根津権現裏

根津権現裏

小説・文芸
1,232円 (税込)

6pt

3.3

明治の末期に、病さえ治せぬ貧困の中に暮らす訪問記者の私。友人の急死によって浮かび上がる社会への怨嗟とは…。初刊から100年、不朽の名作私小説が堂々復刊! 歿後弟子・西村賢太の校訂による決定版。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    根津権現裏
  • タイトルID
    :
    20029665
  • 電子版発売日
    :
    2020年12月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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    Posted by ブクログ

    前回の読書会課題図書、
    苦役列車から寡聞にして未読だったこちらを。
    実は当の読書会でお借りしていたうちの1冊。
    校訂は西村賢太さん。

    とりあえずコチラを読んで、苦役列車の文体がなぜあんなにも古めかしく、難読漢字がたくさん出てくるのかがわかった。
    めちゃくちゃリスペクトしてるのね。

    読む前から、内容は陰鬱で救われない私小説であるらしいと聞いていたので、心して読みはじめたんだけど…

    …めっちゃ面白いと思ってしまった。

    確かに救われない。
    貧困と病気に生活を苛まれ、
    似たような境遇の友人が自ら縊死した原因についてああでもないこうでもないと模索するという、本当に陰鬱な内容。
    特に最後の方は著者の頭の中の言葉がダラダラと垂れ流されているような…、
    思考の行ったり来たりを追想しているような、
    なんとも重苦しく、正直、
    「ああ苦痛だ、長いなぁ」とも感じたものだった。しかも私小説だからたぶんどんでん返しとか劇的なカタルシスも期待できない状況で、ラスト10頁ほどを読み進めるのは結構しんどかった。

    だったらどこが面白かったのか。

    たぶんこれはわたしの性格の悪さゆえなのかもしれない。
    とことん不幸で、不平不満を綴っているブログとか、某SNSとかを興味本位で読んでいる感覚に近い。
    西村賢太さんが惹かれたのは絶対そこじゃないと思うんだけど、わたしにとっては貧困や病気、絶望感を持った人間の思考を覗き見るのは罪悪感もあるけどどうにも興味深いな、と感じてしまうのだ。
    自分は絶対そうならないとは思わないけど、そうなった時に自分ならどう考えるかという予行演習をしているみたいな。
    いや、やっぱり興味本位な部分が大きいな。
    途中に出てくる極端なルッキズムにも嫌悪感というよりも新鮮さを感じた。

    それと多分この時代背景。
    大正時代くらいの小説が好きなので、この頃の東京の一端をライブ感ある文章で見られるのは単純に楽しい。

    それにしても、時々読みにくいと感じるところもあったけど、全体的に端正で直線的なわかりやすい文章は現代的な校訂があったとしてもかなり良く、そこに支えられて面白いと思わされる部分も大きかった。

    なんだかいろいろな感情がわいてくる味わい深い小説でした。読んで良かった。


    0
    2022年06月20日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

      「ああ、何時までこうした生活を続けねばならないのか。」 

     これは、主人公が知人宅に着物を借りに行くも叶わず、帰りしな閉店間際の鮨屋に少し詰めてもらい食べながら吐露した言葉だ。とても他人事とは思えず身に沁みた。
     貧苦に加えて病苦にも囚われ抜け出せない主人公の不平不満、カネの渇望、富める者や健やかな者への羨望と嫉妬、貧乏や愚鈍への嫌悪と怨嗟、そして友人の自殺。陰鬱な繰り言・恨み言や出来事が落語か講談のような明るさと軽やかさのある文体で綴られている。持病に苦しみ、その日の食事どころか嗜好品の煙草1本すら儘ならぬ主人公の生活苦の生々しさに慄き、また本気で脱却改善を望んでいるのか判らぬ彼の中途半端な言動にかなり苛々とさせられもしたが、読み応えある一冊だった。

    0
    2024年03月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初清造。これは一体誰が主人公なんだ?最初は"私"かと思っていたが、途中から雲行きが怪しくなってきたぞと。そしてある人物がまるで自分を見ているようで、辛いと同時に嫌気(恐らくというか、間違いなく同族嫌悪だと思われる)が差す…。"私"もそして《自殺》した岡田も、どちらも本当にどうしようもない男で、西村氏が著者を心酔してしまう気持ちが痛いほどよくわかる。
    出だしはあまり面白くなかったものの、ある事件が起きてからは面白く読めた。どうしようもない人間の「弱さ」を描ききった私小説。星三つ半。

    貧困は人間を殺す。それは昔も今も変わらない…。

    0
    2026年06月23日

根津権現裏 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    根津権現裏
  • タイトルID
    :
    20029665
  • 電子版発売日
    :
    2020年12月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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