作品一覧

  • 根津権現前より 藤澤清造随筆集
    4.5
    1巻2,090円 (税込)
    昭和7年1月、芝公園内で窮死した私小説作家・藤澤清造。その35年後に生まれた西村賢太はみずから「没後の弟子」を名乗り、作品の文学的価値を説き、顕彰に努めた。師の人生をなぞるかのように急逝する直前まで、手ずから諸雑誌を収集し、なめるように編集配列に意を用いつづけた随筆の数々。本書は時空を超えた「魂の感応」の産物というにふさわしい。
  • 根津権現裏
    3.5
    1巻1,232円 (税込)
    明治の末期に、病さえ治せぬ貧困の中に暮らす訪問記者の私。友人の急死によって浮かび上がる社会への怨嗟とは…。初刊から100年、不朽の名作私小説が堂々復刊! 歿後弟子・西村賢太の校訂による決定版。
  • 狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    蘇える木枯しの文士“どうで死ぬ身の一踊り”を実践し、自ら破滅へと向かった大正・昭和初期の私小説家。その生涯を賭した、不屈の「負」の結晶。藤澤清造生誕一三〇周年貧苦と怨嗟を戯作精神で彩った作品群から歿後弟子・西村賢太が精選し、校訂を施す。新発見原稿を併せ、不屈を貫いた私小説家の“負”の意地の真髄を照射する。芝公園で狂凍死するまでの、藤澤清造の創作活動は十年に及んだ。貧苦と怨嗟を戯作精神で彩ったその作品群から歿後弟子・西村賢太が十九篇を精選、校訂を施す。不遇作家の意地と矜恃のあわいの諦観を描く「狼の吐息」、内妻への暴力に至る過程が遣る瀬ない「愛憎一念」、新発見原稿「乳首を見る」、関東大震災直後の惨状のルポルタージュ等、不屈を貫いた私小説作家の“負”の真髄を照射する。西村賢太登場時すでにして古めかしいと評され、冷笑視されてもいたその文体だが、当然、小説が日記やレポートの類と違うのは、それが読者に読ませるものでなければならない点にある。その上では何んと云っても文体がモノを言ってくるわけだが、清造の場合、自らの古風、かつ独自の文体をより強固に支えるに戯作者の精神を持ってきた。そこが良くも悪くも、凡百の自然主義作品とは大きく異なるところである。「解説」より
  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他
    3.5
    1巻1,232円 (税込)
    貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて散った、藤澤清造。その玉石混交の作品を歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂する。 貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて書き、無念に散った無頼の私小説家・藤澤清造。その短くも不屈の活動期間に残した玉石混交の作品を、歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂。商業誌初登板の、伸るか反るかの情熱が作の巧拙を超えて迫りくる「一夜」、抱腹絶倒の借金文学の傑作「刈入れ時」、故郷で危篤に陥った母の死を、貧ゆえに切望する「母を殺す」等、十三篇を収録。 新発見原稿「敵の取れるまで」を併録。

ユーザーレビュー

  • 根津権現前より 藤澤清造随筆集

    Posted by ブクログ

    読むの時間かかったなぁ。
    でも良かったよ。

    自分の事棚に上げてとは思うんだけど、岡田の兄よりはずっと友を想ってたなと。

    夏目漱石の『こころ』が好きな人は好きなんじゃ無いかな。

    0
    2024年01月02日
  • 根津権現裏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

      「ああ、何時までこうした生活を続けねばならないのか。」 

     これは、主人公が知人宅に着物を借りに行くも叶わず、帰りしな閉店間際の鮨屋に少し詰めてもらい食べながら吐露した言葉だ。とても他人事とは思えず身に沁みた。
     貧苦に加えて病苦にも囚われ抜け出せない主人公の不平不満、カネの渇望、富める者や健やかな者への羨望と嫉妬、貧乏や愚鈍への嫌悪と怨嗟、そして友人の自殺。陰鬱な繰り言・恨み言や出来事が落語か講談のような明るさと軽やかさのある文体で綴られている。持病に苦しみ、その日の食事どころか嗜好品の煙草1本すら儘ならぬ主人公の生活苦の生々しさに慄き、また本気で脱却改善を望んでいるのか判らぬ彼の中途

    0
    2024年03月22日
  • 根津権現前より 藤澤清造随筆集

    Posted by ブクログ

    藤澤清造の随筆。
    書評、劇評など。
    文体が古く読みづらいけど慣れてくると藤澤清造が持ってる面白さが見えてくる。
    自身の小説に対しての批評に対して反論してるの面白い。過去の小説また読みたくなった。

    0
    2023年08月03日
  • 狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集

    Posted by ブクログ

    ・一夜
    ・けた違いの事
    ・秋風往来
    ・狼の吐息
    ・刈入れ時
    ・母を殺す
    ・愛憎一念
    ・予定の狼狽
    ・赤恥を買う
    ・雪空
    ・此処にも皮肉がある 或は「魂冷ゆる談話」
    ・土産物の九官鳥
    ・乳首を見る
    ・嘘
    ・愚劣な挿絵
    ・生地獄図抄
    ・われ地獄路をめぐる
    ・焦熱地獄を巡る
    ・めしいたる浅草

    めーちゃくちゃ良かった。
    確かに言い回しなとが難しいが藤澤清造作品は回数を重ねると慣れてきてその面白さが見えてくる。

    0
    2023年04月13日
  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他

    Posted by ブクログ

    一夜
    ウィスキーの味
    刈入れ時
    女地獄
    母を殺す
    犬の出産
    殖える癌腫
    ペンキの塗立
    豚の悲鳴
    槍とピストル
    敵の取れるまで

    (戯曲)



    なかなか入り込めないものもあったけど藤澤清造の世界は味わい深かった
    そして戯曲はかなり楽しめた

    0
    2022年12月15日

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