藤澤清造のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ああ、何時までこうした生活を続けねばならないのか。」
これは、主人公が知人宅に着物を借りに行くも叶わず、帰りしな閉店間際の鮨屋に少し詰めてもらい食べながら吐露した言葉だ。とても他人事とは思えず身に沁みた。
貧苦に加えて病苦にも囚われ抜け出せない主人公の不平不満、カネの渇望、富める者や健やかな者への羨望と嫉妬、貧乏や愚鈍への嫌悪と怨嗟、そして友人の自殺。陰鬱な繰り言・恨み言や出来事が落語か講談のような明るさと軽やかさのある文体で綴られている。持病に苦しみ、その日の食事どころか嗜好品の煙草1本すら儘ならぬ主人公の生活苦の生々しさに慄き、また本気で脱却改善を望んでいるのか判らぬ彼の中途 -
Posted by ブクログ
前回の読書会課題図書、
苦役列車から寡聞にして未読だったこちらを。
実は当の読書会でお借りしていたうちの1冊。
校訂は西村賢太さん。
とりあえずコチラを読んで、苦役列車の文体がなぜあんなにも古めかしく、難読漢字がたくさん出てくるのかがわかった。
めちゃくちゃリスペクトしてるのね。
読む前から、内容は陰鬱で救われない私小説であるらしいと聞いていたので、心して読みはじめたんだけど…
…めっちゃ面白いと思ってしまった。
確かに救われない。
貧困と病気に生活を苛まれ、
似たような境遇の友人が自ら縊死した原因についてああでもないこうでもないと模索するという、本当に陰鬱な内容。
特に最後の方は著者