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2011年3月から2012年5月までを綴った、平成無頼の私小説家・西村賢太の虚飾無き日々の記録。賢太氏は何を書き、何を飲み食いし、何に怒っているのか。あけすけな筆致で綴る、ファン待望の異色の日記文学、第一弾。
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Posted by ブクログ
日記形式の作品で、本当にその日のあった事を淡々と書き連ねている。 短い日はほんの数行。 短い文章の中に色々な出来事が上手く書き込まれていて、いつのまにか引き込まれてしまった。 ほぼ、一気読みして、西村賢太さんの作品を色々と読んでみたくなった貴重な作品であった。
最近は西村賢太ばかり読んでいます。 もう、西村賢太にあらずんば作家にあらず―というくらい。 今年になってから小説を4冊読んで、手元にはまだ2冊あります。 いずれ全著作を読破するつもり。 密やかな愉しみです。 ただ、新作が出ることは、もう二度とありません。 云うまでもなく、西村賢太は今年2月に亡くなっ...続きを読むたから。 読み切ったら繰り返し読むしかないでしょう。 ところで、小説だけでなく、随筆も読んでみたい―と、取り寄せたのが本書。 ファンの間で「日乗シリーズ」と呼ばれる作品群の第1弾です。 西村賢太の日記。 毎日、どこへ行き、何を見て、誰と会い、何をどれだけ食べて飲んだのかが記されています。 まず、興味を引いたのが、その食いっぷり、飲みっぷり。 たとえばある日の夜(というか深更)のメニューは次の通りです。 缶ビール2本、宝1本、冷凍食品の牛皿とレトルトカレー、ウインナー缶、オリジンの白飯。 「宝1本」というのは、宝焼酎の720ml瓶のこと。 これを毎晩、ほぼ1本空けるのです。 しかも大量の食べ物と共に。 これでは体を壊すというもの。 でも、西村賢太には、そんな世間の常識なぞ関心の埒外。 ファンにとっても、そうした不健康な生活があって、傑作の数々が生み出されたとあっては、積極的に支持しないまでも、看過するほかありません。 結句、死んでしまったわけですが…。 日記にはその他、編集者との諍いや芸能活動、もちろん創作についても語られます。 規格外の作家の日常に触れられる貴重な日乗です。
苦役列車に続き、もう少し読んでみたくなった西村賢太。 基本ただの日記なんだが、芥川賞前後の生活が書かれていて、興味深い。 執筆をボールペンとノートで下書きからしてるのはある意味すげえと思ったのと、藤澤清造のマニアッぷりがすごい。 やはり成功する人は、信念やメンターな存在を大切にしているんだと納得。 ...続きを読むもう少し西村作品を読みたい
無頼と評される事が多く、見た目からも無骨な印象を受ける事の多い著者。でもその印象がいい意味でひっくり返される。 苦手意識を持っている人こそまずこの本から彼の作品に触れてみてほしい。
西村賢太の作品が私小説であるが故に、この単なる日記も同じ主人公であり、こういう日常を面白おかしく膨らませて私小説が書かれているとおもうと面白い。でも何より解説にもあるが、文章のリズムの良さが飽きさせずに読み進めさせるのだろう。
苦役列車からの2冊目として購入。 入浴、サウナ、宝と毎日の変わらないルーティンが心地よく感じる。好きな仕事と好きな事をやりながらの日々は羨ましく、色々刺激される作品である。すでに西村作品の沼におちてます。
まあ、普通の…淡々とした日記ですねぇ…西村氏、毎日かなりの量のお酒を飲んでおられますな! 自分からしたらあまりにも多い…そんなに焼酎たくさん飲んだら自分だったらきっと意識朦朧としてその場で寝ていますよ…西村氏、酒強いんですなぁ…。 などといったことを思いましたかね。他には特には…この日記、シリーズ...続きを読む化しているんですねぇ! ヽ(・ω・)/ズコー それには本当に驚きました。だって本当に箇条書きっつか、淡々とした、備忘録みたいなものなんですもの…。 一作目である今回は東日本大震災が起こった辺りからのスタートになります。ま、そんな地震が起きても西村氏は殊更に騒ぎ立てたりせずに淡々としているんですけれどもね…。 ファンには良いエッセイ?と言えるのではないでしょうか…さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー
日記の面白さに気づく一冊だった。 書いてあることといえば、主に朝から晩までの行動についてだけ。何時に起床、入浴し、一日こういう仕事を行い、食べた物の記録があり、明け方に酒を呑み一日を終える。時々、尊敬する人物への熱い思いが綴ってあり、編集者との喧嘩や愚痴も書いてある。 でも日記として気楽に楽しめる範...続きを読む囲の事しか書かれていない。3.11の時は平静でいられない日々が続いたと思うが、それについての記述がほぼ無いことから、何を書いて何を書かないかというのが徹底しているように感じた。この日記を読んでいて不思議と癒しを覚えるのは、その取捨選択が絶妙だからなのかもしれない。 まだ『苦役列車』しか読んだことがないが、その時に感じた面白みを本書でも得られたのが良かった。妙に人懐っこさを感じるのと、憎めなさがあると思う。ほかの著作も読んでみたい。
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