塚本邦雄の作品一覧
「塚本邦雄」の「王朝百首」「菊帝悲歌 小説後鳥羽院」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「塚本邦雄」の「王朝百首」「菊帝悲歌 小説後鳥羽院」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『紺青のわかれ』に続いて1973年に発表された塚本邦雄の第二小説集。
◆ 「奪」
タイトルの〈奪〉は、塚本ワールドにおいてはおそらく〈愛〉を意味している。塚本の小説世界における愛と執着のかたちを盛りすぎなほど盛り込んだ中篇。読者は複雑な相関図を指で辿るように読み解き、縺れ合う人間関係の全貌が明らかになった瞬間に幕、というスタイルがここで既に確立されている。三島由紀夫『春の雪』の蓼科を思わせる紅子が大変良いキャラ。しつこく繰り返されるピエタのモチーフは「連弾」に持ち越される。
◆ 「連弾」
嫁と姑と老女中のキャットファイトから語り始める塚本さん、やっぱ男同士の愛憎なんかより女を書くほうが楽
Posted by ブクログ
男たちの秘め事と、それを嗅ぎつけた女たちの策略。前衛短歌の巨匠がその濃密な筆力を尽くして築き上げた、男と男の秘密と破滅の世界に浸る短篇集。
『十二神将変』復刊に続いて、『紺青のわかれ』文庫化、ありがとう!旧仮名遣いは変わらずだけど、新漢字になったおかげでずいぶん読みやすくなった。芸術の造詣深く、料理、ファッション、花からインテリアまで拘り抜く塚本好みにきっちりと設えた城のような文体は一見とっつきにくいけど、鏡花を崩したような講談調のリズムにのって意外とするする読める。
階段状にタイトルが一文字ずつ長くなっていく作品たちはほぼ執筆順に並べられていて、読み進むごとにクオリティが上がり面白くなっ