男に焦らされたのがきっかけで
    エク...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年10月21日

    暗色の絵画のような文章が、読物の中に引き摺りこんでくれます。
    性的な話を美しいと感じたのは、この人の本が初めてだったと思います。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    夏の休暇 は 
    グワっとせまる夏の濃い青の空の色と
    夏休みの妙にゆったりとした生ぬるい時間
    強すぎる太陽が地面を焦がす匂いを感じる話

    あっけらかんとした語り口

    予感に焦るまだすこし純な娼婦に自分を重ねるように私もいつかなるんだろうか

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    Posted by ブクログ 2022年08月14日

    原色の街と驟雨はどちらもいわゆる赤線地帯と呼ばれる歓楽街の娼婦たちとそこに通う男の物語。都会的でクールな主人公の娼婦との関わり方は付かず離れず。時には心を揺り動かされることもありながらそれを悟られまいとする両者はある種、非常に技巧的な人間関係を敷いているといえる。
    しかし、この技巧的な人間関係という...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月08日

    戦争体験が与えた意味を文学的に表現した第一次戦後派と、西洋の文学理論や新たな手法を積極的に取り入れた第二次戦後派。
    それら戦後派作家に続く形で現れた新しい世代の文学作家達を、評論家の山本健吉は『第三の新人』と称しました。
    『第三の新人』には、共通した思想、定義があるわけではなく、同一の文学理論や問題...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月29日

    なんたる文章力。

    空襲で爆死した父母の若い日の追憶が、その名前に絡まっていた。

    など、どうしたらこんな描写が思いつくのだろうと感嘆する。
    性(肉体)と精神というテーマは、私には響きにくいものであったが、にも関わらず、その文章だけを楽しみに読み進められた

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    Posted by ブクログ 2018年04月03日

    私の今年のテーマは「第三の新人」。
    安岡章太郎、丸谷才一に続いては、吉行淳之介です。
    本書に収められているのは、吉行の初期の短編5編。
    エロティシズムでしょうねー。
    谷崎とはまた違った魅力があります。
    世間的には、表題作になっている「原色の街」や「驟雨」なんでしょうが、ぼくは断然、処女作の「薔薇販売...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    またしても画像がないっ(笑)
    自分が生まれる少し前に発売された本ですね。
    育った街を考えさせられます。

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