カインは言わなかった

カインは言わなかった

850円 (税込)

4pt

公演直前に姿を消したダンサー。
美しき画家の弟。
代役として主役「カイン」に選ばれたルームメイト。
嫉妬、野心、罠──誰も予想できない衝撃の結末。
芦沢央が放つ、脳天を直撃する傑作長編ミステリー!

男の名はカイン。
旧約聖書において、弟のアベルを殺害し、「人類最初の殺人者」として描かれる男──。

「世界の誉田(ホンダ)」と崇められるカリスマ芸術監督が率いるダンスカンパニー。
その新作公演「カイン」の初日直前に、主役の藤谷誠が突然失踪した。
すべてを舞台に捧げ、壮絶な指導に耐えてきた男にいったい何が起こったのか?
誠には、美しい容姿を持つ画家の弟・豪がいた。
そして、誠のルームメイト、和馬は代役として主役カインに抜擢されるが……。

芸術の神に魅入られた人間と、
なぶられ続けた魂の叫び。
答えのない世界でもがく孤独な魂は、いつしか狂気を呼び込み、破裂する。
“沈黙”が守ってきたものの正体に切り込む、罪と罰の慟哭ミステリー。

『汚れた手をそこで拭かない』が直木賞候補、
『火のないところに煙は』が本屋大賞と山本周五郎賞候補。
『許されようとは思いません』続々重版中、
芦沢央が渾身の力を込めて書き上げた超傑作がついに文庫化!


「この小説そのものが、底の知れない沼のようだ。
読み始めたら、逃げられずに沈んでいく恐怖を快楽にかえて、
読み耽るしかない」──角田光代(解説より)

※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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カインは言わなかった のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    つくづく人のいいところ悪いところをとても上手に表現する作家さんだなぁと思います。
    ずっとハラハラしながら読み進めて、救われないなーと思いましたが最後の最後で「お前!!」ってなりましたね。
    好きなことを好きなままでいるのは大変だ。
    面白かったです。

    0
    2025年09月29日

    Posted by ブクログ

    芸術の世界とその周りで交錯する殺意が描かれた長編

    今まで読んだ芦沢作品の中では一番ページ数が多い作品なのに、緊張感がずっと続く
    多視点が細かく切り替わって次へ次へ読んでしまう

    殺意を持つこととそれを行動に移すことの間にある差
    バレエにも絵画にも詳しくないのに、その中に渦巻く人間臭さにがっつり引き

    0
    2023年06月07日

    Posted by ブクログ

    それぞれの視点で見て感じたことが、組み立てられて、結末へ繋がる。些細なことが積み重なって重要性を帯びてゆく。独特な世界観に惹き込まれて、追われるように一気読みした。

    読み終えて、タイトルを目にして、あぁそうか、と妙に納得してしまった。

    0
    2023年02月10日

    Posted by ブクログ

    幼少期からプロを目指してバレエを習い、尊敬する恩師に才能を見限られ続けてきた私が読むと、もう本当に叫んで逃げ出したくなる情景ばかり。最後まで灰色の薄靄の中でストーリーが進み、終盤に漸く救いが見える。私は今でも貴女に憧れと畏怖と憎しみを抱いています。

    0
    2024年07月03日

    Posted by ブクログ

    何とも言えない余韻を残す話だった。登場人物それぞれの強さ・弱さや執着から内面で起こる様々な葛藤がからまり、その中から「他者に選ばれること」というテーマが浮かび上がってくる。角田光代さんの解説がものすごく腑に落ちた。

    0
    2023年04月06日

    Posted by ブクログ

    多者の目線が一つの物語に対して渦巻いており、その一つ一つの視点に人間臭い動機が示されていて読み応えがあった。
    ただ、謎や疑問の全てが綺麗に書き表されるわけではないので、読み終わった後のスッキリ度合いで言うと高くはないかもしれない。

    0
    2023年03月04日

    Posted by ブクログ

    バレエもの、小説だと秋吉理香子作ジゼル、映画だとブラックスワンがあるが、とても厳しい世界を描いてるというのは共通してる。今作は視点が何人かの登場人物によって変わっていく群像劇、最後にどう結び付いていくのかわからないし、緊張感があった。これまでの芦沢央作ともまた違う印象がある。衝撃の結末かというとそん

    0
    2023年01月15日

    Posted by ブクログ

    カインは言わなかった…か。
    カインとアベルを頭の隅に置いて読み進めると最後はタイトルの意味が分かってくる。
    ストーリーは誉田に語らせないことで不信感を持ち、含みが出来てくる。
    この心情が効果的で、読み進まされた感がある。
    ラストまで気を抜くことなく繋げてきたな、と。

    しかし、人物描写はもっと突き詰

    0
    2022年12月22日

    Posted by ブクログ

    これまで読んだ作者の作品はトリックや謎解きに重きを置いた作品が多く、その分人間の描き方に物足りなさがあった。直木賞候補になった時も選考委員の評はその点を指摘したものが多かったように思う。それがあったからかはわからないがこの作品は謎や伏線よりも人間を描くことにこだわった力作のように感じた。特にバレエの

    0
    2022年11月03日

    Posted by ブクログ

    待ち合わせの間に訪れた本屋で、サイン本を見つけて衝動買いした本です。
    タイトルも表紙のデザインも印象的です。そして、なんというか、呼吸がしにくくなるような小説でした。どの登場人物にも親しみが湧かず、それでいてどの人物の感情も(横暴としか言いようのないような誉田の想いさえ)よくわかるような妙な心持ちが

    0
    2022年10月31日

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