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「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それはもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。(解説・千街晶之)
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Posted by ブクログ
初芦沢。こんな暑い夏にぴったりな作品。特に第五話が良かった。怪異をこんな風に捉えたことなんて、ただの一度もなかった…。怖く、そして悲しく……しかし優しい物語だと思った。いろんな賞にノミネートされるのも頷けるとても素晴らしい作品でした! ……ここまでが【第五話】まで読んだ感想。 で、最後まで読んだ感...続きを読む想としては「書評」まで含めてひとつの作品だということ。また読者を巻き込んだ恐怖小説としては最高峰だと思う。
解説によると、作者の一人称で書かれた、フェイクドキュメンタリー怪談、というジャンルにあたるようである。 とりあえず読み終わったら念のため榊さんの名前で検索してみたくなる。それだけ現実とフェイクの境界を曖昧にするのが上手い。 登場人物の心理描写も自分と近いものが多く(2話のキミコ先生が電話をあしらう部...続きを読む分が個人的にはツボ)、それもあってとても読みやすく、読みやすいがゆえに怖さもあった。 描き下ろしでなく、小説新潮の不定期連載からこの本を作ったのはすごいな。
怖い
初めから最後まで怖い、怖い。 でも、面白かった。 でも、やっぱり怖い。
面白かった。最後にいろいろ繋がるところでは、これぞフェイクドキュメンタリー本の醍醐味だとワクワクした。まだまだ明かされていない仕掛けがありほうなので、考察を読もう。
正統派のフェイクドキュメンタリーという形で読んでいて面白かった、衝撃的な場面や驚き要素というよりも、じわじわと後から思い出し、考えて、怖くなるようなお話だったと思う。
【短評】 2018年度静岡書店大賞受賞作。 初挑戦な芦沢央(あしざわよう←ずっと”おう”だと思っていた。申し訳ない)である。 筆者自身を語り手とする当世流行のモキュメンタリー・ホラーだが、刊行は2018年であり、2026年のそれとは趣を異にするものだった。6つの短編が収録されているが、どのお話も骨子...続きを読むがしっかりしており、雲散霧消することなく、最後まで読み切ることが出来た。それっぽいものを羅列して終わりではなく、各話がきちんと完結、連関しており、読みやすい文体も相まって、非常に丁寧に作られていると感じた。 個人的には『お祓いを頼む女』及び『妄言』が面白かった。 ポイントは「驚き」である。上記の二話には読書の過程で「おお…そういうことね」という盛り上がりがあった。淡々と進む読書において、こうした仕掛けは矢っ張り重要なポイントなのである。実際のところ、本作の評価上のミソがまさにこの点だ。 上記の二話は良いとして、その他のお話がやや正直に過ぎる嫌いがある。各話のオチや関連性について、ある程度当たりが付いてしまうのが実に惜しい。題材はなかなか香ばしいだけに、残念でならない。 他方、狂人めいた人間の描写が上手だった。落ち着いた筆致で、話が噛み合わない人物が出てくるちぐはぐとした気持ち悪さが、実に心地良かった。褒めています。 ①染み ★★★☆☆ 自死した男の怨念が籠もった「染み」である。全体の方向性を決定付ける重要な立ち位置の作品。「染み」の正体がやや安直なのが残念。なお、私は怖い描写をフォントを変える手法は余り好まない。 ②お祓いを頼む女 ★★★★☆ 頭が可怪しい人の描写が実に上手い。怪異や真相云々より、この女の不気味さが兎角印象に残る。掌編ミステリィとしても良く出来ており、他作品に比して完成度の高さを感じた。二作品通じて、ラストストライクとして「あの人…亡くなったらしいよ」を使うのは、些かどうかと思う部分もあった。 ③妄言 ★★★★☆ 狂人其の二。日常のなかに染み込んでくる異常者の描写がやはり良い。淡々とした語りのなかで、決定的に普通が崩壊していく様は読み応えがあった。オチは、やや予想が付いたが、なかなかに新鮮であり好印象だった。また、怪異譚として本作が持つ性質もまた良い。この方向性で一冊描いても良いものが出来ると思う。 ④助けてって言ったのに ★★★☆☆ うーん。⑥禁忌との抱き合わせにはなるが、少々無理があるような気がする。怪異としては面白い存在だと思うのだが、やや物語の都合で動いた感がある。 ⑤誰かの怪異 ★★★☆☆ 惜しい作品。これは完全にオチが予測出来てしまった。結びの言葉などは好きな類なのだが、やはり全体構成が直裁に過ぎる。この方向で淑やかに結ぶというのもアリだった気がするが、この辺りかなというところに普通に着地してしまったのが残念。 ⑥禁忌 ★★★☆☆ 単体の恐怖譚というよりは、①~⑤を総括して再活性させるような作品である。 悪くはないのだが「知ってた」となる。 「驚き」という明確な不満点はあるだが、どれもしっかりと読ませる良作たちである。 特に「変な人」の描き方には非凡なものを感じた。別作品にも手を出してみたいと思う。
面白かった! 知らぬ間に入り込んで縁を作ってしまった感覚になる。 物語について自分で考えることもできるし、縁についてもそれぞれの感性で楽しむことができる。 怖さがあってハラハラドキドキという楽しみもありつつ、考えさせられることもあって、楽しかった あまり霊的な怪奇現象を信じていない主人公の視点だから...続きを読むこそ、論理的な部分にそーだそーだ!と思いながら、主人公がえ、?って思う箇所では思わずそう思ってしまっているそんな没入感のある作品でした
夢中になって一気読みしてしまった。世にも奇妙な物語を見ているみたいだった。何がフィクションで何がノンフィクションなのかが分からなかった。それが面白い要因だと思う。そこまでホラー要素はないように思えたので、ホラーが苦手な人にもお勧めしたい。(私がホラー耐性があるのかもしれないが)
怪異がじわじわとこちらを侵食してくるような一冊。第一話『染み』は秀逸。本なのに、視覚的にも背筋が凍る場面があって、文字には不思議な力があるなあと思った。 「動物の死骸を見ても、かわいそうって思っちゃダメだよ」と、子どもの頃両親に教えられたことを思い出した。
何が本当で何が創作なのか。 1話1話は、よくあるといえばよくある怖い話のように感じたが、最後のまとめの部分に差し掛かった時に、なんだか心に引っかかっていた事を作者も引っかかっていたのかと思って、それを解き明かそうとするが出来なくて。 タイトルの「火のないところに煙は」というのも秀逸だと思った。 ま...続きを読むさに読み終わった後の気持ちを表している。
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火のないところに煙は(新潮文庫)
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芦沢央
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