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衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。(解説・木村俊介)
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Posted by ブクログ
読んでいる自分が青柳を取り巻く人物を全員疑ってしまう、そんな感情にさせられた。読んでいてヒヤヒヤするし、ワクワクする作品。 「習慣と信頼」 これはこの作品の軸となる要素だった。 ストーリーの展開も終わり方も この2つの言葉が根幹にある。 めっちゃくちゃいい作品!!
読みやすい。超読みやすい。情景がスムーズに浮かび上がる。 伏線回収とか驚くようなトリックのイメージが強いけど、物語自体の素直さと言うか負けそうな主人公がグッと拳を固めて現状に立ち向かうような力強さがある。 その力強さに引っ張られてしまうのは、情景描写の分かりやすさもあると思う。 第3部が物語のプ...続きを読むロローグになっていて、とても印象に残るぶっ込み方をしてくる。突如20年後とか言われて「何?何?これどう言う事?」と強烈なイメージを与えておきつつ、全てを読み終わった時に改めて気がつく。あれはプロローグでもありエピローグだったんだと。 小説ってやっぱ面白いな。と再認識させてくれる作品だった。
『ゴールデンスランバー』を読んでまず感じたのは、これは国家権力から逃げ続けるサスペンスではなく、人生で築いてきた信頼が人を救う物語だということだった。 主人公・青柳雅春は、ごく普通の宅配ドライバーだった。しかし、ある日突然、首相暗殺事件の犯人に仕立て上げられ、日本中から追われる身となる。警察も世論...続きを読むもマスコミも彼を犯人として扱い、逃げ場はどこにもない。物語は極限の逃亡劇として進んでいくが、その緊張感の中で描かれるのは、犯人を追い詰める組織の恐ろしさではなく、青柳という一人の人間がこれまで積み重ねてきた人とのつながりである。 この作品が描いているのは、巨大な権力の陰謀ではない。真実は必ずしも事実によって決まるのではなく、多くの人が信じた物語によって形づくられてしまうという現実である。一度「犯人」というレッテルを貼られれば、その人の言葉は疑われ、無実を証明することさえ難しくなる。その構図は決して小説の中だけの話ではなく、情報が瞬時に広がる現代社会にも通じる恐ろしさを持っている。だからこそ、読者は青柳の逃亡を見守りながら、「もし自分だったら」と何度も考えさせられる。 一方で、この作品が単なる社会風刺に終わらないのは、青柳を支える人々の存在があるからだ。かつて助けた人、学生時代の友人、何気ない日常の中で築いてきた信頼。その一つひとつが、絶望的な状況の中で少しずつ彼を前へ進ませる力になる。伊坂幸太郎は、人とのつながりを感動的な言葉で語るのではなく、過去の何気ない出来事が現在の伏線として回収される構成によって、その重みを自然に伝えてくる。読み進めるほど、善意や誠実さはその場で報われるものではなく、いつか思いもよらない形で自分を支える財産になるのだと実感させられた。 読んでいて何度も考えたのは、人は信頼を必要とするのは順風満帆なときではなく、すべてを失いかけたときだということだった。普段は気にも留めない約束や親切、誠実な振る舞いは、その瞬間だけを見れば小さな行動に過ぎない。しかし、それらは時間をかけて誰かの記憶に残り、自分では想像もできない場面で大きな力へと変わる。この作品は、その積み重ねこそが人生の土台になることを静かに教えてくれる。 『ゴールデンスランバー』は、犯人から逃げ切る物語ではない。どれほど真実が歪められようとも、人との信頼だけは簡単には消えないことを描いた物語である。読み終えたあとに残るのは、巧妙な伏線やスリリングな展開への興奮だけではない。自分は今、誰かに「信じてもらえる人」として日々を積み重ねられているだろうかという問いだった。
面白すぎて読む手が止まらなかった〜! 「人間の最大の武器は、習慣と信頼だ」 みんなが助けてくれたのは、青柳の今までの生き方 習慣と信頼の積み重ねの結果だったんだろうな それにしても、何でこの人がこんなにも理不尽な目に遭わないといけなかったんだろう…と悲しくなった どうか幸せでいてほしいよ〜 ドキドキ...続きを読むハラハラと、合間にあるユーモアの緩急が素晴らしかった 伏線回収とラストがお洒落で素敵だった 解説にあった「物語の風呂敷は、畳む過程がいちばんつまらない」という言葉にもすごく納得 謎が多く残るけれどこの畳みきらなさ、こそがこの作品の味なんだろうなと思った 黒幕とかどうでもよくなっちゃった! 伊坂幸太郎の作品はお初だったけど、人生でトップに入るくらいのめり込んだ作品でした( ◠‿◠ )
飛び抜けて面白かった! 伊坂幸太郎は『逆ソクラテス』以降から読み出して好きな作家と思っていたら、まだまだ全然甘かった。もっと初期から読まなくてはもったいない。脂がのっているというか勢いがものすごい。 仙台駅前をパレード中の首相にラジコンヘリが近寄り、みんなの目の前で爆発。 主人公はケネディ暗殺事件...続きを読むのオズワルドのように、いつの間にか容疑者に仕立て上げられ警察に追われる。 オズワルドは護送中に別の一般人に暗殺されている。 自分も捕らえられたら⋯。 スリルとエンタテインメントが同時に描かれ、長編だけど全くダレない。 ちょっとずつ彼の逃亡を助けることになる脇役たちも魅力的すぎる。もう作者天才!
首相爆殺事件の犯人に仕立て上げられた主人公、青柳。 社会に渦巻く陰謀と、警察の魔の手からひたすら逃げる。 犯人も動機も分かって事件は無事解決、晴れて世間に無実を認められてめでたしめでたしーーー 残念ながら、そんなエンディングが待っているわけではなさそうなことが早々に分かる。 一体何が起き...続きを読むたのか、逃亡の果てに何が待っているのか、ハラハラしながら青柳の逃亡劇を見守ることになる。 過去の回想と現在の逃亡が織り交ぜて描かれ、時に内容がリンクし、過去の縁が今に繋がる。 巨大な権力に対し、個人の小さなつながりと信頼を武器にどう戦うかが、時に「もう過去には戻れない」という哀愁を伴って描かれる。 まるで霧を掴むような得体の知れない敵に対する恐怖心が常につきまとう緊張感を伴いながら、ぐんぐん読み進められた。 そんなストーリーの中でも、伊坂さん作品の持ち味である(と勝手に思っている)、登場人物の軽妙な掛け合いが、ふっと肩の力が抜けるような可笑しさを含んでいて楽しい。 この話はハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかと少し考えた。 このような陰謀に巻き込まれて逃亡を余儀なくされたこと自体は間違いなくどうしようもない不幸であるが、そんな不幸の末の到達点としては紛れもないハッピーエンドなのではないかと思う。 全てを読み終わった後で第三部を読み返してみると、新たに見えてくるものがあり、また、疑わしく思っていた点がさらに補強されるような感覚もあり、そうするとより一層事件の底知れぬ闇の深さが恐ろしくもあり、とても面白い。
知らぬ間に首相暗殺犯に仕立て上げられた男、青柳の逃走劇。 本作に幾度も登場する森の声が聞こえるという青柳の旧友・森田の台詞「人間の最大の武器は、習慣と信頼だ」、青柳がこの2つこそ自分に唯一残された武器だと捉え、思いもよらぬ方向に物語が進んでいく過程に胸が躍らされた。 あとは構成が今まで見たことのな...続きを読むい形だった。事件当日から始まり、事件から二十年後、そして事件当日以降数日、最後は事件から三ヶ月後という初めから”誰が”黒幕かは明らかにならないこと自体が明らかな展開であり、あくまで"黒幕"にさせられた青柳にスポットライトを当てた作品として楽しめた。 状況設定的に手に汗握るストーリーではあるが、挿絵ならぬ主題歌として流れていたビートルズのゴールデンスランバーが懐かしく温かい記憶の中の情景と切なさを物語のエッセンスとして加えていて、不思議な感覚をもった。
10年以上前に買った小説をようやく開いてみた キャラクターも、やり取りも、終わり方もとても好みだった 10年前に読んでたら良かったなあとも思うし、今だから尚更面白いのだとも思うから、小説っていいなあと思いました
人間の最大の武器は習慣と信頼だ。なるほど 伊坂幸太郎にしか書けない作品だなと感じた。2010年ごろにすでに現在の世の中の社会を言い表しているかのような先を見据えた天才。青柳を助ける周りの人たち、俺も青柳の人間性なのか、まわりの人情味が溢れているところが素敵。
今更ながらゴールデンスランバー読みました。 とにかく読みやすかった! 「人間の最大の武器は習慣と信頼」 人を信頼し信頼されながら逃げ続け 初対面でも信頼してもらえる青柳は良い人生を送ってきたんだなー。 最後のページは特に大好き。 絶対再読したいと思う話でした!
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