雨滴は続く

雨滴は続く

小説・文芸
1,100円 (税込)

5pt

4.5

芥川賞受賞“前夜”の知られざる姿を描いた遺作
連載中に著者が急逝、刊行時に話題を集めた遺作が、三回忌を前に早くも文庫で登場。

2004年の暮れ、北町貫多は、甚だ得意であった。同人雑誌に発表した小説「けがれなき酒のへど」が〈同人雑誌優秀作〉に選出され、純文学雑誌「文豪界」に転載されたのだ。次いで、「群青」誌の編集者から、貫多は小説を依頼される。純文学雑誌に小説を発表することは、私淑してきた不遇の私小説作家・藤澤清造の“歿後弟子”たる資格を得るために必要なことであった。しかし、年が明けても小説に手を付ける気にはなれなかった。恋人を得たいとの欲求が、それどころではない気持ちにさせるのだ。貫多は派遣型風俗で出会った川本那緒子の連絡先を首尾よく入手し、デートにこぎつける。
有頂天の貫多は子持ちの川本と所帯を持つ妄想をする。ところが貫多は、取材に来た若い新聞記者・葛山久子に一目ぼれをしてしまう。小説家志望の葛山に貫多は自作掲載誌を送るが、その返信はそっけないものだった。手の届く川本と脈のなさそうな葛山、両者への恋情を行きつ戻りつしながらも貫多は「群青」に短篇、匿名コラム、書評を発表していく。そして渾身の中篇「どうで死ぬ身の一踊り」が掲載されたが、その反響は全く感じられなかった。同じころ、葛山からは返信が途絶え、川本にはメールが通じなくなり、前途に俄かに暗雲が立ち込めるのだった。
完成直前で未完となった、著者、最後、最長にして最高の長篇1000枚。巻末にヒロイン”葛山久子”による特別原稿を収録。

※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    雨滴は続く
  • タイトルID
    :
    1494637
  • ページ数
    :
    560ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年01月04日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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雨滴は続く のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    記者にこの口臭女ー!。風俗のおふうさんに、この商売女!笑たわ。性欲と情愛、剥き出し。これが私小説、西村賢太。わかる、わかるんだよ。俺も人には言えないけど。46迄、独身だった。おふうさんみたいな人に会ったよ。あわや世帯をもつかと考えたよ。賢太先生、生まれ年も同じだし。俺は中卒では無いが親父はめちゃくちゃ。TVでも拝見してシンパシー感じてた。亡くなってからしか読んでないんが悔やまれる。

    0
    2026年09月07日

    Posted by ブクログ

    西村賢太11冊目

    序盤、某作品は横光利一の作品をもじったとの記述があり、期せずして答え合わせができて嬉しくなる

    貫多が商業誌に掲載される駆け出しの作家になるまで、内容はクズ男の日常といつも通りなのだが半分は恋愛要素となっており、しかもWヒロインの三角関係(良く言えば

    背表紙には巻末には片方の女性が文章を寄せていると書いてあったがそれは盛大なネタバレじゃないか!
    しかもその方、口臭とかクチクサとか書かれてますよ何回も

    なぞ思いながら残りページ数が減ってきてあれ?となる

    やられた!これはもはや叙述トリック!傑作
    他の作品を読んだぶんだけキッチリハマるやつ!

    終盤の「根は〇〇でできている」ラッシュはいくらなんでもページ稼ぎが過ぎると感じて星を減らすつもりだったが、満点をつけざるをえない

    ヒロインの文章も没後じゃないと絶対に掲載されなかったであろう内容で、雨滴が続いた最後に晴れを見せてくれる

    0
    2025年12月28日

    Posted by ブクログ

    西村賢太という作家の人間そのものが溢れ出た名作です。読んでいて何度も自分にも当てはまるフシがあるなと思い、それを隠すこともなくさらけ出す私小説書きの貫多の心情に共感と賛美しかありません。喫茶店で一人読んでいて、あまりの人間味の強さに吹き出しそうになりました。葛山久子さんからの特別原稿は感動で心が震えます。もう西村賢太さんはいないのだ、という事実に寂寥を覚えます。

    0
    2024年05月20日

    Posted by ブクログ

    「根は○○」が見開き2ページごとに出てくるから気になってたんだけど、調べてみたらtwitterでbotも作られてたのか

    0
    2025年10月22日

    Posted by ブクログ

    西村さんの名前を鶯谷のルポで知り読み始めた。
    私小説家が芥川賞を受賞するまでの物語。自分の才能に悩み、女に逃げ、卑怯な二股を掛ける。まあ酷い主人公なんだけど、そこが真理を抉っていて怖いもの見たさでついつい引き込まれていく。
    この本が絶筆となった由。残念

    0
    2024年11月24日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞前夜を描いた作品。

    その後現在に至るまで、唯一小説家風の気分をウットリ顔で味わっていた、幸福と云えばそうとも云える時期であったかもしれぬ。

    0
    2026年03月01日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    北町貫多が小説家として認知されるまでの期間(芥川賞候補になるまで)が描かれています。

    中年に差し掛かった北町貫多自身の小説家としての仕事や才能に対する期待と不安が、事あるごとにオセロのように逆転していく心情風景と、子持ちの風俗嬢と女性新聞記者への一方的に岡惚れする心情風景とが相まって、歪んだ四重奏みたいになっていて飽きさせません。
    この「歪んだ」というのが西村賢太の持ち味であることは言うまでもありません。

    西村賢太の作品でも個人的に「一夜」は好きな作品であったので、その誕生秘話?みたいな描写はとても興味深いものでした。

    「雨滴は続く」は特に顕著だったと思うのですが、西村賢太の私小説がなぜこんなに面白いのか?中毒的に人を惹きつけるのか?
    ちょっと分かった気がします。
    北町貫多の物語にはマズローの欲求段階説が埋め込まれているような気がします。人間の清濁併せ持った欲が詰め込まれているんです。
    お下劣なまでの生理的欲求から、精神的な自己実現欲求までこの作品には詰まっています。
    それをここまで嫌味にならずに高尚に書き上げるのは、作者の才覚の賜物だと思っています。

    西村賢太の最高傑作だと思います。

    しかし、新川さんはどこまでお人好しなんだろう。

    0
    2026年05月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    電車内で笑いをこらえるのがつらかった。
    初の1000枚長編は、実にダラダラ、ジワジワとしか進まない。
    ・シングルマザーのデリヘル嬢おゆう、こと川本那緒子。
    ・七尾〈清造忌〉の取材に来た新聞記者の葛山久子。
    ・作家としての成り上がり前夜の時期に、作家であることがプライオリティになるのではとヤキモキ、フラフラ。
    ・新川の活躍も見所。
    ・ワンシーンワンシーンというより、一文一文のサービス精神が凄い。

    0
    2024年02月02日

雨滴は続く の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    雨滴は続く
  • タイトルID
    :
    1494637
  • ページ数
    :
    560ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年01月04日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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