藤澤清造のレビュー一覧

  • 根津権現前より 藤澤清造随筆集

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    読むの時間かかったなぁ。
    でも良かったよ。

    自分の事棚に上げてとは思うんだけど、岡田の兄よりはずっと友を想ってたなと。

    夏目漱石の『こころ』が好きな人は好きなんじゃ無いかな。

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    2024年01月02日
  • 根津権現裏

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    ネタバレ

      「ああ、何時までこうした生活を続けねばならないのか。」 

     これは、主人公が知人宅に着物を借りに行くも叶わず、帰りしな閉店間際の鮨屋に少し詰めてもらい食べながら吐露した言葉だ。とても他人事とは思えず身に沁みた。
     貧苦に加えて病苦にも囚われ抜け出せない主人公の不平不満、カネの渇望、富める者や健やかな者への羨望と嫉妬、貧乏や愚鈍への嫌悪と怨嗟、そして友人の自殺。陰鬱な繰り言・恨み言や出来事が落語か講談のような明るさと軽やかさのある文体で綴られている。持病に苦しみ、その日の食事どころか嗜好品の煙草1本すら儘ならぬ主人公の生活苦の生々しさに慄き、また本気で脱却改善を望んでいるのか判らぬ彼の中途

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    2024年03月22日
  • 根津権現前より 藤澤清造随筆集

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    藤澤清造の随筆。
    書評、劇評など。
    文体が古く読みづらいけど慣れてくると藤澤清造が持ってる面白さが見えてくる。
    自身の小説に対しての批評に対して反論してるの面白い。過去の小説また読みたくなった。

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    2023年08月03日
  • 狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集

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    ・一夜
    ・けた違いの事
    ・秋風往来
    ・狼の吐息
    ・刈入れ時
    ・母を殺す
    ・愛憎一念
    ・予定の狼狽
    ・赤恥を買う
    ・雪空
    ・此処にも皮肉がある 或は「魂冷ゆる談話」
    ・土産物の九官鳥
    ・乳首を見る
    ・嘘
    ・愚劣な挿絵
    ・生地獄図抄
    ・われ地獄路をめぐる
    ・焦熱地獄を巡る
    ・めしいたる浅草

    めーちゃくちゃ良かった。
    確かに言い回しなとが難しいが藤澤清造作品は回数を重ねると慣れてきてその面白さが見えてくる。

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    2023年04月13日
  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他

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    一夜
    ウィスキーの味
    刈入れ時
    女地獄
    母を殺す
    犬の出産
    殖える癌腫
    ペンキの塗立
    豚の悲鳴
    槍とピストル
    敵の取れるまで

    (戯曲)



    なかなか入り込めないものもあったけど藤澤清造の世界は味わい深かった
    そして戯曲はかなり楽しめた

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    2022年12月15日
  • 根津権現裏

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    前回の読書会課題図書、
    苦役列車から寡聞にして未読だったこちらを。
    実は当の読書会でお借りしていたうちの1冊。
    校訂は西村賢太さん。

    とりあえずコチラを読んで、苦役列車の文体がなぜあんなにも古めかしく、難読漢字がたくさん出てくるのかがわかった。
    めちゃくちゃリスペクトしてるのね。

    読む前から、内容は陰鬱で救われない私小説であるらしいと聞いていたので、心して読みはじめたんだけど…

    …めっちゃ面白いと思ってしまった。

    確かに救われない。
    貧困と病気に生活を苛まれ、
    似たような境遇の友人が自ら縊死した原因についてああでもないこうでもないと模索するという、本当に陰鬱な内容。
    特に最後の方は著者

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    2022年06月20日
  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他

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    東京にはどこに行ってもなかった西村賢太ものが神戸ジュンク堂にはありました。

    田中栄光と並び西村賢太さんが敬愛してやまなかった「藤澤清造」氏の短編集を思わず購めました。

    内容としてはどちらかというと私小説ではなかったので少し、肩透かしな感じがしたけれども、苛烈にどこまでも「貧困」にこだわり、突き詰めた結句、またしも貧さの砂に埋もれてゆく、そんな姿が浮き立つような作品が多く、西村賢太に通底するものがあると感じた。

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    2022年04月29日