塚本邦雄のレビュー一覧

  • 連弾

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    短編集6篇
    塚本邦雄ワールドが絢爛豪華に妖しく咲き誇っている。主人公も眼を損なう画家だったり手首を痛めるピアニストだったりしてどこか欠けてあるいは亡くなっていく。愛憎執着嫉妬が乱れ乱れ、美しく壊れた上質な手触りの物語。
    知識がついていけないのが少し残念。
    また目次のレイアウトが面白い。

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    2025年01月16日
  • 連弾

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    『紺青のわかれ』に続いて1973年に発表された塚本邦雄の第二小説集。


    ◆ 「奪」
    タイトルの〈奪〉は、塚本ワールドにおいてはおそらく〈愛〉を意味している。塚本の小説世界における愛と執着のかたちを盛りすぎなほど盛り込んだ中篇。読者は複雑な相関図を指で辿るように読み解き、縺れ合う人間関係の全貌が明らかになった瞬間に幕、というスタイルがここで既に確立されている。三島由紀夫『春の雪』の蓼科を思わせる紅子が大変良いキャラ。しつこく繰り返されるピエタのモチーフは「連弾」に持ち越される。

    ◆ 「連弾」
    嫁と姑と老女中のキャットファイトから語り始める塚本さん、やっぱ男同士の愛憎なんかより女を書くほうが楽

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    2024年10月24日
  • 新古今の惑星群

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    古文の知識も、本歌取りの古典の知識も、旧字体の知識すら乏しいので、書いてあることの半分も理解できませんでした。

    けれど、これだけリテラシーの無い私でも、大・塚本邦雄が真剣に短歌に向き合っている情熱と、平安歌人の思考を追想しようという気概をひしひしと感じました。

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    2022年10月27日
  • 紺青のわかれ

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    男たちの秘め事と、それを嗅ぎつけた女たちの策略。前衛短歌の巨匠がその濃密な筆力を尽くして築き上げた、男と男の秘密と破滅の世界に浸る短篇集。


    『十二神将変』復刊に続いて、『紺青のわかれ』文庫化、ありがとう!旧仮名遣いは変わらずだけど、新漢字になったおかげでずいぶん読みやすくなった。芸術の造詣深く、料理、ファッション、花からインテリアまで拘り抜く塚本好みにきっちりと設えた城のような文体は一見とっつきにくいけど、鏡花を崩したような講談調のリズムにのって意外とするする読める。
    階段状にタイトルが一文字ずつ長くなっていく作品たちはほぼ執筆順に並べられていて、読み進むごとにクオリティが上がり面白くなっ

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    2022年06月18日
  • 王朝百首

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    歯に絹着せぬ、百人一首批判が面白かった。評者選出のほうが好ましくおもったり、元のほうが良いと思ったり。そこに時代の流れ、感性の違い、個人の違いが立ち現れておもしろい。和歌を身近に感じさせてくれる評者の本音は一見の価値あり。

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    2019年07月14日
  • 定家百首 雪月花(抄)

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    ネタバレ

           -2005.12.08記
    塚本邦雄の「定家百首-良夜爛漫」は見事な書だ。
    「拾遺愚草」3564首を含む藤原定家全作品四千数百首の中から選びぬいた秀歌百首に、歌人塚本邦雄が渾身の解釈を試みる。
    邦雄氏の本領が夙に発揮されるのは、一首々々に添えられた詩的断章だ。
    一首とそれに添えられた詩章とのコレスポンデンス=照応は、凡百の解釈などよりよほど鑑賞を深めてくれる。
    たとえば、百首中の第1首ではこうなる。
    「見渡せば花ももみぢもなかりけり浦のとまやのあきの夕ぐれ」
      上巻「二見浦百首」の中、「秋二十首」より。新古今入選。
       はなやかなものはことごとく消え失せた
       この季節のたそ

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    2013年05月27日
  • 王朝百首

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    塚本邦雄を知ったのは、寺山修司がすきだったからだ。彼の芸術に対する考え方には共感できるし、定家百首やこの王朝百首に見る感性もまたすばらしく、昔のうた、今のうたを読むにしろ、彼に付き従っていきたくなる。日本語はやはり美しいと実感させられる一冊。

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    2011年01月16日
  • 菊帝悲歌 小説後鳥羽院

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    1ページに改行か1回しかない
    音読すると楽しいので、読む速度がどんどん遅くなってる
    オーディブルに入れて欲しい
    できれば 詠む人は現在実朝を演じてる人がいいなあ

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    2022年11月14日
  • 紺青のわかれ

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    筋など書いても虚しいばかり。いくら書いても、物語の肝心の所は見えてこない。実際、筋だけ取り上げれば、よくある話をひねりもなく展開しているだけと言えなくもない。細部に宿るタイプと言えば簡単だが、それも微妙に違う気がする。多くの話に筋から見て不要と思える逸脱がダラダラとあって、それが奇妙に魅力的なのが困る。いや、こちらが筋と思っているものなど、元から筋ではないのかも知れないが。

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    2022年10月01日
  • 王朝百首

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    最早執念の百人一首批判を除けば面白かった。好きな和歌を沢山発掘出来た。俊成卿女と躬恒と源順の歌が好み。

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    2012年07月17日