三木卓の作品一覧
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ユーザーレビュー
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映画は割と怖いらしいけど見たことがない。得体の知れないものに侵され娘が得体の知れないものになっていく恐怖、診断と治療、破傷風との戦いと家族をめぐる環境、冷静であろうとして感情のこもった雰囲気がうまく書かれている。万が一、何かの実体験を書くことになったらこういう文章を書きたいと思う。子供ができてから、
...続きを読む破傷風そのものの症状より看病する親の心情と疲労の方がリアルで感情移入しそうだった。
p82 うすぐらい室内のなかで昌子の顔は闇の黴に蝕まれているように見え、それは僅かずつではあるが昌子がわたしたち夫婦の支配する圏から脱しつつある兆のように思われた。(そして、これからどういうことが起るのだろう?)
Posted by ブクログ
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一人娘にある日突然現れた異変。悪魔に憑かれたかの如く激しい発作に暴れ苦しむ娘の病はやがて破傷風と判明し、入院し本格的な治療が開始されるも、付ききりで必死の看護に当たる両親の精神は次第に蝕まれていきます。
作家の実体験を元にしたというこの小説は、娘の病状がリアルで本当にしんどそうで心が痛んだのはもちろ
...続きを読むんですが、それ以上に両親がそれぞれにじわじわ追い詰められていく描写に胸を締め付けられると同時に、あまりの凄まじさに恐怖を覚えました。
物語の語り手でもある父親も、冒頭で「お父さんがあまり娘を叱るからストレスで体調が悪化するのだ」と言いがかりをつけられるほどには神経質で繊細で、自分自身の幼児体験や感染への不安でピリピリし、看病にやつれて病んでいるのですが、ふと気づくと実は母親が、誰よりも娘への自責の念に苛まれながら、娘の凄惨な発作への恐怖のあまり、今で言うPTSD的症状に陥り、しばらく病室に足を踏み入れることができなくなるという展開は夢に出てきてうなされそうです。40年程前にホラー風味の演出で映画化されたのもさもありなん、と納得。これでラストに救いがなかったらトラウマに留めを刺されていたと思います。ああ、あのラストで良かった……。
Posted by ブクログ
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すっごく面白かった!!!
「"伏"を読む前に!」
と思って手に取った 作品だったが
本当に手にとってよかったと思っている。
最初の伏姫の物語は有り得ないことの連続に圧倒されながらあっという間に終わってしまった。
その後始まる八犬士の物語は偶然のような
必然の出来事が積み重なり綴られていく…。
全
...続きを読むて書いてあると思っていたら書いてなかった…!それが残念でした。
なのでサラッと導入部だけ読みたい人にはおすすめかも…。でもしっかり読みたい人にはおすすめしないです。
Posted by ブクログ
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人間関係の距離感は、人それぞれ違う。
特に異性との距離感は、様々。
悲喜交々相まって、複雑だ。
夫婦関係も同じだ。
ラブラブ親密をいつまでも維持している
カップルがいる反面、
なんで、まだ婚姻関係が続いているのか
理解不能なカップルもいる。
面白いものである。
本書は、ある意味特殊であり、どこにでも
...続きを読むある
夫婦。
すれ違いあり、心の通い合いがあり。
個人的にはとても楽しめたのだが、読者を選ぶかもしれない。
Posted by ブクログ
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決して楽しい話ではないのに、ユーモラスで軽い文章で楽に読めた。
風変わりな妻を当事者ながらすごく客観的に見ている「ぼく」。
彼女をわからないといいながらも、風変わりなのは育った環境など彼女にも事情があるということを受け入れている。
他人同士が結婚するのだから、何もかもぴったりの夫婦は稀で、価値観や性
...続きを読む格が違うのは至極当然である。
わからないながらも47年という月日はいつの間にか二人を立派な夫婦にしていたのだろう。
いろいろな夫婦のかたちがあるのだと思う。
Posted by ブクログ
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