Posted by ブクログ 2013年07月26日
著者お得意の「秋恵と貫多」シリーズが4話。空気を読めない秋恵のちょっとした無神経っぷりが空回りし、貫多の怒りは段階を経て沸点に達する。そして、爆発。しかし、すぐに後悔する貫多。そして土下座謝罪。
基本的にどの短編もこの流れ。安定感のある西村作品の王道だ。マンネリなんだけど、純文学を思わせる芸術性の...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年07月06日
4つの短編からなる秋恵との日記。表題の「寒灯」は、初めて一緒に過ごす正月に秋恵が貫多に断りも無しに単独帰郷を決めていた事に対する憤りの話。男が嫌いな、女性のこうした無神経さを短編に上手く纏めてあり共感。巻末の「腐泥の果実」は秋恵と別れてから八年後に、当時を想起させる品と出会い、その心情を語る一編。
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Posted by ブクログ 2012年08月22日
北町貫多の念願の女性との同棲生活が中心の内容。
これまでの作品の中でもかなり読みやすかった。
それにしても彼ほど後悔がついてまわる人間もいないのではないか。
後悔する様子を見事に描いていると思う。
彼の女性に対する態度は相変わらずにひどいものであると思う。
ただ「腐泥の果実」におけるプレゼント諸...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月24日
いつも通りの短編集。芥川賞受賞後初の短編集らしいが、受賞前と何が違うのか、あるいは何かが違っているのかは知らない。
個人的にもっとも面白かったのは「腐泥の果実」。木枯しの吹く寒い日、主人公北町貫多は文具店で以前交際していた女性が誕生日にプレゼントしてくれたものと同じペン皿が売られているのを見つ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月08日
「ぼく、おまえをずっと大切にするから、今後ともひとつよろしく頼むよ」
待望の恋人との同棲生活の始まり。
仲睦まじく二人で迎える初めての正月に貫多の期待は高まるが、些細な事柄に癇の虫を刺激され、ついには暴言を吐いてしまう。
二人の新生活にあやうく垂れ込める暗雲の行方は―。
…
これは"...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年08月11日
西村賢太氏の最新単行本。
おなじみ北町貫多が、恋人秋恵と同棲し、やがて去られてしまうまでの物語。数篇の短編小説が連作の形で収録されている。
秋恵のことを書いた小説は、秋恵シリーズというらしい。今回の小説の中で、同じテーマ(秋恵)ばかり書いているようなことを貫多が言っている。秋恵は西村氏にとって永遠の...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年08月08日
北町寛太シリーズで貫太にようやく秋恵という恋人が出来て一緒に暮らし始める「隠雲晴れぬ」から秋恵と別れたあとの話しの「腐泥の果実」まで貫太と秋恵の話しが4編収録されている。
相変わらずの賢太節で仔細な事に腹を立てて自分の事は棚に上げて秋恵に怒り出す。最後の作品では出て行った秋絵に未練たらたら・・・
マ...続きを読む